(前の記事からの続き)
○ 境界を設けることで得られるもの
《 自分が何者なのか、 明確にしてくれる 》
境界がしっかりしていない人は、 アイデンティティの確立も不十分です。
自分自身の問題や責任と 他人のそれとの間で混乱したり、
役割 (母, 経営者など) に同一化してしまいます。
境界がよく発達しているのは、 以下のような人たちです。
・ 自分自身の 感情や思考や価値を見極め、 それに責任を持てる
・ 自分自身の 感情や思考や価値が、 自分の重要な一部であると 見ている
・ 他人の考えや感情も 尊重する
・ 他人の価値観や信念も 等しく重要であると理解している
《 境界は人生に秩序をもたらす 》
いつも人の要求に振り回されていると、 人生のコントロールが 失われてしまいます。
ボーダーの人は 決まりを変えようとしたり、 衝動的に行動したり、
自分の都合に合わせようとします。
境界がしっかりしていれば、 このような行動に対処できます。
事前に境界設定をしておけば、 将来の問題を未然に防げます。
《 境界を設けることは 安心感を与えてくれます》
境界のない人は、 人が与えるものは 何でも受け取ってしまいます。
境界がしっかりしている人は、 許容できる行動を 自分で選べると分かっているので、
人生をコントロールできると感じています。
彼らには 「ノー」 と言える力が 備わっています。
(次の記事に続く)
〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