漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 637

2025-01-12 05:04:51 | 貫之集

みやまには ときもさだめぬ ももちどり めづらしげなく なきわたるかな

深山には 時もさだめぬ 百千鳥 めづらしげなく なきわたるかな

 

奥深い山には、いつと時を定めず百千鳥が珍しくもなく鳴き続けている。それと同じく、私も恋の苦しさにいつも泣き続けているよ。

 

 一見すると恋歌には見えませんが、第五句「なき」に「鳴き」と「泣き」を掛け、恋の悩みに涙する自らを表現しています。