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ニトリ34期連続の増収増益・似鳥会長「不況こそチャンス。うちは無借金で預金もあるから、攻めていくことができる」

2020-04-08 10:12:12 | 日記

「不況になれば建築費は半分になり、既存物件も手に入りやすくなる。来年から再来年にかけて投資が安く済む」と語る似鳥会長の強気発言と、このタイミングでの増収増益計画の発表の裏には、バブル崩壊・リーマンショックと過去の経験に基づく自信が垣間見える。浮足立ちブルーになりかけている日本経済にテールランプの役割です。株価の底堅い動きからも、10月ごろから新型コロナウイルス恐慌から本格回復するのかもしれません。

以下抜粋コピー

「不況こそチャンス。うちは無借金で預金もあるから、攻めていくことができる」。4月6日、都内で開かれた決算会見の場で国内家具最大手・ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長はそう豪語した。新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が長期化し、暗雲が垂れ込める小売業界。新年度の業績予想を非開示とする企業が相次ぐ中、“デフレの勝ち組”がぶち上げたのは、まさかの増収増益計画だった。
34期連続の増収増益計画
 ニトリが同日発表した今2021年2月期の会社計画は、売上高6532億円(前期比1.7%増)、経常利益1133億円(同3.4%増)。達成すれば、34期連続の増収増益となる。
 折しもニトリの決算発表当日、安倍晋三首相は東京都などに緊急事態宣言を発令する意向を表明。消費環境の先行きに不透明感が高まる中で出した大胆な予想に、多くの小売り関係者らの間では衝撃が走った。直近のニトリの業績は堅調だ。主力の国内既存店は機能性寝具などが牽引し、消費増税のあった前期も売上高は前年超えを維持。新型コロナの感染が広まった3月度(2月21日~3月20日)の売上高も、新生活需要で収納付きベッドや家電がよく売れ、前年同月度比で10.9%増を記録した。
 外出自粛ムードが高まった3月下旬以降は商業施設内の店舗で客数が大幅に減った一方、国内店舗の過半を占めるロードサイド店と、EC(ネット通販)の売れ行きは順調だった。在宅勤務が広まり、オフィスワーク用の机やいすの需要が急増。自宅で料理や掃除をする時間が増えたためか、キッチン用品や簡易収納グッズの売り上げも伸びている。
 今期は新型コロナの影響が上期末まで続くとみて、国内既存店の売上高は通期で1.4%減を想定。新店の上乗せで増収を死守する算段だ。早期の為替予約で、海外からの商品の仕入れに伴う為替決済レートが1ドル104円(前期は107円)と円高になることを主因に、粗利益率は1.6ポイント改善する見通しを立てる。
 似鳥会長は「不況になれば建築費は半分になり、既存物件も手に入りやすくなる。来年から再来年にかけて投資が安く済む」と語る。似鳥会長の強気発言と、このタイミングでの増収増益計画の発表の裏には、過去の経験に基づく自信が垣間見える。
 北海道を地盤としていたニトリが本州での出店を始めたのは、バブル崩壊後に不動産価格が急落した1990年代半ば。リーマンショックが起きた2008年には同業他社に先駆けて、5月から定番商品の値下げに踏み切った。その後2年間は3カ月ごとに値下げ対象商品を拡充。不動産を安く仕込んで出店にもアクセルを踏み、国内家具市場での圧倒的首位を確立した。 2020年2月時点でのニトリの自己資本比率は82%。現預金も約1600億円と3年前比で倍以上に積み上がり、投資余力は十分だ。
 今後は建築費が下落するタイミングをみて、保有する土地などに店舗を建設していく方針。さらに似鳥会長は「物流センターの土地や建物に投資するチャンスが来る」と強調する。ニトリは商品の輸入や配送に関わる物流業務の大部分を自社で行う。出店拡大と並行して物流センターの再配置や設備の増強を加速し、ECとの連携も見据えた物流体制の効率化を進める構えだ。
大規模な値下げは実施しない
 一方、商品施策ではリーマンショック時に実施した大規模な値下げは行わないようだ。「リーマンショックのときは全体的に価格が下がりすぎて、安物が多いというイメージがついてしまった」(似鳥会長)。現状の価格を維持しながら各商品の品質・機能を高めるほか、家具とインテリア商品を組み合わせた売り場提案やECとの連携施策を強化するという。
 不況下でニトリの競争力が高まることは間違いないが、感染症の拡大という未曾有の事態なだけに、今期の増収増益の達成に向けては懸念も残る。同社は商品の約9割を東南アジアや中国など海外で生産する。現状、サプライチェーンに大幅な遅延はないという。ただ、感染対策をめぐる各国政府の方針次第で、生産や輸送に影響が出る恐れもある。  
 また、ニトリが業績予想を公表した時点では、緊急事態宣言の対象となる地域や業種に関する情報が明らかになっていなかった。新生活需要で書き入れ時となる4~5月の販売への打撃が大きければ、会社の想定以上に売り上げが減少する可能性もある。
 「リーマンショック以上の世界的大不況が起きる可能性がある。ピンチをチャンスに変える準備はしてきた」と断言した似鳥会長。国内の消費環境にかつてない危機的な状況が続く中、業界の盟主の胆力が試される。

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