大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

Photo Lounge78 お笑い

2009-01-31 19:14:00 |      Photo群

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        Photo Lounge78 お笑い 


         “ いや~、それがおかしいのなんのって!”
        



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霧の狐道182

2009-01-30 18:46:48 | E,霧の狐道
    10月17日(土)のこと


 次の日、妙に朝早くから歌声がして、俺は眼が開いた。
明るい日差しが病室に差し込んで、昨日の夜中の出来事が嘘のようだ。

“ なんか、のどか・だ・け・ど・・・。”

俺は首を起こして左手の窓を見た。
カーテンが引かれた窓からは、朝日に照らされた灰色の隣の棟が見える。
どう見ても、ここは普通の病院だ。

“ 山本爺、どうしてるかな?”

俺は首を伸ばして山本爺の方を見る。
山本爺は布団を被ってまだ寝ているようだった。

“ あれは夢だったのかな・・・?”

でも、とても眠い。

“ これは、たぶん夜中に起きたのが原因だろう・・・、けど・・・。
 でも、ホントに起きたのかな?”

 田中爺のベッドは抜け殻状態だった。
歌声の方は通路から聞こえて来る。

“ あれは、田中爺の声らしいな。”

俺は通路の方を見た。

“ 朝だ、あさだァ~よォ~、朝日がのぼォるゥ~♪”

半開きの扉の隙間から、田中爺が歌を歌いながら通路で体操をしているのが見えた。
入院患者とは思えないような元気さだ。




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霧の狐道181

2009-01-28 18:50:08 | E,霧の狐道
俺は女の子が言った言葉を思い出していた。

“ 確か『この病院で、ずっと遊べるね』って言ってたぞ。
 この病院で、ずっと遊べる。
 退院、無し?
 この病院で・・・・・。
 ずっと遊べる・・・・。
 連れて行く・・・・。
 俺もってか!?
 うわっ、大変だ。
 遊びたくない。
 これはお揚げ婆さんどころではないぞ・・・。
 俺は、ずっとこの病院にいなければならないって・・。
 ヤバッ!
 ヤバイぞ!
 これは、どうしたらいいんだ・・・・?”

通路に慌しい複数の足音が響き、見知らぬ奥の病室に入って行く。

“ これは、どうしたらいいんだ・・・・?”

そして、少し間を置いて去って行く。

“ ホント、どうしたらいいんだ・・・・?”

通路をストレッチャーが遠ざかって行く音がする。

“ キュルキュルキュル・・・。”

辺りは静かになり病院は闇に溶け込んだ。
時計の音が俺の頭の上で規則正しく打っている。

“ コチ、コチ、コチ、コチ、・・・・。”

俺は時計の音から逃れるため布団をガバッと被った。
口をついて言葉が漏れる。

“ 大変だ、大変だ、大変だ・・・。”

俺は“大変だ念仏”を唱えながら、対策も分からないままコテッと寝てしまった。




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霧の狐道180

2009-01-26 19:06:12 | E,霧の狐道
話の途中で、山本爺はまた布団を被った。

「 あの、あそこの空いたベッドから出て来たのは、何ですか?」
「 ・・・・・・・。」

布団を被ったままの山本爺から返事は無かった。
田中爺のいびきは、まだ響いている。

“ ぐごごごごごごぉ~、ぐごごごごごごぉ~。
 ぐごっ・・・・・・。”

田中爺のいびきが突然止まった。
辺りが静かになる。

“ あれっ!?”

また、通路に足音が聞こえた。

“ カツカツカツカツ・・・。”

それも、複数だ。

“ バタバタバタバタ・・・・・・。”

そして、扉の音。

“ ギッ、バタン!”

誰かが部屋に入って行く。

“ 看護婦さんと医者かな・・・。”

また静かになる。
俺は突然気が付いた。

“ あれっ、モニター音・・・。”

通路に流れていたピッピッピッと言うモニター音がいつの間にか途切れていた。

“ 音、消えている・・・。
 音、音、音、音、・・・・。
 それって・・・・・・・。
 ヤバッ・・・・。
 山本爺、さっき連れて行ったって言ったな・・・。
 それって、そう言うことだったのか。
 いや、納得している場合では・・・・・。”




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Photo Lounge77 ハムスター 

2009-01-25 18:51:21 |      Photo群

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        Photo Lounge77 ハムスター 


                 “ おっと!!”
        



