ふるゆきは かつぞけぬらし あしひきの やまのたぎつせ おとまさるなり
降る雪は かつぞ消ぬらし あしひきの 山のたぎつ瀬 音まさるなり
よみ人知らず
降る雪は、降るそばからすぐに消えてしまうらしい。山を流れる激しい瀬の音が一層高くなっている。
「たぎつ」は「滾つ(激つ)」で激しく流れる意。作者は雪の降る山中にいて、聞こえてくる川の流れの音が一層激しくなっているのは、この降る雪がすぐに融け、水となって川に流れ込んでいるからなのだろうと推量しています。
ふるゆきは かつぞけぬらし あしひきの やまのたぎつせ おとまさるなり
降る雪は かつぞ消ぬらし あしひきの 山のたぎつ瀬 音まさるなり
よみ人知らず
降る雪は、降るそばからすぐに消えてしまうらしい。山を流れる激しい瀬の音が一層高くなっている。
「たぎつ」は「滾つ(激つ)」で激しく流れる意。作者は雪の降る山中にいて、聞こえてくる川の流れの音が一層激しくなっているのは、この降る雪がすぐに融け、水となって川に流れ込んでいるからなのだろうと推量しています。
久しぶりに古今集以外のお話しです。
上の写真は今朝の月。ずいぶんと細く欠けてきて、今日(昨夜、と表現すべきかな?)は「二十四夜」にあたるようです。あと二日、9/14の夜(正確には月の出は9/15の午前1時頃)には「二十六夜」。かつて人々が月見を楽しんだ3つの月の一つです(他の二つは「十三夜」と「十五夜」)。満月の十五夜はともかく、わずかに欠けた十三夜や、ましてあまりにも細くなった二十六夜の月を愛でるという感覚・風習は現代人(もちろん私を含む)には残念ながら余り受け継がれていないようですね。この「二十六夜」の月、月の出は深夜になりますから、かつての庶民とすれば、堂々と夜更けまで酒を飲むなどして楽しめる日ということでもあったのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、二十六夜待ちと言えば万葉集(巻十 2300番)のこの歌。
ながつきの ありあけのつくよ ありつつも きみしきまさば われこひめやも
長月の 有明の月夜 ありつつも 君し来まさば われ恋めやも
柿本人麻呂
九月の有明の月夜のように、あなたがいつも私のところに来てくだされば、私がこんなふうに恋焦がれたりすることはないでしょうに。
切ない恋の歌ですね。