漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 619

2024-12-25 05:42:50 | 貫之集

はぎのはの いろつくあきを いたづらに あまたかぞへて すぐしつるかな

萩の葉の 色づく秋を いたずらに あまた数へて すぐしつるかな

 

萩の葉が色づく秋を何度も数えて、無駄に過ごしてきてしまったなあ。

 

 萩の葉が色づくのは恋のきざし。そのきざしだけをいくども感じながら、現実のものとはならずに時が過ぎて行く嘆きですね。
 この歌は後撰和歌集(巻第六「秋中」 第301番)に入集しており、そちらには「年のつもりにけることをかれこれ申しけるついでに」との詞書が付され、また、第五句が「おいぞしにける」とされています。詞書の「つもり」は「つごもり(末日)」の意でしょうか。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。