1984年、自分がカリフォルニア州の住民だった頃、日本語放送でON AIRされたのがフジテレビ系の「オレゴンから愛」。オレゴン州の片田舎で暮らす日系人夫婦の元へ両親を亡くした男の子が親類筋ということで引き取られ成長していくというドラマだが、その後に放映された「北の国から」の前哨戦のような雰囲気のドラマだった。古谷一行と木の実ナナが夫婦役でキャンディーズの蘭ちゃんも出ていたような。
実は自分の祖父母は今から100年くらい前にアメリカへ移住し農園を経営しており、自分が小学生の頃そこへ引き取られるかもしれないという話があった。両親は健在であったからこのドラマの明少年よりは不幸な設定ではなかった筈だが、なんとなく共鳴を覚え視ていた記憶がある。
その時のテーマミュージックが上のYouTube。作詞作曲もさだまさしなのでイメージも「北の国から」とそっくり。オレゴンはカリフォルニアのすぐ北であり、爺さん達の農場もサンフランシスコの北でオレゴンには近い。ということで、このドラマを視る前に現地を訪ねていた自分には風景や田舎の農村の雰囲気がストレートに入ってきて「北の国から」とは問題にならないくらい引き込まれたドラマだった。
日本では「北の国から」が圧倒的に人気で旭川や富良野が一大観光地に成長したが、さすがにオレゴンは異国の地、8,000キロも離れているのですでに記憶から消えている人が方が多そう。「北の国から」のテーマとちょっと違うのは、こちらにはワンフレーズではあるが歌詞が盛り込まれている点。古谷一行演じるダッドの苦労が当時の祖父母の生活を代弁してくれているようだった。
ちなみに祖母はここへ来る前は腕のいい看護士だったようで、数年後に襲来したスペイン風邪の患者の診察にボランティアで奔走し、揚句の果てにそのスペイン風邪で一命を落としてしまった。「オレゴンから愛」ならぬ「カリフォルニアから愛」のような人生を送って世を去った。
あちらは銀の鈴