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霧の狐道179

2009-01-24 19:15:53 | E,霧の狐道
 看護婦さんが走り去ると辺りは一旦静かになった。
耳を澄ます俺に鞠の音がまた聞こえ始めた。

“ えっ!?”

鞠の音が、再度、鳴り始めたのだ。

“ てんてんてん、てんてんてん、てんてんてん・・・・・・。”

そして、鞠の音が遠ざかって行く。

“ てんてんてん、てんてんてん、てんてんてん・・・・・・。”

俺は音が消えてしまうまで病室の扉を眺めていた。
 音が消えると山本爺が布団から顔を出して言った。

「 連れて行った・・・・。」
「 えっ、連れて行った・・・・?
 何を・・・?」

田中爺は、まだ、いびきをかいている。

“ ぐごごごごごごぉ~、ぐごごごごごごぉ~。”

山本爺がボソッと言った。

「 おまえ、連れて来るな・・・。」
「 えっ、何?」
「 変なの・・。」

俺は、ようやく理解した。

「 あ、あの女の子、俺が連れて来た・・。」
「 バカ。」
「 そ、そうか・・・・。
 でも・・・・・。
 あっ、ちょっと待って・・・・。」



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霧の狐道178

2009-01-21 18:30:29 | E,霧の狐道
鞠の音は同じ所で鳴っている。

“ 動かないな?”

音が消えてしまう気配も無い。

“ てんてんてん、てんてん!”

てんてんで、音が途切れた。
俺は耳を澄ませた。

“ ・・・?”

暗い病室に、心臓のリズムのモニター音が通路から流れ込んで来る。

“ 行ってしまったのかな?” 

鞠の音はこの病室から少し奥に行った所ぐらいで消えたと思う。
気になった俺は耳を澄ませた。
そのとき、突然、足音が聞こえた。

“ カツカツカツカツ。”

少し、小走りだ。

“ 看護婦さんのローヒールの靴の音だな・・・。
 あの女の子、看護婦さんに見つかったのかな。”

病室の扉の音が聞こえた。

“ ギッ、バタン!”

二つ三つぐらい奥の部屋に足音は入って行ったようだ。
続いて、声が2回聞こえた。

「 ・・・さん、・・・さん!!!」

名前ははっきり聞き取れなかった。

「 うっ、ヤバイ・・・。」

そして、扉の音。

“ ギッ、バタン!”

看護婦さんが小走りで通路を走る。

“ カツカツカツカツ・・・。”



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霧の狐道177

2009-01-18 18:51:39 | E,霧の狐道
俺の頭の思考回路がピタッと停止した。
病室の扉が、す~っと開いて、女の子と黒い影は出て行く。

“ ギッ、バタン!”

扉が閉まった。
その瞬間、俺の頭の思考回路が動き始めた。

“ ずっと、って・・・・・・・・・・・・。
 ゲッ、ヤ、ヤ、ヤバッ!”

俺の頭の中を何個もの“ずっと”がグルグル回転する。
俺は布団から眼だけを出して扉を見ながら動けずにいた。

“ てんてんてん、てんてんてん、てんてんてん・・・・・・。”

通路で鞠の音が、再度、鳴り始めた。

“ 落ち着け、落ち着け・・・・。”

俺は心の動揺を抑えた。
耳には鞠の音が常に聞こえて来る。
そして、音は通路をゆっくり移動して離れて行く。

“ 行ってしまう感じ・・・。”

でも、通路を少し行ったところで移動が止まった。

“ あれっ!?”




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霧の狐道176

2009-01-16 19:30:48 | E,霧の狐道
女の子が顔の向きを右前にフッと変え、遠くを見る目付きになる。

“ どこを見ているんだろ?”

その瞬間、横顔に微かな微笑が浮かんだ。

“ 笑ったぞ・・・・。”

俺は、それを見てヤバイと思った。

“ 俺を思い出して、こっちを向くかも・・・。
 何か、俺、攻撃されるのか・・。”

俺は少しビビッて体を硬くした。
でも、女の子は顔を扉の方に戻し、ゆっくりと移動を始める。
そして、黒い人影もそれに従う。

“ 違った・・、ああ、よかった。
 ちょっとビビッてしまった。
 もう、ホント、2人とも早く出て行けよ!”

