「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「犯罪被害者の会」にて(1)

2006年03月05日 18時09分08秒 | 心子、もろもろ
 
 昨日の記事「心子とのTV出演」に書いた「犯罪被害者の会」シンポジウムには、マスコミが大挙していましたが、
 参加している犯罪被害者の立場を保護するため、会場で被害者個人には取材をしないようにと、予めマスコミに通達されていました。

 ところがシンポジウムの休憩時間、何故か心子はある放送局の人に犯罪被害者と思われ、会場の外でのインタビューを打診されました。

 心子はこういうアンフェアなことや、弱い立場の人間を傷つける行為を非常に嫌い、怒りを表わしました。

 何故心子が被害者と間違われたのか不思議である一方、さもありなんという雰囲気を心子が持っているとも思えるのですが、

 心子はそれには触れず、被害者の立場で取材を受けた者として抗議をしました。

 放送局の人を厳しく批判し、会社名,氏名,部署,上司の名前,取材の目的など、執拗に問いただしました。

 僕は横で見ていて、放送局の人がかわいそうになるくらいの面責でした。

 さらに心子は会場の運営者の所へも行き、不備が起こらないよう厳重に届け出ました。

 心子はわずかなことで致命的に傷つくガラス細工のような心の反面、社会的な不正などは決して許さず、無防備にも立ち向かっていく気丈さを持っていたのでした。

(続く)
 
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