monologue
夜明けに向けて
 



夢を抱いて海外に出る若者たちはまだわけがわからないのに居住する場が必要になって困る。そんな時ミヤシタ家のようにだれでも受け入れて居候させてくれる場があればどんなに助かるか。ジョー山中も自宅に入る前初めしばらくミヤシタ家に居候していた。それでわたしが相棒の中島茂男(シゲさん)をナイトクラブの仕事に迎えに行く時、顔を合わせ午前2時に仕事が終わってシゲさんを車で送ってゆくと「オカエリ」と挨拶された。ずいぶん礼儀正しい青年だった。
わたしは日本にいた頃東京キッドブラザース公演を京都会館で見た時、ジョー山中の歌を聴いてこんなに歌がうまいソウルロック歌手がいるのかと驚いたことがあった。
お昼は天国
<戦士(さむらい)達は今>詞曲 山下富美雄


1.暮れなずむ空の色 ざわめく街の匂い
  戦い終えて  家路をいそぐ
  見知らぬ人にさえ  カタコトの挨拶
  ひとり暮らしの アパートで
  サムライ達は  サムライ達は今
  何を夢見る


2.初めての土地を踏み おびえる心隠し
  群衆の中  孤独を知った
  やっと好きになってきたこの国を明日、又
  離れる時がやってくる
  サムライ達は  サムライ達は今
  何を夢見る

3.この世界 股にかけ 駆けぬけた 若い日々
  愛した人を 指折り数え
  それぞれの言葉で憶えたI LOVE YOU
  旅路を終えて 眠りについた
  サムライ達は  サムライ達は今
  何を夢見る




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katu  


ミヤシタは来るものは拒まずだったのでかれのスタジオ兼ホームにはその頃米国で大ヒットしたハリウッド制作戦国ドラマ「Shogun」のヒロイン島田陽子もやって来た。
そしてある時、勝新太郎は歌がうまいのでたった一度だけミヤシタのアコースティックギターのバックでライヴを行ったことがあった。

そして、ミヤシタは81年に自分のユニット「富実夫FUMIO」をふたりの気のいい黒人、向かって左LANCE FOOKS(guitar) と右CALVIN HARDY(bass)とで結成して「DIGITAL CITY」というポップなアルバムを作った。「DIGITAL CITY」 の見本盤を見ると宮下は「to fumio yamashita family FUMIO富実夫1981 10 31 」と細いペンで手書きしている。そしてしばらくしてかれはアメリカを去った。それから日本での本格的活動が始まる。宮下の歩むべき道はアメリカではなく日本に用意されていたのである。
この間うちに来た中島茂男の話ではギターのLANCE FOOKSは音楽業界で成功して豪邸に住んでいるという。時代の波に乘ったのだろう。
fumio


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