「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「ホテル・ルワンダ」

2006年03月08日 20時44分12秒 | 映画
 
 ルワンダの内戦を舞台にした映画ですが、戦争映画というより、1200人の難民を救ったホテルマンの実話を基にした話です。

 列強の支配を背景にしたフツ族とツチ族の対立により、100日間で100万人が虐殺されたという惨劇のなか、

 ホテル支配人・ポール=ルセサバギナは、ホテルに逃げ込んできた人々を命を懸けて守ろうと奔走します。

 「アフリカのシンドラー」と言われるポールですが、妻子や自らもいつ殺されるか分からない切迫した窮地は、シンドラーとは比較になりません。

 自分たち自身の問題だから命懸けにならざるを得なかった、という言い方もできるかも知れませんが、

 自分の家族だけ助かることもできたのに、ポールは難民を見殺しにすることなどせず、自ら命の危険の中に身を投じていきます。

 しかしそれに対して、国連の平和維持軍は手を出すこともできず無力をさらけ出し、欧米諸国も“第三世界でのでき事”として黙殺します。

 ジャーナリズムは報道はするものの、ニュース映像を見た人々は「怖いね」と言ってディナーを食べ続けます。

 我々誰もがこのアフリカでの惨劇に無関心な、間接的な加害者だったということを、この映画は告発します。

 僕も元々政治や国際事情にはうといのですが、10年あまり前のこの歴史的事実をよく知りませんでした。
(フツ族とツチ族のひどい内戦が続いているということしか。)

 もちろん、一人の人間が全ての問題に関わるのは無理で、できることは限られていますが、まず「知る」ということが大切だと思います。

 多くの人が知ることによって、それは社会的な力となっていき、問題に対処していくことにつながっていくでしょう。

 作品はその役割を果たすことができるし、境界性人格障害や心の問題などについても同じことが言えますね。
 
コメント
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