こんな本が出ていたので、買って読んでみた。
表紙になっている「711系」という赤いボディの列車は、昭和43年、つまり旧国鉄の時代から、札幌、小樽、旭川、苫小牧、室蘭などを中心に運行されていたのだが、今年春のダイヤ改正に伴い廃止が決定され、惜しまれながらもその役割を終えるに至った。
私も、この列車には色々と思い入れがあるのだが、一番の思い出は、大学生の時。
大学生の時は、春~秋は自転車で、冬は地下鉄というのが基本の通学パターンだったのだが、大学三年生の時に大学に直結する形でできた新しい駅が、三駅で札幌駅前に乗り入れる路線だったので、それ以降は、たまにJRと地下鉄を併用するようにしていた。
そんな時、札幌から、実家最寄りの駅まで普通列車に乗るのに、不思議とよく当たっていたのが、この711系だったのだ。
「それだけ?」って思われるかもしれないけど、元々私は、特別インパクトの強いことよりも、ごく些細なことの方が印象に残ることが多い上、特に大学四年生の時、就職も決まって、後は卒業を待つだけとなった時期は、「学生最後の時期なんだから、小さなことでもよい思い出に出来るようにしたい」と意識していたこともあって、私にとっては、このこともまた、学生時代のよい思い出として残り続けているのです。
最後に乗ったのがいつだったかは覚えていないけど、多分、札幌に帰っていた時に、実家と札幌駅前を往復する時だったと思う。
廃止が報じられた時、乗りに行こうかなと思いつつ行かなかったことはちょっぴり後悔だけど、その分、こういう本が刊行されたことで、思い入れを持つ沢山の人にとって、永遠の存在になったものと思われる。
もしそのうち、復刻運行でもされることがあったら、その時は、ぜひ乗りに行ってみたい。
それまでは、この本に載っている沢山の写真と共に、思い出に浸るのも悪くはないと思います。
本当に、長い間お疲れ様でした。ありがとう。