「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

犯罪者を育てる社会

2006年03月31日 19時31分08秒 | 死刑制度と癒し
 
 もしオウム事件の松本智津夫の死刑が決定したとしたら、当然と思う遺族もいる一方、

 真実が分からないまま葬られることに、割り切れない思いを抱く遺族の人もいます。

 例え大量虐殺者やテロリストと言えども、犯罪者一人を処刑して解決することは何でしょう? 

 失われた数多くの命に対して、一個の命であがなうことができるでしょうか。

 歴史的な犯罪者を抹消するのではなく、その精神構造を研究することのほうが、将来の犯罪予防のためにも重要なことではないでしょうか。
 

 凶悪犯の幼少期は、貧困や劣悪な人間関係のなかで育ったり、色々な虐待、親の愛情のゆがみを受けてきたケースが多いものです。

 その結果、愛情というものを信じられなかったり、自分や人間の存在を肯定できなくなり、

 社会に絶望し怨みを抱いて、他人への共感や反省の感情を持ちにくくなってしまうことがあります。

 そういう人間性の根幹的な問題に対して、刑を重罰化しようとするのは場当たり的な対応に過ぎませんし、

 世代に渡った根深い問題を解決することには決してなりません。

(続く)
 
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