「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

原発シニア隊 (1)

2011年06月21日 06時40分37秒 | 東日本大震災
 
 福島第一原発での作業員に、 高齢者たちが志願するという 動きが出ています。

 人呼んで 「原発シニア隊」。

 自分が何か役に立ちたいと、 大変な熱意で臨んでいます。

 このプロジェクトに参加できるのは 60才以上、

 これまでに330人以上の人が 参加を表明しています。

 政府もバックアップに動き出しました。

(因みに、 事務所が開かれたのは5月23日、 僕の誕生日と同じです。)

 呼びかけ人のYさん (72才) は、 学生時代に60年安保を闘い、

 その後 大手金属メーカーの エンジニアとして働きました。

 「被曝に関しては 年寄りは有利だ。

 優先的に現場に出るべきだろう」 と 述べています。

 Yさんは4月上旬に、 2500人の知人に メールや手紙を送り、

 活動への賛同を訴えました。

 その思いに 多くの人が共鳴し、 次第に輪が広がってきたのです。

 その一人、 Oさん (68才) は、 かつて 東芝の原子力部門に勤務し、

 福島第一原発には 20年間にわたって行き来したといいます。

 自分の設計したものが この世にある限り、

 自分に責任があるという  「エンジニアリングシップ」 が参加の動機です。

 「若い世代にも それを身をもって教えたい。

 放射線は 若い人の2倍受けても、 3倍受けてもかまいません」。

 Oさんの奥さんは大賛成で、

 原発を開発した立場として 何かやったら、 と後押しします。

 娘さんも、 父親が殉職なんて 絶対あってほしくないと思いますが、

 知識はあるから 無茶なことはしないだろうと 理解を示しています。

 ある志願者の女性 (68才) は、 かつて原爆を受けており、

 そこから生き延びたため、 放射能に対する恐怖感が あまり強くないと言っています。

 その時に助かったのだから、 今度何かあっても 構わないと思ったそうです。

 彼らの 熱い思いを受けて、

 当初は冷やかだった 政府や東電の態度も 変わってきました。

 細野総理補佐官が 東電を通して、 Yさんに会いたいと申し入れ、

 シニア隊のメンバーが どういう能力を持っているか 情報が欲しいと言ってきました。

 今月6日には、 海江田経産大臣とも面会し、

 具体的なことを進めていくという 話も取り付けました。

〔 テレビ朝日 「Sフロントライン」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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