(前の記事からの続き)
睡眠中の過食として もうひとつ、 「夜間摂食症候群 (NES)」 があります。
夜間に覚醒して、 意識がある状態で むちゃ食いをし、
翌朝も記憶があることから、 睡眠関連摂食障害と区別されます。
夜間に偏った、 異常な食行動としての 睡眠障害です。
また、 眠剤の副作用によって、 夜間の過食が起こることもあります。
睡眠状態で 記憶がないケースと、
眠剤を飲んでも眠れずに 過食してしまうケースなどがあるようです。
心の問題を抱えて 眠剤を服用している人は、
その副作用で 夜間過食をしている場合も 少なくないのでしょう。
(心子も そうだったのかもしれません。)
一方、 睡眠関連摂食障害を、
睡眠薬で誘発された 異常行動のひとつとして 捉える人もいます。
睡眠薬による意識低下に基づき、 食行動障害を伴うものです。
稀な副作用で、 解明されていない点が多いですが、
留意する必要があるとしています。
〔 星和書店 / 精神科治療学24 巻02号抄録本文
http://www.seiwa-pb.co.jp/search/bo01/bo0102/bn/24/02u.html 〕
従来、 摂食障害の患者は、 夜間の過食と その記憶がないことも多いので、
記憶障害は 解離性症状だと思われていました。
夜間の過食は 摂食障害の部分症状であり、 記憶がある場合も ない場合もある、
という程度の 理解をされていました。
ところが、 眠剤も飲んでおらず、 夜間の過食と その記憶がないことだけを訴える、
または それを主症状とする患者がいます。
そういう患者は、 摂食障害というより、
睡眠障害の観点からも診るべきだ という意見が出てきたのです。
〔 赤城高原ホスピタル 「睡眠関連摂食障害」
http://www2.wind.ne.jp/Akagi-kohgen-HP/ED_sleep-related.htm 〕
以上のように、 睡眠関連摂食障害は 本人が知らないうちに起こり、
切実な問題も含んでいるだけに、 研究や理解が 早く進んでいけばと思います。