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日々の恐怖 12月11日 跳ね返り(2)

2016-12-11 17:13:29 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月11日 跳ね返り(2)




 A君は俺が教えた通りにやっている。

「 今は草書の段階だ。」

とフォローし、

「 Bさんは心配なさらず。」

となんとか離れてもらった。

“ A君をいびりたくて、俺がいなくなるのを狙ってたんだろうな。”

と思うと少しげんなりした。
 プライドが高いBさんは、有能で人好きのする、しかもイケメンのA君を妬んいたのだろう。
もともと予想していたことだし、だからこそお互いに近付けないようにしていたんだけど。
 A君に、

「 大丈夫か?」

と尋ねると、

「 はい、僕は・・・・。」

と困ったように笑った。
 それから気になることが起こり始めた。
A君は全く問題なく仕事を覚え、すっかり重要な戦力となりつつあった。
 ところが、どういうことか、それとは反対に、Bさんの作業能率が落ちていった。
Bさんのまとめた書類はキレイで見やすいと評判だったのに、改行がおかしい、敬語の間違いなど、急に読み辛いものになった。
また、あえて難解な言葉を使いたがるBさんが言葉を思い出せないということが増えた。
その時は訝しく思ったけど、人間誰しも不調はあるだろうとそんなに気にしていなかった。
 しかし、Bさんの不調は一向に治らなかった。
その頃から、ストレスもあってか、Bさんの性格の悪いところが拡大され、一層僻みっぽくなっていった。
 特にA君に対する嫌味が酷い。
1人前に仕事をこなすようになったA君の、それこそ重箱の隅をつつくような指摘をしたり、果ては仕事とは関係のないことまで言い出す始末だった。
女性社員を誘惑してるんじゃないか、とか、八方美人って実際は嫌われるわんだ、とか、最早ただの言い掛かりでしかないものだった。
 ここまで来ると、周りも注意していたが、Bさんの態度は硬化するばかり。
また、A君への執着はますます増していった。
みんなのBさんへの不満も高まっていったが、俺が一番気になったのは、それと比例するかのように、Bさんが何もかも上手くいかなくなっていることだった。











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