立花御大の煽りに乗せられて(苦笑)、土曜日に発売した週刊現代を買ってしまった。立花御大は、先日の連載に続いて関連記事を掲載。
立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」
第117回 週刊現代が暴いた"安倍スキャンダル"の全容
報道の関心や興味は後継者レースの方に移ってしまって、この記事については言及はないようだが……民主党はじめ野党は、この記事の内容について安倍首相を追及すべきだと思う。国政調査権もあることだし、行使する一大チャンスではないか。
もし事実であれば、身内のカネの問題に対して認識が甘く、かばう様子すら見せた安倍首相こそが政治資金的にもっとも不透明だったという、呆れ返るような話なのだから。時効ゆえ脱税行為で罪に問うことができないとしても、政治家としての道義や倫理規範への意識を問題とすることはできるだろう。
参院選での大敗にもかかわらず、内閣を改造してまで延命を図り、所信表明演説をした直後で、なぜ安倍首相は辞めたのか……まだその説明は十分になされていないのだ。
立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」
第117回 週刊現代が暴いた"安倍スキャンダル"の全容
週刊現代が安倍事務所に突きつけた質問状
(中略)
週刊現代の記事は、12日の夜に書かれ、13日に校了になり、14日に印刷製本され、15日に発売というスケジュールでことが進行していく。
まだ書かれてもいない記事に対する安倍事務所の過敏な反応が何に対して起きたのかというと、「週刊現代」からの取材依頼に対してである。
依頼書には、
「亡父安倍晋太郎氏から安倍晋三首相への政治遺産の継承がいかに行われたかの詳細な分析から浮上したいくつかの政治資金と税金に関する疑問点についてお尋ねします」
という書き出しで、いくつかの疑問点が具体的に、安倍晋太郎・晋三親子の多数の政治資金団体の帳簿から抜いた詳細なデータ付きで書かれていた。
この取材依頼書を一目見ただけで、安倍事務所はビビってしまったのである。
安倍首相側の過剰反応
そして、雑誌が出る3日も前から(記事が実際に書かれる前から)、報道機関各位に警告書をバラまくというようなことをはじめたわけである。
そして安倍首相自身は、取材依頼を受け取ったその日のうちに電撃的に首相を辞任して、さらにその翌日午前中から病院に入院してしまうという形で公衆の前から姿を消すという道を選んだわけである。
ここまでやりましたから、どうかもうカンベンしてくださいということなのかもしれないが、もう雑誌は校了になって、輪転機がまわっているところだ。大見出しの記事が間もなく出る。
安倍側がこれだけ過敏な反応を示したのも、その取材依頼書を見ただけで、それがどれほど厚みのある取材の上に書かれたものであるかがすぐにわかったからだろう。
要するに身に覚えのある内容だったといういうことではないのか。
報道の関心や興味は後継者レースの方に移ってしまって、この記事については言及はないようだが……民主党はじめ野党は、この記事の内容について安倍首相を追及すべきだと思う。国政調査権もあることだし、行使する一大チャンスではないか。
もし事実であれば、身内のカネの問題に対して認識が甘く、かばう様子すら見せた安倍首相こそが政治資金的にもっとも不透明だったという、呆れ返るような話なのだから。時効ゆえ脱税行為で罪に問うことができないとしても、政治家としての道義や倫理規範への意識を問題とすることはできるだろう。
参院選での大敗にもかかわらず、内閣を改造してまで延命を図り、所信表明演説をした直後で、なぜ安倍首相は辞めたのか……まだその説明は十分になされていないのだ。