ひととせに ふたたびにほふ むめのはな はるのこころに あかぬなるべし
一年に 二度にほふ 梅の花 春の心に あかぬなるべし
一年に二度美しく咲く梅の花は、春に十分満ち足りていないのであろう。
一年に二度咲くとは、暦の上ではまだ冬の内から梅が咲いた様を表現したもの。
後に、藤原公任がこの歌を本歌取りして詠んだ歌が拾遺和歌集(巻第四「冬」 第256番)に入集しています。
うめがえに ふりつむゆきは ひととせに ふたたびさける はなかとぞみる
梅が枝に 降りつむ雪は 一年に 二度咲ける 花かとぞ見る