(【その1】、【その2】の続きです)
富士通 × シャンソン化粧品 第3戦
大逆転の第2戦から休養日を挟んでの第3戦、流れは富士通であるが、そんなショックを引きずるシャンソンVマジック(丁ヘッドコーチ)ではない。過去の後悔より現在の勝利である。
第1Q、富士通は相変わらずシュートミスが多く、5本連続でシュートを外し、6本目にようやく町田の3Pシュートが決まる。シャンソンもあまり良くなかったが、元山がフリースローと3Pシュートを決めるなど、富士通3-6シャンソンの立ち上がり。
第2戦を思わせる展開だったが、3分48秒、本川がシュートの際、ディフェンダーと交錯し、踵を痛めてしまう。丁ヘッドコーチもメンバーチェンジを準備。本川はしばらくプレーを続けたが、足を引きずるのを見た審判が試合を中断、ベンチへ。非常に痛そうで、コートへの復帰は難しそう。
これで富士通に流れがいくかと思われたが、元山が1本、代わりに出場した増岡が2本シュートを決めるなど、奮闘する。
3-12(5分41秒)、9点差となり、第2戦の再現かと思われたが、富士通も必死のプレーで踏ん張り、9-16で何とか収める。
富士通はオフェンスの形にはなるがフィニッシュが決まらず、4/18とフィールドゴール成功率はわずか22.2%。
最初は重圧や焦りによるものと思ったが、それよりも肉体的疲労によるものだと考える。思い描いたオフェンスをしようと身体を動かすが、シュートにまで持っていくのが精いっぱいで、シュートの最後のキメまで制御できない感じだ。ターンオーバーが5本とやや多いのも、疲労の現れであろう。
本川離脱で苦しいと思われたシャンソンだが、動きはシャンソンのほうが良い。元山7得点、近平4点、増岡4点と本川離脱の穴を埋める。
第2Q以降も、同様なゲーム展開。シャンソンは元山(3Pシュート3本成功21得点)を中心に得点を上げ、ディフェンスも緩めない。
富士通はシュートが不正確で得点が伸びないうえ、長岡がファールトラブルに陥り、プレー時間にリミットがある篠原のプレー時間が長くなり、疲労が蓄積している他のメンバーも動きが重い。
町田もパス、シュートともに精彩を欠き、篠原、篠崎も同様で、チーム全体的に集中力を欠くプレーが見られた。
5点差~9点差で押し引きする膠着状態が続いたが、5点差から9点差に開きシャンソンに流れが行きかけた第3Q6分過ぎ(32-41)、途中出場の佐藤が強気なドライブシュートを決める。さらに1分後、再びゴール下に切り込むドライブシュートを決め5点差に戻した。気迫あふれたプレーがチームを救った。
第3Qは38-41で終了。3点差で最終クォーターを迎えることができたのは富士通にとって大きかった。
第4Q、シャンソン・増岡が外したシュートを自らが飛び込んでリバウンドを取り、シュートを決め5点差に戻す。この後、5点差⇔3点差を繰り返すジリジリした展開。
3分38秒、42-47。4分16秒、ゴール下でファールを受けた長岡がフリースローを1本決め(1本外す)4点差。
この後の攻防は、勝利の賽の目がぐらぐら動いた。
シャンソンの3Pシュートが外れたが、これをシャンソンが押さえ、更に3Pシュート。これも外れ、今度は富士通が取り、ゴール下の篠原がファールをもらい2スロー。
ところが、篠原がフリースローを2本とも落としてしまう。しかし、長岡がリバウンドを押さえ、町田の3Pのリバウンドを篠原が決めて、ついに2点差。(45-47、5分32秒)
次のシャンソンのシュートが入らず、6分30秒、篠崎がエンドライン付近の角度のないジャンプシュートを沈め、ついに同点(47-47)。
この後、互いにオフェンスを失敗した後、外郭でパスを受けた富士通・山本がゴールに切り込んでドライブシュート。ついに逆転(49-47、7分54秒)。この直前のディフェンスでシャンソンのパスカットをしたのも山本だった。
この次のオフェンスは共に失敗で、残り1分12秒。(直前のシャンソンが必死に守り、富士通は24秒オーバータイム)
残り50秒で、元山がドライブで切り込む。富士通ディフェンダー2人が阻止に来たのを見て、ゴール下の近平にパスを通す。これを近平が決めて、同点。(49-49、残り48秒)
