英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「接近戦」(中田七段作詰将棋)の解答

2016-03-28 16:43:57 | 詰将棋
「接近戦 ……中田七段作詰将棋 2012年7月3日 中日新聞系新聞出題」の解答です。



 取りあえず一番目につく▲2五飛と打ってみましょう。
 3三に逃げれば▲4二角で詰みますが、△1四玉と逃げられると

 ▲1五歩が“打ち歩詰の禁”でうまくいきません。
 失敗図1で何とかならないかと、▲2三角と打ってみても何ともなりません。

 では、▲4二角はどうでしょうか?

 3三に合駒をしてくれると、▲2五龍で綺麗に詰みます。また、△1四玉にも▲2五龍で詰みます。
 しかし、△2三玉と逃げられると、

 1二への逃走が防げず、うまくいきません。

 正解は近づけて打つ▲3三角。

 離して打つ▲4二角が実戦では正しい感覚なのですが、近づけて打つ(取られやすい)のが正着になることが多いのです。
 これが詰将棋の面白さですが、あまり慣れ過ぎると実戦に悪影響が出るので困ったものです。
 ▲3三角に△同馬や△同香は、先の変化と同様に▲2五龍で詰み、また、△3三同玉には▲4三飛△2四玉▲2五龍で詰みます。


 そこで、初手▲3三角には△2三玉と逃げます。

 ここで、▲2五飛と打てば、今度は1二に逃げ込まれても、角が3三にいて2二に利いているので▲2二飛成(角成)で詰みます。
 しかし、これで一件落着かというと……残念ながら、△3三玉とされると“打ち歩詰の禁”で詰めることができません。


 第2図では、またしても▲2四飛と近づけて打つのが正解。

 △3三玉と逃げますが……


 今度は打ち歩詰にならず、▲3四歩と打てます。
 △2四玉と飛車は取られてしまいますが、▲2五龍で詰みます。


 長距離砲の飛車角を敢えて近づけて打ち、取らせることで敵玉を討ち取る……詰将棋の醍醐味を感じさせる作品でした。

詰手順……▲3三角△2三玉▲2四飛△3三玉▲3四歩△2四玉▲2五龍まで7手詰
コメント (2)
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