「最終回でこけるのでは?」という不安がありましたが、やはり、つまずき、よろけ、膝をつき、なんとかゴールしたという感じです。
いろいろぶれるものが多く、観ている私もその揺れで、視点が定まりません。感想をまとめようにも、何から書けばいいのやらという状態です。
一応のポイントを列挙すると
①村雲の混沌とした人生観(登場人物や視点によってその捉え方は様々)
②揺れる歌織のキャラクター
③誘拐事件の真相と村雲の母親
①村雲の混沌とした人生観
1歌織が捉える村雲
・復讐を遂げた村雲だが、心が晴れていない
・息子を抱こうとしない村雲に疑念を感じる
・誘拐事件の真相を知り、復讐しても村雲の心が晴れない理由を知る。村雲の心を支配する真の因は別(誘拐の真相)にあった
・11年前の村雲は、面白味のない優等生タイプだった
・母親に褒められたいという意識が汲み取れた
・復讐なんて感覚、村雲は一度も持ったことがない
・怒りや憎しみで行動していたのではなく、褒められたかっただけ
2春馬が捉える村雲
・村雲は復讐のために生きてきた
歌織から村雲の話を聞き
・何もかもわかった上で、檜山家を陥れた。それは、褒められたかったからなのか。
・母親に絶望している
3檜山息子が捉える村雲
・飛行機が墜落した時、笑っていた村雲に脅威を感じていた
4村雲の矛盾した行動
・村雲自身、母の生存を知っていて、さらに、誘拐事件の真相にも気づいている。それなのに、母親に会いに行かないのは、母に捨てられたことを再認識してしまうのではないかという怖れなのか
・歌織と別れる時、光の手を握ったのは、どういう心境だったのか?最後だから握っただけだったのか、光を愛おしく感じ歌織と共に生きていく意思からなのか
・光の手を握ったものの、歌織に去られた村雲は、5000億を奪い返した。結局、生き方を変えないつもりだったのか。
・春馬が来ることを予期していたが、それなら、さっさと証拠を隠し逃走すればいいはず。春馬を待ち伏せていたのは、決着をつけたかったのか?
春馬にとって村雲は決着をつけたい相手であっても、村雲にとっての春馬はその他大勢の存在のような気がするが、そこまでこだわるのは、真っ直ぐに生きてきた春馬をまぶしく思い、自分の住む闇の世界に引きずり込みたかったからなのだろう
・絶望していない、誰も恨んでいないと言い切る。幸せに生きている自分を想像し、希望を持ってしまう。人が狂わすのはそういう希望なんだという。正直、よくわからない理屈です。
②揺れる歌織のキャラクター
多くを語らず、自らの心の内を明かすことが少なかったので、何を考えているのかつかめないキャラだった。私(視聴者)が、表向きの彼女の行動をそのまま捉えているからなのかもしれないが、彼女のキャラや行動は毎回パターンが変わり、一貫性が全くないように感じた。
最終回では、まず、息子の光を脱税の道具にするかのように扱う村雲を責める。
このこと自体は母親として当然の感情だが、村雲に加担して檜山の息子と結婚し出産した子ども・光を利用して資産を奪った事を考えると、全く言葉に重みを感じることはできない。
まあ、その後に続く言葉から、「復讐は終わったはずなのに、まだ村雲は生き方を変えない。このままでは、村雲と光は檜山と村雲の関係の二の舞になってしまう」と、我が子を愛しての言葉だったとは理解できる。
つまり、資産を奪うところまでは村雲に協力して、復讐を遂げさせた後は村雲に普通の人生を歩んでほしいという村雲への愛があったということ。
しかし、それなら、確かに「彼を救いたい」という言葉を発してはいるものの、そういう彼女の心情を汲み取るにはそういったシーンがあまりに少なかったように思う。
最終回だけやたら語るキャラに変貌していた。
檜山に財産を返し、それがもとで、村雲が詐欺罪で捉えられることを予測し、「そうでもならないと村雲は止まらない」と村雲に言い放つ歌織。
そして、「はじめから、やり直すきっかけは目の前にあったのよ。希望はすぐ目の前にあったのよ」と光を村雲に見せる。村雲も初めて光の手を握る。
この場面、「おお、そうだよな」と素直に共感!
しかし、「この手がもう少し大きくなったら、素敵なお父さんだったと伝えておくわ」
って、おい、過去形かよ!
