南茅部エリアへ行った日、帰りの道中にある灯台にちょっと寄ってみました。
「恵山岬」と書かれています。
「恵山岬灯台」という灯台。
「恵山」とは、南茅部と同じ2004年(平成16年)12月1日に函館市に合併した「恵山町」という町のことで、「火を噴き溶岩が流れ落ちる」という意味のアイヌ語「イエサン」に由来するとか、「岬」を意味する「エサ・二」に由来するなどの説があります。
「火を噴き溶岩が流れ落ちる」というのは、この地域にある「恵山」という活火山のことで、約8,000年前に起こった大規模な噴火によって、周辺に台地が形成されたという歴史があります。
と、「恵山」という地名について若干解説しましたが、ここまで書いておいてなんですが、実はこの灯台は、「恵山」という地名を冠していながら、合併前の恵山町のエリアにあるわけではなく(!)、やはり同じ日に函館市に合併した「椴法華(とどほっけ)村」という村のエリアにあります。
何とも紛らわしいですが、そこは、石狩市や江別市にありながら「札幌」を冠していたり、北斗市や七飯町にありながら「函館」を冠している施設があるのと同じということで受け止めましょうか。
この岬周辺の海は、昔から荒れやすく、夏場には霧の発生が多かったことから、岬沖の航海を見守る施設として、1890年(明治23年)に灯台が建造されました。
初代の灯台は、六角形の櫓の形をした鉄製の白い灯台で、1908年(明治41年)には霧信号所が造られて、音の灯台としての役割も果たすようになりました。
その後、送電網の整備により、安定した運用が可能な電球が使われるようになって、現在に至るまで船舶の安全航海を見守っています。
岬から見える海の景色。
こういう景色を見ると、ほっとすると言うか、気持ちが安らいてきます。