わがやどは ゆきふりしきて みちもなし ふみわけてとふ ひとしなければ
わが宿は 雪降りしきて 道もなし 踏みわけてとふ 人しなければ
よみ人知らず
我が家の庭には雪が降り敷いて、辿るべき道もない。雪を踏み分けて訪れて来る人もいないので。
よく似た歌ということで、0287 でもご紹介した一首。降り積もった雪の上を人が通ることでその足跡が後を通る人の道しるべともなるわけですが、雪の中訪ねて来る人もいない自分の家の庭では、その道しるべもない。おそらくは一人住まいであろう作者の寂しさが、深々と降る雪によって一層つのります。