「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

個人としての境界を明らかにすること (2)

2013年01月31日 22時35分02秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

○ 境界を設けることで得られるもの

《 自分が何者なのか、 明確にしてくれる 》

 境界がしっかりしていない人は、 アイデンティティの確立も不十分です。

 自分自身の問題や責任と 他人のそれとの間で混乱したり、

 役割 (母, 経営者など) に同一化してしまいます。

 境界がよく発達しているのは、 以下のような人たちです。

・ 自分自身の 感情や思考や価値を見極め、 それに責任を持てる

・ 自分自身の 感情や思考や価値が、 自分の重要な一部であると 見ている

・ 他人の考えや感情も 尊重する

・ 他人の価値観や信念も 等しく重要であると理解している

《 境界は人生に秩序をもたらす 》

 いつも人の要求に振り回されていると、 人生のコントロールが 失われてしまいます。

 ボーダーの人は 決まりを変えようとしたり、 衝動的に行動したり、

 自分の都合に合わせようとします。

 境界がしっかりしていれば、 このような行動に対処できます。

 事前に境界設定をしておけば、 将来の問題を未然に防げます。

《 境界を設けることは 安心感を与えてくれます》

 境界のない人は、 人が与えるものは 何でも受け取ってしまいます。

 境界がしっかりしている人は、 許容できる行動を 自分で選べると分かっているので、

 人生をコントロールできると感じています。

 彼らには  「ノー」 と言える力が 備わっています。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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