和田義盛は馬鹿(←義村評)なので……
……畠山重忠の説得が、もしかしたら上手くいくかもしれない
……多分失敗するだろうが、正面から本音でぶつかるので、重忠も周囲も納得できる
……最後は腕相撲(皆、《やっぱり》という表情。重忠も読んでいて、機先を制して遮断する。腕相撲では和田には勝てない)
……戦で裏をかいたつもりで、横から奇襲を仕掛けるが、畠山は織り込み済み(《なぜ読まれた?》と不思議がる和田だが、巻き添えを食った部下は気の毒)
武士の鑑、畠山重忠
義時の説得に応じ、少数の手勢を引き連れ、話し合いの為(誤解を解く為)、武蔵から鎌倉に向かうが、その途中、嫡男・重保が騙し討ちで北条配下に討ち取られる(時政は生け捕りにして、重忠の動きを封じようとしたが)
《重忠の選択肢》
①武蔵に帰る……兵を整え戦の準備をする(抗戦の意思)
②そのまま鎌倉に進める……鎌倉殿(北条)に身を委ねる(抗戦しない)
しかし、重忠はどちらも選ばず、手勢ののまま、戦況把握に有利な高台に陣を構える
《咎められることは何もしていないので、投降はしない》
《自らは戦を仕掛けない》
《戦を挑まれれば、受けて起つ》という意志。
「戦など誰がしたいと思うか!」…和田義盛を前に、叫ぶ
己の信念、筋を通すために戦う。
勝つつもりはない。武士として死ぬために戦う。
北条を倒すつもりさえない。義時との一騎打ちでも、義時の斬馬刀を折り、小刀での斬り合いも制し、殴り合いでも勝ち。止めを刺さず、誇らしげに去っていった。
義時も、重忠の意を汲んでいたのだろう。
しがらみに囚われ続ける義時
最善の処置を取ろうとするが、しがらみなど(鎌倉殿の為、北条の為など)に囚われ、結局、中途半端に終わってしまう
上総広常の時も、木曽義高の時も、梶原景時の時も、義家の時も……結局悲劇で終わってしまう
今回は、鎌倉殿の威厳を保つために、「畠山討伐」の下文(くだしぶみ)を取り消さない。
御家人たちの信望厚い畠山重忠を討伐するのは、北条にとって大きなマイナスにしかならないというのに……
御家人たちは《重忠が謀反を起こすはずがない》、《時政の陰謀だ》と不審の念が大きくなってしまった。
私欲・私情で動いている時政に対しても、重忠を討った場合のマイナスを示し、実利面で説得するべきだった。
ここ数話、《梶原景時だったらどう処理したのだろうか?》と考えてしまう。
義時は、《政治のトップが私利、私欲、私情でことを為すことはあってはならない》と時政排除を決める
表向き(時政に向けて)は、稲荷重成(北条時政の娘・あきの婿)に陰謀の罪を押し付け、御家人の不信感をそらそうとした(←大江広元の案)
しかし、これは世間的にはからくりが見え見え。義時の思惑通りにさらに時政への不信感が大きくなり、時政を隠居状態に追い込むことに成功する。
“13人”の現状(36話終了時)
【武官】
梶原景時……鎌倉殿に反旗を翻したとされ、討伐される(梶原景時の変)。第28話「名刀の主」(1200年没)
三浦義澄……病死。「一緒に逝こう!」と時政に抱きついたが、拒絶される。第29話「ままならぬ玉」(1200年没)
安達盛長……病死(自然死)。「目を瞑っているだけです」というセリフを残し退場。第29話「ままならぬ玉」(1200年没)
比企能員……交戦は避けられない状態であったが、騙し討ちで殺害される(比企能員の乱)。第31話「諦めの悪い男」(1203年没)
北条時政……御家人の不信感が大きくなり、義時に隠居状態に追いやられる。第36話「武士の鑑」(本話・1205年)
足立遠元……鎌倉に居るのが怖いと武蔵に帰る。政子を初め、誰からも惜しまれず、そっと退場?(本話・1205年)
和田義盛……侍所別当。健在。
八田知家……便利人?として健在
北条義時……主人公?として健在
【文官】
中原親能……妻・三幡(政子の次女)が闘病の死去したことで、出家し、鎌倉を離れた。第28話「名刀の主」(1208年病没)
二階堂行政…政所で財務を担当。健在。義時の妻・のえの祖父。
三善康信……問注所執事、健在だが実時の相談役(話し相手、和歌の先生)か?
