古今和歌集 0846 2022-02-22 05:40:06 | 古今和歌集 くさぶかき かすみのたにに かげかくし てるひのくれし けふにやはあらぬ 草深き 霞の谷に 影隠し 照る日の暮れし 今日にやはあらぬ 文屋康秀 草深い霞の谷に姿を隠して光り輝く日が暮れた、それが今日のこの日ではなかったか。 詞書は「深草の帝の御国忌の日よめる」。「深草の帝」は第54代仁明天皇のことで、京都市伏見区の深草陵に埋葬されたことからこの呼び名があります。「国忌」は命日のこと。第四句の「照る日」は天皇を意味する比喩表現ですね。