漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0450

2021-01-22 19:46:00 | 古今和歌集

はなのいろは ただひとさかり こけれども かへすかへすぞ つゆはそめける

花の色は ただひとさかり 濃けれども 返す返すぞ 露は染めける

 

高向利春

 

 花の色は盛りの一時期だけ濃いけれども、それは露が繰り返し繰り返し染めたものなのだな。

 露が花を色濃く染めるというモチーフは 0444 にもありましたね。隠し題は「ただひとさかり こけれども」に詠み込まれた「さがりごけ」で、サルオガセのことです。
 作者の高向利春(たかむこ の としはる)は、平安時代前期の貴族にして歌人。勅撰集への入集は古今集のこの一首のみです。



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