大江広元……政所別当。健在。
“13人”の他で、幕府に係わる人物は……
実朝(鎌倉殿)、政子、三浦義村、畠山重忠(今回退場)、実衣ぐらいか。あとは、北条泰時、北条時房、三浦胤義(義村の弟)、稲毛重成(今回退場)。
寂しくなったなあ……
【補足】書き忘れていたことがありました。marumoriさんのコメントがそのまま同意見でしたので、そのまま引用させていただきます。
義時、時政を見限る
義時が重忠の首桶を時政に突き付け、「執権を続けていくのであれば、あなたは見るべきだ!」と叫ぶ場面。結局、時政は見ることができませんでした。あの瞬間に義時は父を見限った。
第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」
第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」
第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」
第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」
第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」
第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」
第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」
第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」
第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」
第30話「全成の確率」
第31話「諦めの悪い男」
第32話「災いの種」
第33話「修善寺」
第34話「理想の結婚」
第35話「苦い盃」
【ストーリー】番組サイトより
深まる北条時政(坂東彌十郎)と畠山重忠(中川大志)との対立。りく(宮沢りえ)を信じる時政は、源実朝(柿澤勇人)の下文(くだしぶみ)を得て御家人を招集。三浦義村(山本耕史)、和田義盛(横田栄司)、稲毛重成(村上誠基)らが集い、対応を協議する。一方、手勢を率いて鎌倉を目指す重忠。板挟みとなった義時(小栗旬)は、政子(小池栄子)、時房(瀬戸康史)らと事態の収拾を図る。そんな中、父・義時を心配する泰時(坂口健太郎)は……
脚本:三谷幸喜
……畠山重忠の説得が、もしかしたら上手くいくかもしれない
……多分失敗するだろうが、正面から本音でぶつかるので、重忠も周囲も納得できる
……最後は腕相撲(皆、《やっぱり》という表情。重忠も読んでいて、機先を制して遮断する。腕相撲では和田には勝てない)
……戦で裏をかいたつもりで、横から奇襲を仕掛けるが、畠山は織り込み済み(《なぜ読まれた?》と不思議がる和田だが、巻き添えを食った部下は気の毒)
武士の鑑、畠山重忠
義時の説得に応じ、少数の手勢を引き連れ、話し合いの為(誤解を解く為)、武蔵から鎌倉に向かうが、その途中、嫡男・重保が騙し討ちで北条配下に討ち取られる(時政は生け捕りにして、重忠の動きを封じようとしたが)
《重忠の選択肢》
①武蔵に帰る……兵を整え戦の準備をする(抗戦の意思)
②そのまま鎌倉に進める……鎌倉殿(北条)に身を委ねる(抗戦しない)
しかし、重忠はどちらも選ばず、手勢ののまま、戦況把握に有利な高台に陣を構える
《咎められることは何もしていないので、投降はしない》
《自らは戦を仕掛けない》
《戦を挑まれれば、受けて起つ》という意志。
「戦など誰がしたいと思うか!」…和田義盛を前に、叫ぶ
己の信念、筋を通すために戦う。
勝つつもりはない。武士として死ぬために戦う。
北条を倒すつもりさえない。義時との一騎打ちでも、義時の斬馬刀を折り、小刀での斬り合いも制し、殴り合いでも勝ち。止めを刺さず、誇らしげに去っていった。
義時も、重忠の意を汲んでいたのだろう。
しがらみに囚われ続ける義時
最善の処置を取ろうとするが、しがらみなど(鎌倉殿の為、北条の為など)に囚われ、結局、中途半端に終わってしまう
上総広常の時も、木曽義高の時も、梶原景時の時も、義家の時も……結局悲劇で終わってしまう
