<ジダン>罰金70万円と3試合出場停止 FIFA処分
人種差別発言があったかどうかを巡って大きな問題となったため、マテラッツィがどういう発言をしたかということを明確にしないままに双方痛み分けとなった、この処分。
イタリアファンだから言うわけではないですが、釈然としないものが残ります。
侮辱発言を擁護はしませんが、ピッチ上で暴力をふるった選手と挑発する侮辱発言を行った選手に対する処分にあまり差がないというのは、どうなんでしょう。過去のワールドカップの試合では、暴力に走った側の選手こそ問題にされてきましたが、審判に対するもの以外は暴言はとがめられることがなかったので。
「挑発はゲームの一部」・英紙、マテラッツィ処分を批判
「ジダン処分軽すぎる」欧州各紙が批判
侮辱側も罰する異例の処分 ジダン問題でFIFA
発言内容封印し幕引き 異例の処分は「前例」にも
暴力と同じように暴言や侮辱の類もなくなる方がいいには違いないでしょう。しかし、ピッチ上での挑発や侮辱の発言を審判がすべて取り締まれるのかどうか……それを考えると、今後に大きな混乱の種を蒔いたような気がします。
サッカー・ワールドカップ(W杯)ドイツ大会決勝で、フランスのジダンがイタリアのマテラッツィを頭突きし、退場になった問題で、国際サッカー連盟(FIFA)は20日、スイス・チューリヒの本部で規律委員会を開き、ジダンに罰金7500スイスフラン(約70万円)と国際試合出場停止3試合の処分を決めた。また侮辱的な発言で挑発したとして、マテラッツィにも、罰金5000スイスフラン(約47万円)と出場停止2試合の処分を下した。
人種差別発言があったかどうかを巡って大きな問題となったため、マテラッツィがどういう発言をしたかということを明確にしないままに双方痛み分けとなった、この処分。
イタリアファンだから言うわけではないですが、釈然としないものが残ります。
侮辱発言を擁護はしませんが、ピッチ上で暴力をふるった選手と挑発する侮辱発言を行った選手に対する処分にあまり差がないというのは、どうなんでしょう。過去のワールドカップの試合では、暴力に走った側の選手こそ問題にされてきましたが、審判に対するもの以外は暴言はとがめられることがなかったので。
「挑発はゲームの一部」・英紙、マテラッツィ処分を批判
国際サッカー連盟(FIFA)が、ワールドカップ(W杯)ドイツ大会決勝でジダン(フランス)の頭突きを誘う侮辱的発言をしたマテラッツィ(イタリア)を処分したことに対し、21日付の英紙は「プロのゲームの一部として、挑発的発言は受け入れられてきた」(デーリー・メール紙)と批判的に報じた。
「ジダン処分軽すぎる」欧州各紙が批判
国際サッカー連盟(FIFA)から20日に下された前フランス代表MFジネディーヌ・ジダン氏(34)への処分に対し、フランスを除く21日付欧州各紙で「軽い」という論調が目立った。フランス紙は一様にジダン氏への処分は致し方なしと認める一方で、挑発した側のマテラッツィにも処分が下ったことを評価した。
英国のタイムズは「頭突きは、侮辱より1090ポンド(約20万円)分だけしか悪くない」と罰金の差がほとんどないことを強調した。ドイツのビルトは「冗談のような判決」と、ジダン氏への処分の甘さを批判した。マテラッツィの地元イタリアのガゼッタ・デロ・スポルトは「ジダン対マテラッツィは3-2。ジダンの制裁が軽すぎる。イタリア中が怒る」と1面で報じた。
侮辱側も罰する異例の処分 ジダン問題でFIFA
FIFAの規約では「身ぶりや言葉などで相手を侮辱した選手は最低2試合の出場停止。宗教や出自などの差別的発言は最低5試合の出場停止」と定めている。
ところがプロの試合は上品には行われていないのが現実だ。侮辱発言は日常のように行われ、選手が使う言語によっては、ひわいな言葉が叫ばれる。「審判に向かって言ったのでなければ、たいていの暴言は見逃す。大事な試合で選手が背負うストレスは理解できるから」と公言する国際クラスの審判もいるほどだ。
この処分によってFIFAは、侮辱や挑発が平然と行われている状態を改善しようという姿勢を見せたことになる。挑発行為をなくす抑止力にもなるだろう。
だが、今後も同じような問題が起きたときにどうするのか、という新たな問題が生じる。
発言内容封印し幕引き 異例の処分は「前例」にも
マテラッツィはイタリア紙で事実上、ジダンの姉を侮辱したことを認めたが「日常的に誰でも言い合う悪口」だと説明している。サッカー界で言葉による挑発は枚挙にいとまがなく、ほとんどが見過ごされてきた。
しかしFIFAは今回、世界一を決める試合で侮辱発言があった事実が広く知られたため、マテラッツィに異例の処分を科さざるを得なかった。今後、こうした発言を処分し続けることは現実的にも難しいが、これが前例となって侮辱発言に対する告発が相次ぎ、対応に苦慮する可能性もある。
暴力と同じように暴言や侮辱の類もなくなる方がいいには違いないでしょう。しかし、ピッチ上での挑発や侮辱の発言を審判がすべて取り締まれるのかどうか……それを考えると、今後に大きな混乱の種を蒔いたような気がします。