「円山商店街」の一角にある建物。
「ミニまるいちば」という、規模は小さいですが、昔ながらの対面販売で、肉、野菜、魚などを扱う市場で、地元の人はもとより、離れた所からも、その雰囲気に惹かれて買い物客が訪れています。
その「ミニまるいちば」の道路を挟んで隣にある高層マンション。
再開発によって10年ほど前に建設されたマンションですが、かつてここには何があったかというと、
画像はお借りしたものですが、平成22年(2010年)3月まで、「まるやまいちば」という市場がありました。
私も20年前に札幌に勤務していた頃、仕事帰りに何度か寄った記憶があります。
そう、「ミニまるいちば」の「まる」とは、「まるやま」の「まる」だったんですね。
現在の「ミニマルいちば」の場所は、この「まるやまいちば」の駐車場だったところで、平成24年(2012年)2月から営業しています。
少し離れて、「裏参道」へ。
幹線道路の一つである「西25丁目通」こと道道西野白石線が走っていますが、
そのすぐ横に、斜めの通りがもう1本あります。
場所は↑のとおりなんだけど、町歩きを趣味にする中で、「碁盤の目に整備されている区画の中で、不自然に曲線状になっていたり、斜めに取りついている道路があったりしたら、それは何かの痕跡だったり、歴史上大きな意味を持っている」という話を聞いてきました。
そう、実はこの斜めの通りは、明治時代「琴似街道」と呼ばれた、当時の「円山村」のメインストリートだったのです。
上の赤線が、かつての「琴似街道」です。
その「琴似街道」と「裏参道」の交差する地点から近い所にあるこの場所。
この場所の歴史は以前一度紹介していましたが、この場所では、大正時代初期に、「まるやまいちば」の前身と言ってもよい、「円山朝市」が開かれていました。
「円山朝市」は、明治26年(1893年)に、現在の中央区南1条西11丁目辺りに、仲買人達がたむろして市を開くようになったのが始まりとされていて、市街化の発展につれて市場は西側へ移転していきました。
当時この場所で開かれていた朝市は、それは大変な賑わいだったそうです。
再び、現在の「円山商店街」の写真。
現在の裏参道で大変な賑わいを誇った「円山朝市」でしたが、市街地の整備の過程で幾度か移転を繰り返し、大正11年(1922年)には、現在の「円山商店街」のある場所に機能を移すこととなり、その頃から戦後にかけて、地域の台所を預かる市場として、人々の生活に根付いた場所となっていました。
最初に紹介した「まるやまいちば」の建物は、昭和45年(1970年)の建築で、この頃、「円山朝市」は、もう少し北の方に移転していましたが、朝市移転後も、「まるやまいちば」が、地域の台所を預かる存在として人々の生活を支えることとなりました。
その「まるやまいちば」が閉鎖されてから12年。様々な業種のお店が軒を連ねている「円山商店街」は、これからも地域に欠かせない存在として、人々の生活を支えていくことでしょう。