「ごめんね」という言葉を残し、去っていく歌織。薄情なのね。
③誘拐事件の真相と村雲の母親
誘拐を陰で糸を引いていたのが母親。恥ずかしながら、明かされるまで、気がつかなかった。
怖い母親。誘拐のネタにするだけでなく、腕まで切り落とさせるなんて、鬼。
最後まで、息子を拒んだ。そこまで拒絶するのは、なぜか?
今の生活を乱されたくないため?いや、もともと檜山を憎んでいて、村雲は憎しみの対象でしかなかった。そのあたり、もっと、描いてほしかった。
過去を後悔していて、息子に会わす顔がない。薔薇のカラクリ(隠し口座が記されていた)に気づいて、それを受け取ることはできなかったと考えることもできるが、そうではないだろう。
まとめ(特に村雲について)
村雲は「絶望していない、恨んでいない、希望が狂わせた」と言ったが、「幸せになっている自分(希望)」と「影の世界で生きる自分(絶望)」との落差で復讐に至った。だから、その行動は単純に復讐と言ってしまえばいいのではないか。
もちろん復讐だけでなく、自分の人生の根底にあるのは母親への思慕だった。母に褒められたい、愛されたい、その一心だった。
しかし、子どものころから母から自分は憎しみの対象でしかないことを感じていた。最後まで、母に愛されたかった。しかし、拒まれるのが怖くて会うことができなかった。すごく悲しい人生だった。(光を抱くことができないのも、拒まれるのが怖かったからだろう)
子どもの頃の回想シーンで、母親の肌の露出が多いのが気になった。もしかしたら、母親以外の別な感情があり、それを母親が感じて拒んでいたとも考えられるが、考え過ぎだろう。
その他の疑問点・突っ込み
・最終回お決まりの「火を放つ・爆発・ライバルの死」の演出が、このドラマでも登場。村雲の死はともかく、「火を放つ・爆発」はいらない。もっと、母親の心情を描いてほしかった
・警察署長(平田満)が豪邸に住んでいる訳は?なぜ、村雲の母親と結婚しているのか?
・密閉された金庫かと思ったら、簡単に外に逃げられるのね。引田天功みたい
・春馬もあっという間に手や足の縄をといてしまうし
・階段が二つある不思議な地下室の造りだ
・村雲が逃げた車はしょぼかった
・「村雨を1発殴るだけ」と言っていたが、5、6発殴っていた
・赤いタオルのようなものがフロントガラスに張り付いたシーンはホラー映画のようだった
・「泣いた赤鬼」の話は、場面にあっていない
いろいろぶれるものが多く、観ている私もその揺れで、視点が定まりません。感想をまとめようにも、何から書けばいいのやらという状態です。
一応のポイントを列挙すると
①村雲の混沌とした人生観(登場人物や視点によってその捉え方は様々)
②揺れる歌織のキャラクター
③誘拐事件の真相と村雲の母親
①村雲の混沌とした人生観
1歌織が捉える村雲
・復讐を遂げた村雲だが、心が晴れていない
・息子を抱こうとしない村雲に疑念を感じる
・誘拐事件の真相を知り、復讐しても村雲の心が晴れない理由を知る。村雲の心を支配する真の因は別(誘拐の真相)にあった
・11年前の村雲は、面白味のない優等生タイプだった
・母親に褒められたいという意識が汲み取れた
・復讐なんて感覚、村雲は一度も持ったことがない
・怒りや憎しみで行動していたのではなく、褒められたかっただけ
2春馬が捉える村雲
・村雲は復讐のために生きてきた
歌織から村雲の話を聞き
・何もかもわかった上で、檜山家を陥れた。それは、褒められたかったからなのか。
・母親に絶望している
3檜山息子が捉える村雲
・飛行機が墜落した時、笑っていた村雲に脅威を感じていた
4村雲の矛盾した行動
・村雲自身、母の生存を知っていて、さらに、誘拐事件の真相にも気づいている。それなのに、母親に会いに行かないのは、母に捨てられたことを再認識してしまうのではないかという怖れなのか
・歌織と別れる時、光の手を握ったのは、どういう心境だったのか?最後だから握っただけだったのか、光を愛おしく感じ歌織と共に生きていく意思からなのか
・光の手を握ったものの、歌織に去られた村雲は、5000億を奪い返した。結局、生き方を変えないつもりだったのか。
・春馬が来ることを予期していたが、それなら、さっさと証拠を隠し逃走すればいいはず。春馬を待ち伏せていたのは、決着をつけたかったのか?
