漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 182

2023-10-15 04:53:40 | 貫之集

鹿の萩の花のなかに立てるところ

さをしかの をのへにさける あきはぎを しがらみへぬる としぞしられぬ

さを鹿の 尾上に咲ける 秋萩を しがらみへぬる 年ぞ知られぬ

 

鹿が萩の花のなかに立っているところ

牡鹿が、峰に咲いた秋萩にからんで、一体どれだけの年を経てきたのであろうか。

 

 「さをしか」は「小牡鹿」で雄の鹿のこと。「さ」は接頭語ですね。鹿と萩という定番の組み合わせは、長年寄り添った夫婦を象徴しているのでしょう。