漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0323

2020-09-17 19:01:40 | 古今和歌集

ゆきふれば ふゆごもりせる くさもきも はるにしられぬ はなぞさきける

雪降れば 冬ごもりせる 草も木も 春に知られぬ 花ぞ咲きける

 

紀貫之

 

 雪が降ると、冬ごもりしている草にも木にも、春には知ることのなかった花が咲くことだ。

 「花」と言えば春のイメージが強いですが、もちろん四季それぞれに目を楽しませてくれる花があり、冬に咲く美しい花もまた、私たちの目を楽しませてくれます。冬の花の代表といえば、椿や山茶花といったところでしょうか。早春のイメージが強いですが、梅も冬の花かな?
 ただここで歌われているのはそうした実際の冬の花ではなく、雪を花と見立ててのもの。花をつけずに冬ごもりしている草や木にも、美しい雪の花が咲いた情景ですね。 ^^