春馬にとって村雲は決着をつけたい相手であっても、村雲にとっての春馬はその他大勢の存在のような気がするが、そこまでこだわるのは、真っ直ぐに生きてきた春馬をまぶしく思い、自分の住む闇の世界に引きずり込みたかったからなのだろう
・絶望していない、誰も恨んでいないと言い切る。幸せに生きている自分を想像し、希望を持ってしまう。人が狂わすのはそういう希望なんだという。正直、よくわからない理屈です。
②揺れる歌織のキャラクター
多くを語らず、自らの心の内を明かすことが少なかったので、何を考えているのかつかめないキャラだった。私(視聴者)が、表向きの彼女の行動をそのまま捉えているからなのかもしれないが、彼女のキャラや行動は毎回パターンが変わり、一貫性が全くないように感じた。
最終回では、まず、息子の光を脱税の道具にするかのように扱う村雲を責める。
このこと自体は母親として当然の感情だが、村雲に加担して檜山の息子と結婚し出産した子ども・光を利用して資産を奪った事を考えると、全く言葉に重みを感じることはできない。
まあ、その後に続く言葉から、「復讐は終わったはずなのに、まだ村雲は生き方を変えない。このままでは、村雲と光は檜山と村雲の関係の二の舞になってしまう」と、我が子を愛しての言葉だったとは理解できる。
つまり、資産を奪うところまでは村雲に協力して、復讐を遂げさせた後は村雲に普通の人生を歩んでほしいという村雲への愛があったということ。
しかし、それなら、確かに「彼を救いたい」という言葉を発してはいるものの、そういう彼女の心情を汲み取るにはそういったシーンがあまりに少なかったように思う。
最終回だけやたら語るキャラに変貌していた。
檜山に財産を返し、それがもとで、村雲が詐欺罪で捉えられることを予測し、「そうでもならないと村雲は止まらない」と村雲に言い放つ歌織。
そして、「はじめから、やり直すきっかけは目の前にあったのよ。希望はすぐ目の前にあったのよ」と光を村雲に見せる。村雲も初めて光の手を握る。
この場面、「おお、そうだよな」と素直に共感!
しかし、「この手がもう少し大きくなったら、素敵なお父さんだったと伝えておくわ」
って、おい、過去形かよ!
「ごめんね」という言葉を残し、去っていく歌織。薄情なのね。
③誘拐事件の真相と村雲の母親
誘拐を陰で糸を引いていたのが母親。恥ずかしながら、明かされるまで、気がつかなかった。
怖い母親。誘拐のネタにするだけでなく、腕まで切り落とさせるなんて、鬼。
最後まで、息子を拒んだ。そこまで拒絶するのは、なぜか?
今の生活を乱されたくないため?いや、もともと檜山を憎んでいて、村雲は憎しみの対象でしかなかった。そのあたり、もっと、描いてほしかった。
過去を後悔していて、息子に会わす顔がない。薔薇のカラクリ(隠し口座が記されていた)に気づいて、それを受け取ることはできなかったと考えることもできるが、そうではないだろう。
まとめ(特に村雲について)
村雲は「絶望していない、恨んでいない、希望が狂わせた」と言ったが、「幸せになっている自分(希望)」と「影の世界で生きる自分(絶望)」との落差で復讐に至った。だから、その行動は単純に復讐と言ってしまえばいいのではないか。
もちろん復讐だけでなく、自分の人生の根底にあるのは母親への思慕だった。母に褒められたい、愛されたい、その一心だった。
しかし、子どものころから母から自分は憎しみの対象でしかないことを感じていた。最後まで、母に愛されたかった。しかし、拒まれるのが怖くて会うことができなかった。すごく悲しい人生だった。(光を抱くことができないのも、拒まれるのが怖かったからだろう)
子どもの頃の回想シーンで、母親の肌の露出が多いのが気になった。もしかしたら、母親以外の別な感情があり、それを母親が感じて拒んでいたとも考えられるが、考え過ぎだろう。
その他の疑問点・突っ込み
・最終回お決まりの「火を放つ・爆発・ライバルの死」の演出が、このドラマでも登場。村雲の死はともかく、「火を放つ・爆発」はいらない。もっと、母親の心情を描いてほしかった
・警察署長(平田満)が豪邸に住んでいる訳は?なぜ、村雲の母親と結婚しているのか?