俺がそう思いながら見ていると、二人は扉まで進み扉が開く。

“ ギッ。”

俺は開いた扉の前に立った二人の後ろ姿を見て思った。

“ もうチョイで出て行くぞ、ウシシシシシ!”

そのとき、女の子がゆっくりと右後ろに振り返って俺に言った。

「 この病院で、ずっと遊べるね・・・。」
「 ・・・!?」



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霧の狐道175

2009-01-14 19:10:05 | E,霧の狐道
 俺は肘で少し体を起こし、空きベッドのある足元の方を見る。
女の子が見ている空きベッドの真ん中辺りから、黒い塊が盛り上がって来る。

“ ん・・・?”

黒い塊は徐々にベッドから高くせり上がり、やがてベッドの上に立ち上がった。
白い壁をバックに人の形の黒い影として見える。
でも、それは黒い人形だけで顔や目鼻は分からない。
そして、黒い影はベッドから降り、女の子の横に立った。

“ あれは、人か・・・・?
 な、ん、だ、ろ・・??”

黒い影の背丈は大人の大きさだ。
女の子と黒い影が親子のようにベッドの横に並んで立っている。
 女の子が病室の扉を右手で指差した。
そして、その動きに続いて、女の子を前に二人は移動を始める。

“ 通路に出るのかな?”

俺は二人の動きを眼で追った。
女の子はス~ッと移動するが、黒い影は歩く度にガッタンガッタン揺れる。

“ 足、悪いのかな・・・?”

でも、黒い影だからよく分からない。
 二人が俺のベッドと空きベッドの間まで来たとき、女の子の動きが急に止まった。
黒い影もその動きに従って女の子の後ろで立ち止まる。

“ 止まったぞ、ヤバッ!”

俺はマズイと思って布団を鼻まで引っ張り上げ、眼だけで様子を窺った。




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霧の狐道174

2009-01-12 19:45:04 | E,霧の狐道
女の子は、田中爺の方を向いた。

「 ぐごごごごごごぉ~、ぐごごごごごごぉ~。」

田中爺のいびきが、突然再開された。

「 ・・・・・・・。
 じゃ、あっちのお爺ちゃんとあそぼ。」

女の子は、ス~っと移動する。
女の子は布団を被ったままの山本爺に話し掛けた。

「 お爺ちゃん、あそぼ。」

山本爺は小さく呟き出した。

「 ナムアミダブ、ナムアミダブ、ナムアミダブ・・・・。」
「 ふふっ・・・・・。」

 女の子は軽く笑って視線を下に落とし、山本爺のベッド近くの床に転がっている鞠を左手にスッと吸い寄せる。
そして、左手で鞠を胸に抱えた。
続いて、後ろを振り返る。

「 じゃ、こっちね・・。」

 女の子は山本爺の隣にある空きベッドの方に向きを変えた。
そして、ベッドに近付きベッドの真ん中辺りを軽く右手で二回叩く。
叩き終わると、女の子はそのままベッドの横に立ちベッドの上を見ている。
俺は様子を窺った。

“ 何をしているのかな・・・?”



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霧の狐道173

2009-01-10 19:25:00 | E,霧の狐道
鞠は、山本爺のベッドの下に転がって行った。

「 あれっ、何処かで見たような気がする・・・。」

病室の扉の開く音がする。

“ ぎィ~っ。”

俺は、扉を見た。

「 ん・・・?」

扉の隙間から、通路の弱い光が差し込んでいる。

“ ぎィ~っ。”

誰も入っては来なかったが、扉は閉まった。
俺は、肘で体を起こして扉を見ていた。

“ 誰も、入って来なかったけど・・・・。”

その時、突然、後ろから声がした。

「 おにいちゃん、あそぼ。」

俺は、驚いて振り返った。

“ ゲッ!女の子!”

