『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

「全国人民代表大会」からわかる中国経済の未来

2025-03-14 02:00:19 | 日記
今年の全人代が終わった。目標として掲げている項目を見てみると中国経済が今非常に難しい状態になっていることが確認できる。まず市場に供給する資金不足、財政赤字EU基準3%の基準を守るとなると お金が足りなくなるので2025年は4%国債を発行する。物価上昇率を2%に抑えるという目標も掲げている。処が現在、どれぐらいか というと0%ぐらいだ。物価上昇率がマイナスなるとデフレと言われるので「全国人民代表大会」では2%の伸びを明記した。目標に掲げる5%成長も疑問符が付く。中国経済の潜在成長率は大体5%前後と見られ、去年は5%成長し たと言われているが、実際は2%位しか成長してなかったようだ。今年はトランプ関税が あるから2%以下になる可能性が高い。雇用はさらに深刻だ。若者の失業率は10%と言われ ているが実際は40%超えている。さらに政府が成長の柱と推奨したGDPの30%を占める不動産バブル崩壊は深刻だ。中国の不動産は、賃貸に比べて持ち家の価格が高すぎるという問題が以前からあった。持ち家が賃貸何年分で購入できるかという指数では、東京、ニューヨーク、ロンドンあたりが家賃23~25年分で持ち家が購入できるのに比べ、上海、北京の不動産購入には家賃50年分以上が必要だった。つまり、もともと中国の不動産は投資先としてはリスクが大きいものだった。中国の昔からいる富裕層はこのことをよく認識しているので中国不動産にはほとんど投資しておらず、今回の不動産価格下落のダメージをあまり受けていないと言われている。その不動産バブル崩壊が直撃している 大手国有銀行は資本に公的資金を注入しなければならない状況だ。緊急で特別国債5000億元を発行すると今回謳った。民間も大変だ。去年1年間で飲食店は300万店潰れた。そのダメージを大きく被ってしまったの が地方都市だった。日本と違って中国は個人間格差が非常に大きい国なので経済の発展がうまくいった北京 、上海、香港などの大都市とは比べようがない程の惨劇だ。そして最大の懸念はトランプ関税の影響だ。既にかけられている関税に追加で20%関税をかけられるとアメリカが中国から輸入する商品に対して税率は45%を超える。メキシコ、カナダなどを迂回して課税を回避してきたがこれからは難しい。中国がアメリカに輸出するのは難しい状況だ。デフレを輸出し、外貨を稼いでいたが、アメリカ、EUの反発を受けて、今後は難しくなし国内での消費はさらに厳しいだろう。それにしても、綺麗ごとしか言わず、出来ない日本の政治家は情けない。地政学リスク懸念としてはこの経済状況の中、政府予算案で7.2 %も防衛国防予算が増え過去最大になったこと。台湾に 対して軍事行動を取ろうとしているということが想定される。此の侭では、旧ソ連と同じように実際の経済の活動が軍事予算の増額の分を支えきれなくなくなり崩壊へと向かう可能性すらあるだろう。いずれにしても、日本は周回遅れになり、世界は激動の2020年代になりそうだ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 東京大学合格者数「激動の高... | トップ | 李下に冠を正さず 商品券10... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事