みずほの村市場のすぐ近くに全国的に有名な土作りの匠が住んでおられる。
お名前を出しても差し支えないが、私的ブログなので控えておきます。
その方の竹林はご本人に言わせればまるで「天国のような竹山」です。
この写真を見てビックリ仰天された人は竹林が好きでいろいろ見た経験がお有りの方。
iPhoneの写真とは言え竹林には有り得ない光景が写っているのですがわかりますか。
では普通に竹林というとどんな按配かというと下の何枚かの写真に該当するのでは
ないでしょうか。いずれもネット上から借りたものです。
もう一度その方の竹林です。竹のマーキングは年度別に区別がつくように着色している
のだそうです。毎年、春先に出てくる最も新しい芽を見極めて親竹を選定するそうです。
ここには全国はおろか世界中からたくさんの見学者が訪れます。
他の竹林との違いは竹林の中にも関わらず青々とした下草が一面に茂っていること。実は
ここの土は素手で30cmでも40cmでもどんどん掘り進めるのです。まるで砂浜の砂のようです。
そのくせしっかり水分を保持し抜群の団粒化が定着しています。実は竹は地下30cmくらいの
深さに地下茎を張り巡らして増殖しますが、ここでは深さ90cmくらいまで団粒化された土に
覆われているんだそうです。下草が均一に青々としているのはその土が植物に理想的な生活
環境を与えていて制約された日照化でも十分な光合成が行なわれているからなのだそうです。
そしてそれを可能にしているのが土中の微生物。この方が有名なのは素晴らしい竹林もさる
ことながら、その土作りの研究成果なのです。
その他にも、例えば竹の曲がりや太さのバラつきが少ないとか色がとてもいいなど京都の有名
な竹林に匹敵するような質の竹ばかりであることも一般の竹山とは大きな違いです。
土作りの秘密は燕麦やソルゴーなどの緑肥+特性のEMボカシだそうです。
これはボカシの攪拌機。
ボカシは米ぬか、菜種かす、籾ガラをこの攪拌機で適度な圧力をかけながら混ぜ合わせた
もの(機械の上に設置してある板切れこそが適度な圧力を加える仕組みで、これに押し付け
られた籾ガラに菜種かすがちょうどいい具合に入り込むのだそうです)に特別培養のEM
原菌を糖蜜で培養した液体(下の写真)を混ぜて熟成させます。
これがEM菌培養液。お酒作りと全く一緒で、写っている攪拌棒で杜氏さんがやるのと
同じように丁寧に攪拌しながら培養するととても良い香りがするようになるのだそうです。
上のボカシを熟成させるサイロ。上にビニールを内ブタのように敷き、土を20cmくらいの
厚さに入れて圧力をかけるとともに温度を一定に保つのだそうです。そうすると元気な
微生物がたくさん増殖する。彼らも生き物だから一番居心地がいい環境にしてやることが
大切なんだそうです。
これじゃ圧がかからない、もっと土をいれなくてはだめだ、最近の若い人はすぐ手を抜く
と文句を言っておられました。^^
こうして作ったボカシと緑肥を混合させて養生させると微生物がモーレツに活性化し、上の
竹林のような圃場ができるのだそうです。この方法を使ったら例の放射能汚染濃度が1年で
1/5になった。微生物が放射能を食うらしいと語っておられました。すごいことですね。
更に田圃では通常1反歩で7俵-8俵しかとれないコシヒカリが13俵以上とれるのだそうです。
お庭のチューリップの花も持ちがいいだけでなく色が一際鮮やかなのだと見せてくれました。
ちなみに一般の圃場ではソルゴーを播き、10月にドライブハローで根まで引き出して
スタブルマルチとして翌年の啓蟄の頃まで放置し、枯れたソルゴーの上から上のEM
ぼかしを1反歩100kgを見当に散布しロータリーで攪拌した上でプラウで反転する。
通常のロータリーでは表土が単層化してしまうので逆効果。不耕起農法のメリットを
生かすのだそうです。こうして出来た圃場の収量は通常の1.5倍から2倍、コストは半分
以下に留まるそうです。
竹林では小麦を播き、モアで刈り取って緑肥にするそうですが、旱魃竹を春先まで放置
して葉を落とさせたり、5月以降に出てくる竹の子を伐採して同様に土に還元させるそう
です。そして一般圃場同様にEMボカシで微生物分解を促進させる。これにより写真の
ようなすごい竹山が出来上がるのだそうです。
先生の薦めでこの竹林の土をみずほの分析センターで解析することになりました。実は
東京農大もこの竹林の一画で土壌の研究をしています。分析すると農作物が出来る筈が
ないという結果が出るのだそうです。にも拘らず収量が増える。ここが研究の髄に当た
る部分で、今のところ微生物が何かをしているという漠然とした説明しかできないのだ
そうです。ちなみに先生は生涯に渡って化学肥料は一切使っていないということでした。
一軒でも多くの農家がこの方法で安全でお金のかからない経営を実現して欲しいと言って
おられました。
先生はすでにご高齢なのですが、土作りについて語りだすと1時間以上しゃべりまくりで
いきいきとされていました。これからもいろいろ教えていただくことになります。
Yahooは凱旋門の中にある彫刻・・・です。