今回は、鎌倉殿の威厳を保つために、「畠山討伐」の下文(くだしぶみ)を取り消さない。
御家人たちの信望厚い畠山重忠を討伐するのは、北条にとって大きなマイナスにしかならないというのに……
御家人たちは《重忠が謀反を起こすはずがない》、《時政の陰謀だ》と不審の念が大きくなってしまった。
私欲・私情で動いている時政に対しても、重忠を討った場合のマイナスを示し、実利面で説得するべきだった。
ここ数話、《梶原景時だったらどう処理したのだろうか?》と考えてしまう。
義時は、《政治のトップが私利、私欲、私情でことを為すことはあってはならない》と時政排除を決める
表向き(時政に向けて)は、稲荷重成(北条時政の娘・あきの婿)に陰謀の罪を押し付け、御家人の不信感をそらそうとした(←大江広元の案)
しかし、これは世間的にはからくりが見え見え。義時の思惑通りにさらに時政への不信感が大きくなり、時政を隠居状態に追い込むことに成功する。
“13人”の現状(36話終了時)
【武官】
梶原景時……鎌倉殿に反旗を翻したとされ、討伐される(梶原景時の変)。第28話「名刀の主」(1200年没)
三浦義澄……病死。「一緒に逝こう!」と時政に抱きついたが、拒絶される。第29話「ままならぬ玉」(1200年没)
安達盛長……病死(自然死)。「目を瞑っているだけです」というセリフを残し退場。第29話「ままならぬ玉」(1200年没)
比企能員……交戦は避けられない状態であったが、騙し討ちで殺害される(比企能員の乱)。第31話「諦めの悪い男」(1203年没)
北条時政……御家人の不信感が大きくなり、義時に隠居状態に追いやられる。第36話「武士の鑑」(本話・1205年)
足立遠元……鎌倉に居るのが怖いと武蔵に帰る。政子を初め、誰からも惜しまれず、そっと退場?(本話・1205年)
和田義盛……侍所別当。健在。
八田知家……便利人?として健在
北条義時……主人公?として健在
【文官】
中原親能……妻・三幡(政子の次女)が闘病の死去したことで、出家し、鎌倉を離れた。第28話「名刀の主」(1208年病没)
二階堂行政…政所で財務を担当。健在。義時の妻・のえの祖父。
三善康信……問注所執事、健在だが実時の相談役(話し相手、和歌の先生)か?
大江広元……政所別当。健在。
“13人”の他で、幕府に係わる人物は……
実朝(鎌倉殿)、政子、三浦義村、畠山重忠(今回退場)、実衣ぐらいか。あとは、北条泰時、北条時房、三浦胤義(義村の弟)、稲毛重成(今回退場)。
寂しくなったなあ……
【補足】書き忘れていたことがありました。marumoriさんのコメントがそのまま同意見でしたので、そのまま引用させていただきます。
義時、時政を見限る
義時が重忠の首桶を時政に突き付け、「執権を続けていくのであれば、あなたは見るべきだ!」と叫ぶ場面。結局、時政は見ることができませんでした。あの瞬間に義時は父を見限った。
第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」
第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」
第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」
第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」
第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」
第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」
第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」
第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」
第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」
第30話「全成の確率」
第31話「諦めの悪い男」
第32話「災いの種」
第33話「修善寺」
第34話「理想の結婚」
第35話「苦い盃」
【ストーリー】番組サイトより
