北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
(C)ナナマガラー All Rights Reserved.

啄木小公園~再掲~

2024-12-09 20:12:58 | 函館

 

通称「漁火(いさりび)通」とも言う、函館市内の国道278号沿い、「大森浜」と呼ばれる海岸近くに整備された場所にあるこちらの像。

 

 

 

 

以前にも何度か紹介していましたが、「死ぬときは函館で死にたい」という言葉を残したほど函館をこよなく愛した歌人、石川啄木の像。

函館市内だけでなく、道内各地に印象的な作品が多く存在する彫刻家、「本郷新」氏の作です。

この像があるこの場所は「啄木小公園」という名前で、「潮かおる 北の浜辺の 砂山の かの浜薔薇(ハマナス)よ 今年も咲けるや」という歌が刻まれています。

 

 

啄木の愛した場所 - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

函館市街をちょっと離れ、海岸を走っていると、小さな公園に辿り着いた。一体ここは何かと言うと・・・これは、明治の歌人、石川啄木の像。現在の岩手県盛岡で生まれた啄木...

goo blog

 

 

 

 

1958年に啄木像が寄贈され、1977年には公園区域がさらに拡張・整備されました。

歌にもあるハマナスをはじめ、季節ごとに綺麗な花が咲き、啄木自身がこの浜の海と砂浜を愛し、好んで散策した様子を偲び、思いを感じ取ることができる場所となっています。

 

 

 

青空に映える青い海。

この場所を愛した啄木の思いが伝わってくるようです。

 

 

このように晴れたときには、対岸の青森県大間方面をしっかりと見ることができます。

 

 

先程のとは別の歌碑が建っていました。

「眠ゐし君に捧ぐべき 矢車草の花もなく ひとり佇む五月寒 立待岬の波静か おもひでの砂ただひかる」という歌で、「かなりあ」「お月さん」「お山の大将」などの童謡作品で知られる「西條八十」が、1958年に函館を訪れた際に、啄木に捧げる歌として詠んだ歌です。

 

 

そしてもう一つ歌碑があります。

 

 

これは、「片平庸人(つねと)」という民謡詩人の歌で、

「北の海に にび色に かびろく 雲ひくく まろし砂丘 見かぎり 茫々 餓えがらす そが雪の上 ただ あるく ばッさ ばッさ ナ」

と刻まれています。

啄木とは直接の接点はなく、大の酒好きで、酔って冬の冷たい大森浜に降りてしまい、事故で亡くなったというエピソードが残されています。

 

 

 

 

 

 

啄木小公園の隣には、惜しまれつつも10月末をもって閉館した「土方・啄木浪漫館」という建物があって、その敷地の一角にも、啄木の歌集「一握の砂」にある歌が刻まれている歌碑があります。

「砂山の 砂に腹這ひ初恋 のいたみを遠くおもひ出づる日」という歌。

またまた「砂山」という言葉が出てきましたが、かつてはこの付近一帯に砂山が広がっており、「大森浜」という名前は、「砂が大きく盛り上がる」様子から付けられたとされています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする