英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

スペシャリスト 第9話、最終話

2016-03-20 14:25:01 | ドラマ・映画
第8話から始まった最終章。
 “殺人トーナメント”の真相が明らかになり、それを裏で糸を引く者、更に“我々”の全貌が明らかになり、“我々”を操る黒幕が明らかになる……スリリングで凝ったストーリーだった。
 しかし、ずっと引っ張ってきた“我々”の存在が不可解であやふやで、殺人トーナメントが“我々”の残党を一掃する狙いなのか、宅間を陥れる為なのか、よく分からなかった。宅間と“我々”を無理に絡めなくてもよかったのではないだろうか?(“我々残党一掃トーナメント”で良かった)


『我々』……構成目的(理念)、活動など
 15年前、凶悪、複雑化する犯罪やテロ対策のため、警察検察公安や官僚、政治家などのエリートを集めた勉強会。
 根っからの犯罪者は更生できないので、利用しようとした。要潤や井上和香は「我々」にスカウトされた犯罪者で、佐神稚洋(上川隆也)は特別オブザーバーだった。
 どのように利用したのかは不明(犯罪の手口や犯罪者の心理を理解しようとしたのか?実際に汚れ仕事をさせようとしたのか?)。私が見逃したのかもしれない。
 
 で、その挙句、膨大な犯罪の知識データなどを犯罪者たちが持ち去り、姿を消した。
 ………間抜けだ。更生できない根っからの犯罪者が、大人しく利用され続ける訳がない。おまけに、犯罪の知識やデータを教えたら、実行したくなるに決まっている。
 もし、『我々』が利用するとしたら、犯罪マニア(犯罪が好きだが、実践しようとは思わない)を招へいして、犯罪者の逮捕やテロの防止に役立てるぐらいだろう。

 そんな大失策を犯した『我々』のメンバー、事実を公表しようと考えたメンバー(公表しても、あまり利はなく、公表の価値は感じられない)、犯罪者たちを含め『我々』の存在を抹消しようとしたメンバー、野に下った犯罪者たちを利用しようとしたメンバーなどがいたらしい。
 そもそも、組織や自身の保身を含めて、犯罪者たちを抹殺するあるいは確保するのが急務であろう?
 ならば、宅間たちを活用して犯罪者たちを捉まえた方が得策である。宅間に『我々』の存在を隠す必要はないように思える。

 宅間の活用はともかく、『我々』と宅間の対立を作らず、「“殺人トーナメント”は根っからの犯罪者たちを同士討ちさせ、抹消」を計ったに留めた方がスッキリした。


 『スペシャリスト』は“捻りを利かせる”のが売りなので、スッキリとさせようなんて意図は皆無なのだろう。
 ただ、捻り過ぎて、ストーリーに齟齬が生じてしまうのは残念だった。


【疑問など】
宅間を陥れる必要性は低い
・「犯罪者を利用する」という手法は「ハッカーの利用」などで用いられ、目新しくはない(正確では「ハッカー」=犯罪者という概念ではないらしい)。
 なので、室町美也子(紺野まひる)が書いた小説が『我々』の“生みの親”という設定は苦しい。そのうえ、美也子を殺害する必要性も全く感じられなかった
・小池智英(山本裕典)が死を偽装したのは理解できるが、小池智英と須賀和也の存在を入れ替えた必要性がわからない。
・真里亜の父・我妻公昭(羽場裕一)が、『我々』を公表しようとしたが、危害が家族に及ぶのを防ぐため、死亡偽装したのは理解できる。でも、彼は10年間、具体的に何をしていたのだろう?
・宅間の赤いフードは、さすがに目立つだろう。
野方希望は防弾チョッキを着ていたことをどう言い訳するのだろうか?
・上川隆也……回想シーンをバックにナレーションをしただけ。紺野まひる……毒を盛られ、昏睡シーンと回想のみ。可哀そうな扱いだった。

【ストーリー】番組サイトより
『第9話』
 殺人を犯したのに罪に問われなかった8人の男女が、最後のひとりになるまで互いに殺しあう『殺人トーナメント』なる裏サイトが存在し、そのトーナメントの頂点に君臨する“クイーン”なる人物がいることを突き止めた宅間善人(草剛)ら総合事犯対応係(仮称)のメンバーたち。しかも裏サイトのアナグラムが指す“クイーン”は、宅間の元妻・室町美也子(紺野まひる)だった!その矢先、美也子が滞在中のホテルで何者かに有機系の毒を盛られてしまう!
 宅間はこの事件と殺人トーナメントの背後に“犯罪脚本家”こと佐神稚洋(上川隆也)の存在を察知。一連の出来事が自分に向けた挑戦で、トーナメントは最初から自分を狙ったものだったのではないかと考える。だが、なぜそれが途中でターゲットが変わり、美也子が狙われたのか…?その謎を解くために、姉小路千波(南果歩)らの力を得て、佐神の行方を追い始める。
 殺人トーナメントを勝ち抜いた安西桂子(井上和香)から、トーナメントに参加した経緯を聞き出した千波は、あらためて佐神のそら恐ろしさを実感。松原唯子(芦名星)らも、ボーイに扮した男性が美也子の部屋に侵入する場面を防犯カメラで確認し、美也子に接触していたのは佐神だったのか、解明を急ぐ。
 一方、殺人トーナメントについて洗い直し始めた宅間と我妻真里亜(夏菜)は、最初の殺人の第一発見者である交番の巡査・岸田(神谷まこと)の元を訪れるが、すでに岸田は何者かに毒殺され、ホルスターからは拳銃が奪われていた!野次馬の中に不審な男を見つけた宅間は、その男の後を追跡。踏切まで追い詰めた、その時。宅間たちのほうを振り向いたその顔は、死んだはずのあの男だった!
 さらに、佐神から宅間宛てにある展覧会の招待状が届く。「これは俺と『我々』の闘いだから」と千波の介入を許さず、宅間はひとり、佐神との対峙に向かう。

脚本:戸田山雅司
監督:七剛

『最終話』
 ギャラリーの屋上に小池智英(山本裕典)を追い詰め、拳銃を向けた宅間善人(草剛)。追いかけてきた我妻真里亜(夏菜)、姉小路千波(南果歩)たちの目の前で、小池はビルから転落し、死亡する。
 この件に対し、監察官の聴取が行なわれようとする中、一瞬の隙をついて宅間は逃走。宅間に容疑がかかっていることで、総合事犯対応係(仮称)は捜査からも外され、謹慎を命じられてしまう!
 呆然とする千波たちに、滝道博喜(吹越満)は「本当に宅間が小池を殺害したと思うのか?」と問い、捜査一課が宅間を見つける前に、総合事犯対応係(仮称)で見つけ出すよう指示を出す。
 その矢先、野方希望(和田正人)が、ネット上で宅間が“あるゲーム”を開始したことを突き止める!地下鉄、私鉄、バスなどを駆使し、都内を縦横無尽に駆けまわる宅間を、ネット上のヒントを手がかりに見つけ出す、というゲーム…。宅間は何のためにこんなゲームを仕掛けたのか?千波たちは真意をつかめないまま、宅間の行方を追い始める。
 宅間を追う中で、徐々に明らかになっていく“我々”の正体。そして、10年間密かに生きていたことがわかった真里亜の父・我妻公昭(羽場裕一)は、なんのためにモグっていたのか?

 最終回、これまで謎だったすべてのことが明らかになる…!そしてそれは誰もが驚く驚愕の真実だった!

脚本:戸田山雅司
監督:七剛
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