【中野雄太県幹事長寄稿】
幸福実現党はどの政党よりも早く、「復興増税」ではなく、「東日本復興債」を日銀に直接引き受けさせて復興財源を調達すべきという政策提言を行っています。
政府の中でも復興債の発行を認める考え方もあります。そして、自民党や民主党の経済に明るい議員が超党派で日銀の直接引受を提言しています。
問題は日銀がこれを承認するかどうかですが、肝心の白川方明総裁は否定的な見解を示しています。
与謝野馨経済・財政担当相、野田財務大臣、民主党の岡田克也幹事長も「財政規律を乱す」という理由で導入に否定的です。
当然、その結果出てくるのがインフレやハイパーインフレに対する懸念です。これは、お決まりの文句にもなってきた感がありますが、以下のように反論をすることができます。
まず、現在はデフレ経済です。そして、失業者や遊休設備をフル稼働させた時に達成されるGDPと実際のGDPとのギャップであるデフレギャップは、震災前で20兆円ありました。
つまり、日銀が国債の直接引受をしたとしても、20兆円まではインフレになりません。30兆や40兆を投入したとしても、インフレは高くても数%程度です。心配するレベルではありません。ましてや、ハイパーインフレになる確率は極めて低いと言えます。
ハイパーインフレは年率数百%を超えるものですが、経済学者の高橋洋一氏の推計では、国民一人当たり一億円を配らない限り起きないとされています。
「財政規律が乱れる」というのは、平時でも継続して実施した場合であって、震災などの非常時では話は別です。
また、被害相当額プラスアルファにとどめておけば、過度なインフレになることはありません。インフレ目標値を設定することで、財政規律を保つことができます。
さらに国債の日銀引受は、国家に資金が入ります。金利負担は、すべて国庫に入るので財政にも優しい制度です。
財政法5条では、日銀の直接引受は原則禁止されていますが、「特別な事由」によって国会で議決を経れば、いつでも発動ができる但し書きがあります。
未曾有の被害が発生している現状が「特別な事由」にあたらずして、何が「特別の事由」にあたると言うのでしょうか?
政府首脳や白川総裁は固定観念や前例主義によって反論しているに過ぎません。
今こそ非常時であり、十分に「特別な事由」にあたる震災なのですから、ためらうことなく復興債の日銀直接引受を断行すべきです。
中野 雄太
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