ゆきふれば ふゆごもりせる くさもきも はるにしられぬ はなぞさきける
雪降れば 冬ごもりせる 草も木も 春に知られぬ 花ぞ咲きける
紀貫之
雪が降ると、冬ごもりしている草にも木にも、春には知ることのなかった花が咲くことだ。
「花」と言えば春のイメージが強いですが、もちろん四季それぞれに目を楽しませてくれる花があり、冬に咲く美しい花もまた、私たちの目を楽しませてくれます。冬の花の代表といえば、椿や山茶花といったところでしょうか。早春のイメージが強いですが、梅も冬の花かな?
ただここで歌われているのはそうした実際の冬の花ではなく、雪を花と見立ててのもの。花をつけずに冬ごもりしている草や木にも、美しい雪の花が咲いた情景ですね。 ^^