パソコンのキツネは、右から出て来て左に入る、次は、左から出て来て右に入るを繰り返している。
“ 参ったなぁ。
俺が部屋から出たら、こいつ、ついて来るんじゃないかな・・・。
目的を知ったら、脇社に行くのを阻止されるかも知れないな・・・。”
俺がパソコンの画面を眺めていると山下先生が、カップめんとプラスチックのフォークを二つ持って戻って来た。
パソコンのキツネは、山下先生が戻って来るとパッと消えた。
そして、山下先生は、カップめんとフォークを、一旦、パソコンが置いてある机に置いた。
カップめんの良い匂いが部屋に充満する。
次に、山下先生は、押入れに行って何かをゴソゴソ探している。
そして、本を押入れから出し、奥から小さなテーブルを引っ張り出した。
“ あ、食卓か・・・・。”
山下先生は、足をパタパタ立てて食卓を作った。
そして、小さなテーブルを床に置いてカップめんの食卓が完成だ。
俺はパソコンとカップめんが置いてある机の方が気になって、そちらを見た。
パソコンの画面の端に、ひょっこりキツネの顔が現れた。
“ あ、また、出て来たぞ。”
キツネは、画面から前に置いてあるカップめんを見ている。
“ お、画面から手が出て来たぞ。
画面から出て来ると、こいつ立体的だな・・・・。”
キツネは、カップめんに手を伸ばそうとした。
山下先生は、テーブルに座布団をセットしているからキツネに気付いていない。
俺は声を上げた。
「 あっ!!!」
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