漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 620

2024-12-26 04:51:26 | 貫之集

はるがすみ やまほととぎす もみぢばを ゆきもおほくの としぞへにける

春霞 山時鳥 もみぢ葉を 雪もおほくの 年ぞへにける

 

春霞、山時鳥、紅葉の葉、そして雪と、春夏秋冬を巡るたくさんの年を過ごしてきたよ。

 

 季節を巡るたくさんの年を過ごしてきたという歌ですが、「恋」の要素は具体的には何も入っていません。なぜ恋歌の章に入っているのかはわかりませんが、作者の心の中には、季節の思い出の端々に切ない恋の情景が浮かんでいるのでしょう。



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