「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「境界性パーソナリティ障害の症状と特徴」 (1)

2011年06月04日 20時29分57秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 DSM-Ⅳ-TRの9つの症状を、

 マーシャ・リネハン (弁証法的行動療法の開発者) は

 5つのカテゴリーに分けました。

1. 感情調整不全

2. 人間関係の調整不全

3. 行動調整不全

4. 自己とアイデンティティの調整不全

5. 認知調整不全

 「調整不全」 とは、 「コントロールできない」 ということです。

 5つのカテゴリーを 以下に説明していきます。

1. 感情調整不全

 感情調整不全が BPDの人にとって、 最も重要な問題である という人もいます。

 BPDの人は、 他の人が それほど感じない物事にも 強く反応します。

 人の言動に動揺しやすかったり、 他の人より ストレスが溜まりやすかったりします。

 怒りが激しい、 または 怒りを抑えられないというのも 特徴のひとつです。

 しかし怒りよりも、 自分を恥じる気持ちや 悲しみ、 罪悪感のほうがずっと強く、

 対処が難しい 場合が多いのです。

 なかには、 自分自身に対して 強く怒っている人もいます。

2. 人間関係の調整不全

 BPDの人は 多くの場合、 とても魅力的で、 愛嬌があり、 繊細です。

 にもかかわらず、 人間関係が不安定で、 人に捨てられることを恐れています。

 人間関係が 信じられないほど うまく行くこともあれば、

 全てが崩れていくような 気がするときもあります。

 「すごく良い」 と 「すごく悪い」 の間を、

 あっという間に 行ったり来たりするのです。

 また BPDの最も重要な問題は、

 見捨てられることや 孤立を恐れることだ、 とする研究者もいます。

 置いていかれる恐怖が あまりにも激しいので、

 しがみついたり、 喧嘩をしようとする人もいます。

 その間だけでも 一緒にいられるからです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 
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