・密閉された金庫かと思ったら、簡単に外に逃げられるのね。引田天功みたい
・春馬もあっという間に手や足の縄をといてしまうし
・階段が二つある不思議な地下室の造りだ
・村雲が逃げた車はしょぼかった
・「村雨を1発殴るだけ」と言っていたが、5、6発殴っていた
・赤いタオルのようなものがフロントガラスに張り付いたシーンはホラー映画のようだった
・「泣いた赤鬼」の話は、場面にあっていない
ツッコミ始めたらキリがない最終回でした。
見る相手によって、その人物が違って見えるのは当たり前なのですが、そもそもの視点が定まらず、いろんな人の目から見たそれぞれのキャラクターを描いた様になったから、こんなふうに不思議な感じになっちゃったんですかね( ̄ー ̄?)
始まって15分ぐらいで?マークが出始めて、それがどんどん増えて見ててもどうでもよくなっちゃいました(笑
母親が誘拐事件の犯人だということで、村雲の絶望は理解できるのですが、なら脱税のプロとか査察官とか関係なくそっちをメインに据えてストーリーを作っていけばよかったような・・・
>階段が二つある不思議な地下室の造りだ
私もあの地下室の構造がよくわからなかったです。急に階段が出現したような・・(笑
>「泣いた赤鬼」の話は、場面にあっていない
なんかもうシュールな世界になってましたよね(笑
あの状況で、どうしてあんな話が出てくるのか・・
トンデモドラマ伝説にまたひとつ新たなドラマが加わったようです。
このドラマ、いろいろ不満がありますが、平均点は高いと思います。それは、すごくいい部分があるからです。
ただ、そのひとつひとつが追い切れず、あぶはち取らずになり、中途半端になってしまった。欲張り過ぎたのでしょう。
優れた部分があるため、ダメな部分が目立ってしまった。
>母親が誘拐事件の犯人だということで、村雲の絶望は理解できるのですが、なら脱税のプロとか査察官とか関係なくそっちをメインに据えてストーリーを作っていけばよかったような・・
同感です。
査察官対脱税のプロという社会派ドラマが人情ドラマに変質したり、登場人物のキャラが変貌したり、誘拐事件の裏などサスペンス風であったり、盛り込みすぎでした。
今回の場合、村雨をメインにして、春馬は脇役でよかったかな。春馬にはシリーズの主人公として、また登場していただきたいですね。
確かにつっこみどころ満載なのが痛かったです。
・村雲が逃げた車はしょぼかった←確かに!それと左ハンドルなのが不自然です。アメリカ領のバージン諸島ではなくイギリス領のがタックスヘイブンなのでおかしい。
非通知で春馬の携帯に電話があったのもおかしい。本来ならば通知不可能とでるのです。
タックスヘイブンについては、知識が乏しいです。
調べてみると、イギリス領のようですね(ヴァージン諸島の東側半分がイギリス領で、西側がアメリカ領)。
アメリカ領のヴァージン諸島に住むなんて
PTのあいだでは絶対にありえない禁断の行為です。
アメリカのIRSは日本の国税局よりも怖いですからね。
アメリカなんて税制面からはできればいないほうがいいところなんです。
ちなみにアメリカ人は日本人と違い世界中のどこにいようと税金をとられるよういなっています。
このためスキームを実行するにはセカンダリーパスポートが必要となります。
ちなみにヴァージン諸島よりもイタリアのカンピオーネなどを私はよく利用します。
情報が外にもれにくいのでおすすめです。
英さんもでひ試してみてください。
先ほどのコメントのタイトルですが「コメント、ありがとうございます」のつもりだったのですが、途中で切れてしまいました。失礼しました。
>アメリカ領のヴァージン諸島
脱税?節税?のミニ講座みたいな面もあったので、痛いミスですね。
私も無知なもので、いろいろ教えていただきありがとうございました。
>情報が外にもれにくいのでおすすめです。
英さんもでひ試してみてください
はい、そうします…って、私、そんなことするほど、財産ありません。
ちなみに、私はPTAです。……て、しょうもない対抗心でした。