深まる北条時政(坂東彌十郎)と畠山重忠(中川大志)との対立。りく(宮沢りえ)を信じる時政は、源実朝(柿澤勇人)の下文(くだしぶみ)を得て御家人を招集。三浦義村(山本耕史)、和田義盛(横田栄司)、稲毛重成(村上誠基)らが集い、対応を協議する。一方、手勢を率いて鎌倉を目指す重忠。板挟みとなった義時(小栗旬)は、政子(小池栄子)、時房(瀬戸康史)らと事態の収拾を図る。そんな中、父・義時を心配する泰時(坂口健太郎)は……
脚本:三谷幸喜
重忠が義時に止めを刺さなかったのは、義時がここで死んではいけないと思ったからでしょうか。
畠山の誇りは守ることができた、お前は鎌倉のためにやるべきことをやれと、いうことなのかと思いました。
義時が重忠の首桶を時政に突き付け、「執権を続けていくのであれば、あなたは見るべきだ!」と叫ぶ場面。結局、時政は見ることができませんでした。あの瞬間に義時は父を見限ったのでしょう。
北条一族も「政子・義時」VS「時政・りく」という構図にはっきりと分かれましたね。もはやかつてのほのぼのとした雰囲気には戻れそうもないですね。
>重忠が義時に止めを刺さなかったのは、義時がここで死んではいけないと思ったからでしょうか。
>畠山の誇りは守ることができた、お前は鎌倉のためにやるべきことをやれと、いうことなのかと思いました。
他の要素(理由)もあるとは思いますが、marumoriさんの仰る要素がかなり大きいと思います。義時にとどめを刺しても、大勢に影響はないですし。
>義時が重忠の首桶を時政に突き付け、「執権を続けていくのであれば、あなたは見るべきだ!」と叫ぶ場面。結局、時政は見ることができませんでした。あの瞬間に義時は父を見限ったのでしょう。
そうです!これ!……本文に書くのを忘れました。補足させてください。(marumoriさんの記述そのまま載せます。了解を得ずに引用することをお許しください)
りくは元々上昇志向(権力欲)が強かったのですが、時政の欲のなさにも魅力を感じ、諦めてもいました。
でも、頼朝が権力を握り、さらに、急逝したことで、時政の力を持ってしまったため、欲が出てしまったのでしょう。それにしても、悪い顔になりました。
実衣も同じ傾向があります。
「また、『首桶』なのかよ・・・・」
と思いつつも、
慣れていく自分自身が怖かったりします。
それにしても・・・・
実朝さんが、事情も知らずにくだしぶみに
花押を押しただけでこんなことに
なるとは・・・・。
ではではぅt。
>「また、『首桶』なのかよ・・・・」
ええ。
巷では“死ぬどんどん”と皮肉られているそうです。
まあ、本家の「○むどんどん」は酷いですが、《また、人が亡くなる》と実感させる今大河……大河ドラマでは登場人物がたくさん死ぬのは通常なのですが、それを意識させるのは脚本が優れているからなのでしょう。
とにかく、たくさんの人物を丁寧に深く描いているからなのでしょう。
>実朝さんが、事情も知らずに、くだしぶみに花押を押しただけでこんなことに…
確かに、迂闊でしたが、メクラ判を押させた疑いが強い時政は責められなかったのでしょうか?
気の短い暴君だったら、逆上するでしょうし、銀河英雄伝説のオーベルシュタインだったら、逆手に取るかもしれません。
昔の、政子さんが家をちょっとと言っただけで、
その家(頼朝の愛人の)が無残にも壊されてしまう、
あれと似たようなものなんですよ。
偉い人の一言や花押の影響力と言うのは。
恐ろしいものです。
そして、
ほんと、時政もりくの為とはいえ、
狡猾ですよねぇ~~~~。
さすが執権時政。後は三浦義村さえ味方に
ついてくれれば勝ちだったのですが、
さすがに・・・・。
無実の人に罪をなすりつけるのですから、
これは、やりすぎましたよねぇ~~~~(苦笑)
ではではっ。
う~ん、政子とりくはかなり違うと思います。
政子は“やきもち”から発した戯言、りくは私欲から、しかも、結末を誘導しての夫への命令です。
>後は三浦義村さえ味方についてくれれば勝ちだったのですが、さすがに・・・・。
義村は、損得勘定で動きますが、一応、善悪を考え、その悪が許容範囲と判断すれば動くという考えです。
まあ、時政粛清に関しては、短期的ではなく、時政をトップにしていてはロクなことにならないという中長期的な判断もあったのでしょう。