古今和歌集 0327 2020-09-21 19:46:50 | 古今和歌集 みよしのの やまのしらゆき ふみわけて いりにしひとの おとづれもせぬ み吉野の 山の白雪 踏みわけて 入にし人の おとづれもせぬ 壬生忠岑 吉野山の白雪を踏み分けて、山に入って隠遁した人は、便りさえもよこさない。 「おとづる」はここでは手紙を出す意。「おとづれもせぬ」の「も」には、山から帰って来るどころか、という思いが入っているのでしょう。懇意にしていた人が吉野の山中で隠遁生活に入ってしまい、会うこともできなければ手紙すらも来ない。一体どうしているだろうという思いですね。