残り35秒、町田がゴール付近の長岡にバウンドパス。長岡が決めて、51-49。(残り34秒)
シャンソンのオフェンス。一度アウトオブバウンド(シャンソンボール)となり、エンドラインからのスローイン。ボールを受けた増岡が、ターンしてジャンプシュート。しかし、これを山本がブロックして、ボールは富士通に。
残り24秒、富士通はパスやドリブルを駆使して時間を使う。残り4秒で篠原がジャンプシュート。シャンソン・近平がリバウンドを取ったものの、残り2秒弱。そのまま、試合終了。
51-49、富士通の勝利。ファイナルへ進出した。
藤吉、河村、そして本川と故障者続出のシャンソンの健闘が光ったが、最後に力尽きた。丁ヘッドコーチには、のど飴を贈りたい。
この試合を観る限り、ファイナルは相当厳しい。
ただ、この試合を勝ち切ったことは、非常に価値があり、もう1段階アップした可能性もある。
シュート不調の因は、疲労にあると思われ、リフレッシュできれば勝機もあるかもしれない。
鍵は、町田のパス捌き。うまく、JXの厳しいディフェンスを掻い潜ることが第1条件。それと、篠崎と町田でJXのオフェンスの起点である吉田を押さえたい。
あと、問題なのは、山本。2Pシュートは1/3、3Pシュートは1/10と散々な出来。
セミファイナルを通してシュートが不調で、このゲームはシュートを逡巡するシーンも多かった。
シュートに自信がないので、積極的にフリーの状態を作ろうとせず、中途半端なポジションでパスをもらうので、自分も他のメンバーも迷ってしまう。たぶん疲労もあるのだろう、ドライブでかわす動きの切れもなく、オフェンスの流れを止めて、ガードにボールを戻すだけの苦しいオフェンスが幾度となく見られた。
この際、スクリーンなどチームオフェンスで、フリーの状態を作って、“シュートを打つしかない”状況を作ってあげたらどうだろうか。
今期の富士通、佐藤が移籍してきたとはいえ、メンバーが寂しい。
篠原がフル出場できないのも痛い。あと、2、3人、レギュラー格のメンバーが欲しい。
JX-ENEOSの8連覇は堅そうだ。
富士通 × シャンソン化粧品 第3戦
大逆転の第2戦から休養日を挟んでの第3戦、流れは富士通であるが、そんなショックを引きずるシャンソンVマジック(丁ヘッドコーチ)ではない。過去の後悔より現在の勝利である。
第1Q、富士通は相変わらずシュートミスが多く、5本連続でシュートを外し、6本目にようやく町田の3Pシュートが決まる。シャンソンもあまり良くなかったが、元山がフリースローと3Pシュートを決めるなど、富士通3-6シャンソンの立ち上がり。
第2戦を思わせる展開だったが、3分48秒、本川がシュートの際、ディフェンダーと交錯し、踵を痛めてしまう。丁ヘッドコーチもメンバーチェンジを準備。本川はしばらくプレーを続けたが、足を引きずるのを見た審判が試合を中断、ベンチへ。非常に痛そうで、コートへの復帰は難しそう。
これで富士通に流れがいくかと思われたが、元山が1本、代わりに出場した増岡が2本シュートを決めるなど、奮闘する。
3-12(5分41秒)、9点差となり、第2戦の再現かと思われたが、富士通も必死のプレーで踏ん張り、9-16で何とか収める。
富士通はオフェンスの形にはなるがフィニッシュが決まらず、4/18とフィールドゴール成功率はわずか22.2%。
最初は重圧や焦りによるものと思ったが、それよりも肉体的疲労によるものだと考える。思い描いたオフェンスをしようと身体を動かすが、シュートにまで持っていくのが精いっぱいで、シュートの最後のキメまで制御できない感じだ。ターンオーバーが5本とやや多いのも、疲労の現れであろう。
本川離脱で苦しいと思われたシャンソンだが、動きはシャンソンのほうが良い。元山7得点、近平4点、増岡4点と本川離脱の穴を埋める。
第2Q以降も、同様なゲーム展開。シャンソンは元山(3Pシュート3本成功21得点)を中心に得点を上げ、ディフェンスも緩めない。
富士通はシュートが不正確で得点が伸びないうえ、長岡がファールトラブルに陥り、プレー時間にリミットがある篠原のプレー時間が長くなり、疲労が蓄積している他のメンバーも動きが重い。
