米国経済がリセッション(景気後退)の瀬戸際にある中、ウォール街はすでに、過去7年間で最も長期化する恐れのある企業収益の悪化に直面している。
1-3月(第1四半期)決算シーズンも終盤を迎える中、 S&P500種株価指数構成企業の利益は平均で前年同期比3.7%減少したとみられる。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)がまとめたデータによると、78%の企業が市場予想を上回ったものの、決算発表前にアナリストが予想を下方修正していたことを踏まえると、実際はそれほど良好な決算ではないだろう。
さらに重要な点は、2四半期連続で米企業の業績が悪化したことだ。BI集計のデータでは、4-6月も7.3%の減益が見込まれている。金利上昇と消費者需要減退による影響は7-9月まで続くとアナリストはみており、その頃には業績が回復するとの従来予想は覆されつつある。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時よりも長期にわたる利益の落ち込みを意味する。3四半期を超える利益悪化が最後に見られたのは2015年から16年にかけてであり、前回の利上げサイクルの開始時期とほぼ重なっている。