小樽市内、小樽運河などの観光の中心地から少し離れた所にある「小樽市総合博物館」。
以前から一度行ってみたいと思っていた場所の一つです。
早速ですが、この像は一体・・・?
北海道の鉄道史を勉強したことがある人なら、恐らく誰でも知っているであろう、「ジョセフ・クロフォード技師」の像。
明治時代に、所謂「お雇い外国人」として来日したアメリカ人で、南北戦争で北軍に従軍した後、鉄道会社に就職。明治11年(1878年)に来日し、帰国するまでの三年間、官営幌内鉄道の手宮~札幌間の鉄道敷設工事を指導した功績を残しています。
「開拓之先駆」と書かれていますが、北海道の鉄道史にその名を刻む、偉大なる先駆者ということなのです。
正面から入場。
明るく開放感あるロビーです。
せっかく改札口があるのだから、昔懐かしい検札でもと思うのは私だけでしょうか?
何が展示されているかというと、主に歴史ある鉄道の資料です。
「しづか号」と呼ばれたこの車両は、「7100型蒸気機関車6号機」という車両で、先述した幌内鉄道の開業に当たり、クロフォードの母国であるアメリカから輸入された蒸気機関車です。
昭和37年(1962年)に、現在のこの博物館に移管されて「準鉄道記念物」となり、平成22年(2010年)には「鉄道記念物」となっています。
この「鉄道記念物」というのは、私も初めて聞きましたが、昭和33年(1958年)に旧国鉄が制定した、鉄道に関する歴史的文化的に重要な事物等を指定して保存、継承するための制度、あるいはその制度により指定された事物等のことだそうで、その五年後には、地方的に重要な事物等を指定する「準鉄道記念物」というのも制定されています。
外へ出てみました。
これまた懐かしい車両です。
「ラッセル車」よは、車両の前方に排雪板(ブレード)を装着し、進行方向の片側もしくは両側に雪を掻き分ける車両のことで、雪が少ない地域や豪雪地域の初期除雪に活躍する車両です。
ドカ雪が降ると太刀打ちできないそうなので、これによる初期除雪がいかに大切かということが分かります。
大きな機関車庫の中には、これまたSLの姿が。
「大勝號」というこの車両は、明治28年(1895年)に「北海道炭礦鉄道」が製造したもので、「大勝」という名前は、同年の日清戦争の勝利を記念しているものです。
敷地内では、こんな風に、お客さんを乗せて走っている車両もあります。
「アイアンホース号」というそうです。
これは幌内鉄道当時の駅名標なのかなと思いましたが、どうやらそうではなく、アイアンホース号が停車する博物館敷地内の駅の名前のようです。
大きな機関車庫の全景。
転車台が残されています。
アイアンホース号が、転車台によって向きを変えられ、機関車庫に戻っていきます。
なるほど、国内最古の機関車庫なんですね。
重要文化財に指定されているのも頷けます。
「機関車庫三号」をはじめとする、重要文化財に指定されている「旧手宮鉄道施設」の表示板。
明治~大正時代に建設された機関車庫、転車台、貯水槽、危険品庫、擁壁は、北海道の近代史、産業史を考える上で特別な遺産とされています。