『人事が変われば、会社は変わる』香本裕世(日本経済新聞出版社) リンク先はamazon.co.jp
「制度屋人事」からビジネスパートナーとしての人事への転換を、架空の会社を舞台にした小説仕立てで解説している。
従来は人事評価制度の下請けであった教育研修の機能が、戦略的な意味づけをもって人事部門の機能を変えるという、人材開発の職にある自分にとっては気持ちよく読めた(笑)ストーリー。
会社の風土変革を一般社員のキャリア研修から始めるというところは「???」と思ってしまうのは、自分が外資系に勤めて長くなっているからだろう。日本の会社に勤めると自分のキャリア設計を会社にゆだねて「会社はこれから自分をどうしてくれるのか」という意識を持ってしまうものらしいが、自分は最初に勤めた会社が日本企業でも小さかったこともあって、定年まで勤めるだろうという展望を最初から持たなかった(そして、自分が海外に留学して転職して何年かたったところで、同業他社に吸収合併されて社名がなくなってしまった……)。会社がキャリアについての考え方を教えてくれるというのは、きわめて日本的な感覚だなぁ(もちろん、再就職支援といった局面では、外資系もサポートはしてくれるのだが)。
外資系というかグローバル企業だったら、若手一般職社員全員という広い層にターゲットは置かないだろうと感じた。実際、この5年間、人材開発機能を再構築した時にまず手がけたのは会社の屋台骨を背負って立っている、そしてさらに成長することが期待される、幹部人材の選別と選抜的な教育育成だったからだ。そして、それは、戦略的な投資という意味での優先順位は、今でも変わらない。
もちろん、たとえば現場のニーズを聞きに行くとか、管理職の部下育成能力を改善することによって全社的に人を育てる風土をつくるとか、方法論として同じものは見られた。
現場のビジネス課題を研修やワークショップという方法論をはさんで問題解決につなげる組織開発(英語ではかつてOrganization Developmentと言っていたが、最近はPerformance ImrprovementとかPerformance Consultingと言っている)をかじっていると、その分野での方法論が出てこない分、人材開発の専門家として出てくる女性主人公にはまだまだ修行を積んで欲しいと思ってしまうのは……ちょっと採点が辛いかな?
「制度屋人事」からビジネスパートナーとしての人事への転換を、架空の会社を舞台にした小説仕立てで解説している。
従来は人事評価制度の下請けであった教育研修の機能が、戦略的な意味づけをもって人事部門の機能を変えるという、人材開発の職にある自分にとっては気持ちよく読めた(笑)ストーリー。
会社の風土変革を一般社員のキャリア研修から始めるというところは「???」と思ってしまうのは、自分が外資系に勤めて長くなっているからだろう。日本の会社に勤めると自分のキャリア設計を会社にゆだねて「会社はこれから自分をどうしてくれるのか」という意識を持ってしまうものらしいが、自分は最初に勤めた会社が日本企業でも小さかったこともあって、定年まで勤めるだろうという展望を最初から持たなかった(そして、自分が海外に留学して転職して何年かたったところで、同業他社に吸収合併されて社名がなくなってしまった……)。会社がキャリアについての考え方を教えてくれるというのは、きわめて日本的な感覚だなぁ(もちろん、再就職支援といった局面では、外資系もサポートはしてくれるのだが)。
外資系というかグローバル企業だったら、若手一般職社員全員という広い層にターゲットは置かないだろうと感じた。実際、この5年間、人材開発機能を再構築した時にまず手がけたのは会社の屋台骨を背負って立っている、そしてさらに成長することが期待される、幹部人材の選別と選抜的な教育育成だったからだ。そして、それは、戦略的な投資という意味での優先順位は、今でも変わらない。
もちろん、たとえば現場のニーズを聞きに行くとか、管理職の部下育成能力を改善することによって全社的に人を育てる風土をつくるとか、方法論として同じものは見られた。
現場のビジネス課題を研修やワークショップという方法論をはさんで問題解決につなげる組織開発(英語ではかつてOrganization Developmentと言っていたが、最近はPerformance ImrprovementとかPerformance Consultingと言っている)をかじっていると、その分野での方法論が出てこない分、人材開発の専門家として出てくる女性主人公にはまだまだ修行を積んで欲しいと思ってしまうのは……ちょっと採点が辛いかな?