俺のベッドと田中爺のベッドの間の通路に女の子が立っていた。
五歳くらいで着物を着ている。

“ この着物は、橋で出会った女の子・・・・。”

女の子はおかっぱ頭で白く透き通った端正な顔をしていた。
俺はこの場を取り繕って辛うじて答えた。

「 えっと、今、足は痛いし肩が折れて動けないから、また、今度ね!」
「 ふ~ん、じゃ、お爺ちゃんとあそぼ。」



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霧の狐道172

2009-01-08 20:21:35 | E,霧の狐道
 俺は扉をジッと見た。
そして、耳を澄ませる。
鞠の音は、この部屋の前をゆっくりと通過する。

“ てんてんてん、てんてんてん、てんてんてん・・・・。”

音は動いて行く。
でも、扉のスリガラスに、人影は映らなかった。

「 人影が映らないな・・・?」

俺は不思議に思いながら、動いて行く音を聞いていた。

「 通過して行った・・・。」

鞠の音は、ゆっくりと遠ざかって行く。

「 誰だろう、こんな夜中に・・・。」

鞠の音がスッと消えて静かになった。
山本爺の呟きが、また聞こえた。

「 来る・・・・。」

俺は、思った。

“ それも言うなら、行っちゃっただろ!”

その時、ベッドとベッドの間を、赤い鞠が跳ねながら転がって行くのが見えた。

“ てんてんてんてんてん・・・・、ころころころ・・・・。”

俺は、鞠を眼で追った。

「 あらっ、赤い鞠・・・!?」



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霧の狐道171

2009-01-06 19:32:35 | E,霧の狐道
 通路の音は、三回ついて一休憩だ。

“ 様子を見に行きたい気もするけど・・・。”

体は動かせなくも無い。
でも、ベッドから降りて、車椅子に乗って見に行くのは億劫だ。

「 まあ、ベッドで寝たまま様子を見るか・・・。
 それにしても、こんな夜遅くに非常識だろ。
 看護婦さんに怒られるぞォ・・・。」

音は、三回ついて休憩、三回ついて休憩、を繰り返す。

“ てんてんてん、てんてんてん、てんてんてん・・・・・。”

音は少し大きくなった。

「 少し、近付いて来たかな・・・。」

そのとき、山本爺の呟きが突然聞こえた。

「 来る・・・・。」

俺はその声に驚いた。

“ エッ、山本爺、起きていたのか!?”

俺は山本爺は熟睡しているものと思っていた。
 俺は首を少し起こし、山本爺のベッドを見た。
布団がゴソゴソ動いている。
そして、山本爺の呟きは続く。

「 来る、来る、来る、・・・わっ!」

山本爺は、急に布団を頭から被った。
音は相変わらず、三回ついて休憩、三回ついて休憩、を繰り返しながらゆっくり近付いて来る。

“ てんてんてん、てんてんてん、てんてんてん・・・・。”

 徐々に音は病室に接近して来た。
俺は首を少し右に振って通路の方を見る。
病室の扉は閉まっていた。
でも、扉の上半分に付いているスリガラスに、通路の弱い非常灯の明かりが透けて見える。

「 病室の前まで来たら、あそこに影が映る筈だ。」



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霧の狐道170

2009-01-04 20:12:48 | E,霧の狐道
 俺は天井を眺めながら二つの音をしばらく聞いていた。

「 音、大きいよな・・・。」

俺は眼を閉じた。
静かな病室に二つの音が響く。
そして、その二つの音は微妙にずれて俺の頭に響いて来る。

「 ん・・・・。」

と、そのとき、二つの音の隙間に別の音が小さくしているのが聞こえた。

 “ てんてんてん・・・・・・。”

俺は耳を澄ませた。

「 別の音が、何処かからしているぞ・・・。」

二つの音の向こうに微かに別の音がする。

「 遠いな。
 通路の奥からかな・・・・・?」

音は、通路の方から響いて来る。

 “ てんてんてん・・・・・・。”

「 何の音だろう?」

 “ てんてんてん、てんてんてん、てんてんてん・・・・・。”

「 また、聞こえた。
 鞠・・・・、かな・・・・?」

音は、少しずつ通路を移動している。

「 そうだ、鞠だ。
 鞠をつく音だ。」

誰かが、鞠を通路でついている。
リノリウムの床に鞠が弾んで、音が通路に反響して響いているのだ。

「 でも、誰だろう?」



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