古今和歌集 0835 2022-02-11 07:36:53 | 古今和歌集 ぬるがうちに みるをのみやは ゆめといはう はかなきよをも うつつとはみず 寝るがうちに 見るをのみやは 夢と言はう はかなき世をも うつつとは見ず 壬生忠岑 寝ている間に見るものだけを夢と言うのであろうか。いや、そうではない。このはかない世も、現実のものとは思われない。 詞書には「あひしれりける人の、身まかりにける時によめる」とあります。親しい人の死という受け入れがたい現実に、夢というのは寝ている時にだけ見るものではなかったのだと詠んでいます。