漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

【怪士(あやかし)】

2014-07-19 12:27:24 | 雑記
 私のところは、ここ数日は湿度は高いですがさほど気温は上がらず、過ごしやすいです。今年は昨年までのような猛暑にはならないのかな?


 さて、本当に少しずつですが、以前ご紹介した「自分辞書」作り(常用漢字)をしています。その中で、「辞典」の 【怪】 の項(P.170)に 【怪士】 という言葉がありました。


【怪士】   あやかし
 男の亡霊や怨霊などを表す能面。


 上記の通り「あやかし」と読む能面の名前でしたが、ちょっと興味が出てネット検索したところ、能面というのは250種類もあるんだそうですね。「般若(はんにゃ)」と「小面(こおもて)」くらいしか知りませんでしたが、「翁系」「女系」「男系」「尉系」「怨霊系」「神霊系」「鬼神系」等の系列に分類され、それぞれの系列にいくつもの面があるようです。(→ 「能面ホームページ」

 能の舞台を実際に見たことはありませんが、数百年も続く伝統芸能ですから、それはそれは奥深いものがあるのでしょうね。いつか機会・きっかけがあったら、覗いてみたい世界です。



PS  【怪士(あやかし)】 は、「辞典」の見出し語ではありますが索引に載っていませんので、多分本試験には出ません。(笑)

【(窮)措大】

2014-07-17 22:57:04 | 雑記
 26-1 で出題された 【窮措大】。まったく知らない言葉でお手上げという感じだったのですが、 【窮措大】 も 【措大】 しっかりと「辞典」の見出し語。やっぱり「辞典」の読み込みが足りないなというのが受検直後の感想でしたが、その後改めて青空文庫で検索すると、近代の著作に実例が出るわ出るわ。



夏目漱石   吾輩は猫である

森鴎外    魚玄機

大町桂月   杉田の一夜

田中貢太郎  西湖主

林不忘    口笛を吹く武士

大槻文彦   ことばのうみのおくがき



 これだけ出てくるのですから、きっとかなり普通に使われていた言葉だったのですね。冒頭に書いた通り、手近なところで「辞典」を読んでいればなぁとも思いますが、「鴎外の『魚玄機』にあった言葉だから知ってたよ」なんてことを、特に誇るでもなくさりげなく言いたかったなぁ・・・(笑)



<「漢検 漢字辞典」掲載ページ>

【窮措大】  P.309
【措大】   P.914

26-1 WEB 発表

2014-07-15 12:27:00 | 本試験
無事、合格でした。
良かった良かった。 ^^



(凛太郎)さんの 結果は以下の通りです。

検定名 :漢検
検定日 :平成26年度第1回06月22日
会場番号 :
受検番号 :100001
受検級 :1級
判定 :合格おめでとうございます。
合格認定日:2014/07/11

【うふうよういく】 と 【よくふうく】

2014-07-13 16:31:27 | 四字熟語
 1級の学習開始当初からずっと完全攻略できず、いまだに時々間違えるのが、【うふうよういく】 と 【よくふうく】。私的に感じることとしては、この両者はとんでもなく良く似ている。


【嫗伏孕鬻】   (「漢検 四字熟語辞典」P.99)
 読み : うふうよういく/おうふうよういく
 意味 : 鳥や獣が子を産み育てること。


【翼覆嫗煦】   (「漢検 四字熟語辞典」P.462)
 読み : よくふうく
 意味 : 翼で包み抱き温める。転じて、いつくしむこと、愛撫すること。


 まず、どちらも書き取りや意味以前に、読みからして既にまぎらわしく、かつ、難しい。まるで互いに「順列・組み合わせ」になっているかのような読みだ。
 次に意味。共通の漢字は 「嫗」 だけだけれども、これまた互いに通じ合う感じで良く似ている。
 そして書き取り。【嫗伏】 【孕鬻】 【翼覆】 【嫗煦】 の4つ、どれが出ても難しい。そして私的には、何故かいつも2文字目 ( 【伏】 と 【覆】 ) がどっちがどっちだったか分からなくなる。「『翼』で『覆』う。『翼』じゃない方が『伏』。」と何度も覚え込んだつもりが、次に出くわすとまたわからなくなる。


 というわけで、ここに書いて覚えることにしました。
 本試験に関しては、手持ちの過去問(H15年度~)にも「完全征服」・「分野別」 にもないのでほとんど出たことはないのでしょうし、今後も余り出る気はしません(単なる勘です)が、1級配当らしいと言うか、なかなか味わいのある良い熟語ですね。 ^^


モ・ボウ(株)に勤務しております

2014-07-12 20:35:40 | 雑記

 前の記事が思いのほか好評だったので、もう一つ。


 モ・ボウ につとめる ホコバヤシココロ です


 【懋】  (「辞典」 P.1408)

  音 : モ  ボウ
  訓 : つと・める


 音・訓・書き方を一文にまとめた優れ物。「モ・ボウ」がちと苦しいけど、語呂は良いでしょ? (苦笑)

 本試験では、熟語の読み・一字訓読みの問題として、【懋戒/懋める】 (ぼうかい/つと・める) が 22-1、24-2 と、比較的最近2度出題されていますね。「モ」と音読する例を探したのですが、「辞典」にも「漢語林」にも、そして「大漢和」にもありませんでした。「大漢和」には、この字の用例が61個載っていましたが、殆どは中国の歴史上の人物の字(あざな)ですね。「モ」と読む用例をご存知の方がいらっしゃいましたら、是非教えてください。


 私のところは、昨日から急に暑くなりました。いよいよ夏本番でしょうか。
 皆さまもご体調など崩されませんよう。