英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

終盤、覇気が感じられなかった(2023年度B級1組 山崎八段-羽生九段)

2023-10-22 10:44:34 | 将棋
2023年度B級1組7回戦 山崎八段-羽生九段は山崎八段の勝利(10月19日)。
羽生九段は、対増田康宏七段戦に続いての連敗。4勝3敗となった。まだまだ、A級復帰の可能性はあるが、もう負けられなくなった。(あと1敗しても可能性はあるが……)

 中盤辺りは、優勢に持ち込めそうな将棋だったが、中盤の終わりに先手の桂頭を攻めて△7六歩と突いたため、▲7五香と打たれる空間を作ってしまい、それが痛打となってしまい、形勢を損ねた。
 それでも、不利と言ってもまだまだ難解な局面が続いた。

 しかし、終盤は淡白な指し手が続き、簡単に土俵を割ってしまった。
 気になったのは、時間の使い方。
 78手目は夕食休憩の後、対局再開直後の手で、この手の消費時間は13分(ほとんど夕休前の考慮時間)。
 この時点の通算の考慮時間は3時間38分で残り2時間18分。山崎八段も2時間22分とほぼ同じ。
 ここからの一手ごとの考慮時間(単位は分、0は1分未満、上段:山崎、下段:羽生)は……
6 2 0 5 32 0 0 6 0 5 0 12 26 0 0 6 1 0 0 6 3 1 0 0 4 0 0 0 0
0 0 0 0 6 0 4 1 2 0 0 2 0 10 0 9 6 1 0 0 0 0 10 0 0 0 0 0 0
 互いに大長考はなく、やや長考と言える20~40分の考慮が山崎八段に2回あるだけで、速い進行。羽生九段は10分2回、9分が1回あるだけ。
 相当難解な指し手の押し引きがあり、やや不利な羽生九段はもう少し考えてもいいはず。
 103手目に26分考慮した山崎八段は、残り時間が38分となっていた。
 108手目の局面、先手の6六の歩で羽生九段の6五の銀には当たりが掛かっている(次に取られるという状態)。
 ここで△7六歩と銀取りに打つ手の方が良かったが、9分の考慮で△7四銀と引いた。それでも、まだ、挽回の余地がある形勢だったが、この後は淡白な紛れの少ない手順で投了。
 山崎八段の眠っていた8八の角に▲6六角と飛車取りに飛び出され、最後は▲7五角と羽生玉にとどめを刺されてしまうという羽生ファンにとっては悔しい手順。
 山崎八段の残り時間が40分を切っており、まだ難解でその残り時間では勝ち切るのは大変で、逆転の可能性があったが、淡白な羽生九段の指し手であった。

 体調が悪かったのだろうか?

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