北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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思い出の橋

2015-08-20 21:01:33 | 札幌



札幌市内を流れる大きな川というと、道外の方では、石狩川を思い浮かべる方が多いと思いますが、その石狩川から分岐する大きな川が、札幌市の市街地を経て、温泉で有名な定山渓方面へ向かって流れています。





「豊平川」という川。
夏には河川敷で大規模な花火大会が開催されるほか、秋にはサケの遡上でも知られています。








そんな豊平川に架かる大きな橋。
札幌と室蘭を結ぶ国道36号の「豊平橋」という橋。





写真は、札幌の中心部方面から、日本ハムファイターズの本拠地である札幌ドーム方面へ向けて撮ったものだけど、この橋は、大学時代、自転車通学をするのに毎日のように通っていたので、特にこの方面からの景色が、今でも思い出深く印象に残っています。

ところでこの橋、こう言っちゃ何だけど、延長は長いものの、構造自体は、特にどうということもない、割と単純なもののように見えると思いますが、実はこの橋は、「日本百名橋」に指定されていて、北海道でも「三大名橋」の一つに数えられていたそうです。
そのことは大学の頃から知ってはいたのだけど、何ゆえそうなのかということは、当時は全くわかりませんでした。
どういうことかと言うと・・・、








豊平橋の歴史は、明治4(1871年)年4月、この近くにあった渡船場の近くに架けられた二連の丸太橋に始まるとされていますが、この丸太橋が雪解け水のため僅か一ヶ月で流出し、その後も、度重なる大水で何度となく架け替えの憂き目に遭い続けて来ました。
明治30年(1897年)に永久橋の架橋が計画され、北海道では初めての鉄橋が竣工しましたが、この橋すらも、明治32年(1899年)の大洪水で落橋してしまいました。
そうした歴史を経て大正13年(1924年)に竣工したのが、絵にある旧豊平橋で、これは当時の札幌を代表する建造物とされ、旭川にある「旭橋」、釧路にある「幣舞(ぬさまい)橋」と並んで、三大名橋の一つに数えられていました。
やがて、国道の交通量増加に伴い、旧豊平橋も架け替えの必要が生じ、名橋と謳われたこの橋も四十二年の歴史に幕を閉じ、昭和41年(1966年)に、現在の豊平橋が竣工され、今に至っています。

かつて何の気なしに毎日通っていた場所にこのような歴史があることは知らなかったけど、知ったことで、懐かしい思い出の場所が、さらに自分の中で印象深い場所となった気がします。
コメント
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