古今和歌集 0311 2020-09-05 19:47:49 | 古今和歌集 としごとに もみぢばながす たつたがは みなとやあきの とまりなるらむ 年ごとに もみぢ葉流す 竜田川 みなとや秋の とまりなるらむ 紀貫之 毎年紅葉の葉を流す竜田川では、その河口は秋がとどまる場所となるのだろうか。 詞書には「秋のはつる心を竜田川に思ひやりてよめる」とありますので、散り落ちて竜田川を流れていく無数の紅葉の葉が、河口付近に幾重にも重なって留まる情景を想像して詠んだ歌です。 時の流れにそって歌を配列する古今集。秋もすっかり深まり、「秋歌」も本歌を含めて残りあと二首となりました。