町田もパス、シュートともに精彩を欠き、篠原、篠崎も同様で、チーム全体的に集中力を欠くプレーが見られた。
5点差~9点差で押し引きする膠着状態が続いたが、5点差から9点差に開きシャンソンに流れが行きかけた第3Q6分過ぎ(32-41)、途中出場の佐藤が強気なドライブシュートを決める。さらに1分後、再びゴール下に切り込むドライブシュートを決め5点差に戻した。気迫あふれたプレーがチームを救った。
第3Qは38-41で終了。3点差で最終クォーターを迎えることができたのは富士通にとって大きかった。
第4Q、シャンソン・増岡が外したシュートを自らが飛び込んでリバウンドを取り、シュートを決め5点差に戻す。この後、5点差⇔3点差を繰り返すジリジリした展開。
3分38秒、42-47。4分16秒、ゴール下でファールを受けた長岡がフリースローを1本決め(1本外す)4点差。
この後の攻防は、勝利の賽の目がぐらぐら動いた。
シャンソンの3Pシュートが外れたが、これをシャンソンが押さえ、更に3Pシュート。これも外れ、今度は富士通が取り、ゴール下の篠原がファールをもらい2スロー。
ところが、篠原がフリースローを2本とも落としてしまう。しかし、長岡がリバウンドを押さえ、町田の3Pのリバウンドを篠原が決めて、ついに2点差。(45-47、5分32秒)
次のシャンソンのシュートが入らず、6分30秒、篠崎がエンドライン付近の角度のないジャンプシュートを沈め、ついに同点(47-47)。
この後、互いにオフェンスを失敗した後、外郭でパスを受けた富士通・山本がゴールに切り込んでドライブシュート。ついに逆転(49-47、7分54秒)。この直前のディフェンスでシャンソンのパスカットをしたのも山本だった。
この次のオフェンスは共に失敗で、残り1分12秒。(直前のシャンソンが必死に守り、富士通は24秒オーバータイム)
残り50秒で、元山がドライブで切り込む。富士通ディフェンダー2人が阻止に来たのを見て、ゴール下の近平にパスを通す。これを近平が決めて、同点。(49-49、残り48秒)
残り35秒、町田がゴール付近の長岡にバウンドパス。長岡が決めて、51-49。(残り34秒)
シャンソンのオフェンス。一度アウトオブバウンド(シャンソンボール)となり、エンドラインからのスローイン。ボールを受けた増岡が、ターンしてジャンプシュート。しかし、これを山本がブロックして、ボールは富士通に。
残り24秒、富士通はパスやドリブルを駆使して時間を使う。残り4秒で篠原がジャンプシュート。シャンソン・近平がリバウンドを取ったものの、残り2秒弱。そのまま、試合終了。
51-49、富士通の勝利。ファイナルへ進出した。
藤吉、河村、そして本川と故障者続出のシャンソンの健闘が光ったが、最後に力尽きた。丁ヘッドコーチには、のど飴を贈りたい。
この試合を観る限り、ファイナルは相当厳しい。
ただ、この試合を勝ち切ったことは、非常に価値があり、もう1段階アップした可能性もある。
シュート不調の因は、疲労にあると思われ、リフレッシュできれば勝機もあるかもしれない。
鍵は、町田のパス捌き。うまく、JXの厳しいディフェンスを掻い潜ることが第1条件。それと、篠崎と町田でJXのオフェンスの起点である吉田を押さえたい。
あと、問題なのは、山本。2Pシュートは1/3、3Pシュートは1/10と散々な出来。
セミファイナルを通してシュートが不調で、このゲームはシュートを逡巡するシーンも多かった。
シュートに自信がないので、積極的にフリーの状態を作ろうとせず、中途半端なポジションでパスをもらうので、自分も他のメンバーも迷ってしまう。たぶん疲労もあるのだろう、ドライブでかわす動きの切れもなく、オフェンスの流れを止めて、ガードにボールを戻すだけの苦しいオフェンスが幾度となく見られた。
この際、スクリーンなどチームオフェンスで、フリーの状態を作って、“シュートを打つしかない”状況を作ってあげたらどうだろうか。
今期の富士通、佐藤が移籍してきたとはいえ、メンバーが寂しい。
篠原がフル出場できないのも痛い。あと、2、3人、レギュラー格のメンバーが欲しい。
JX-ENEOSの8連覇は堅そうだ。