大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

しづめばこ 12月31日 P468

2016-12-31 18:31:43 | C,しづめばこ



 しづめばこ 12月31日 P468  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



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日々の恐怖 12月30日 マンガ喫茶(1)

2016-12-30 18:21:03 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月30日 マンガ喫茶(1)




 マンガ喫茶の実際の場所書くと営業妨害になっちゃうから書けないけど・・・。
ブースから出て、読んでいたマンガの続きの巻を取りに行こうとした時に、置いてる荷物もなかったし、すぐ近くの棚だからドアを開けっぱなしにしたまま出ちゃった。
 それで、戻って来ようとしたときに、通路の先にある自分のブースの引き戸のドアが、

“ スッ・・、スッ・・、スッ・・。”

て、3度ほど引くようして閉まるのが見えた。
自然に閉まったんじゃなくて、あきらかに内側から、誰かが引いて閉めた感じだった。

“ あれ?自分のブース番号間違えたかな?”

と思って、ポケットに入れてたレシート見ると、間違いなく、自分のブース。

“ 誰かが間違って入ったのかな・・・?”

と思って、ノックして、

「 あの、すいません。
そこ俺の所なんですけど・・・・。」

って言っても、返事が来ない

「 あのー、開けますよ?」

と言って、恐る恐る開けたけど、誰もいない。
気持ち悪くなって、すぐに清算して出ることにした。
関東の、海のない県の、結構大きな駅から少し離れた場所にあるマンガ喫茶での話です。











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日々の恐怖 12月29日 霊界に繋がる電話

2016-12-29 20:56:04 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月29日 霊界に繋がる電話




 俺が小学校の頃の話だ。
夏休みはいつも5人で仲良く遊んでいた。
その中の一人が、ある霊園の電話ボックスで深夜2時に電話すると霊界に繋がるという噂があると言い出したので、試しに行くことになった。
 夜中にそれぞれの家を抜け出して近所の公園に集合し、霊園に向かった。
霊園は地元から離れており、自転車でも1時間かかる距離だったが、小学生パワーでなんとか到着した。
 着いたのは、夜中の2時少し前だった。
2時になるまでの間、誰が電話をかけるか揉めたが、時間が迫っていたので、結局言い出しっぺの友人が電話ボックスに入った。
いつもやかましい俺たちだったが、このときはみんな緊張して静かだった。
 電話ボックスに入った友人が、受話器を取って固まった。
そしてなんとも言えない怖い顔をして出てきて、恐ろしいことを言い出した。

「 おい、誰か10円持ってるか?」

誰も持ってなかった。
 完全なバカだった。

“ 俺たちは、一体、何をしに来たのだろうか?”

そう絶望していたとき、突然赤い光が俺たちを包み込んだ。
 パトカーだった。
パトカー3台が俺たちの前に現れてたくさんの警察官が降りてきて、俺たちを怒鳴り散らした。
どうやら、小学生集団が夜中に霊園に向かってると通報があったらしい。

“ 誰が通報したのだ?”

 行く途中、誰かに見られたのか?
集合した近所の公園で見られたのか?
学校で話しているのを誰かが聞いてチクったのか?
それとも、霊界からの苦情が警察にあったのか?
それは、今でも分からない。
 俺たちは警察署に連れて行かれて、すぐに親を呼ばれ、全員ボコボコにされた。
しかも夏休み中だったにもかかわらず、俺たちのせいで全校集会となり、ステージに上げられて全校生徒に謝罪した。
 休みなのに登校させられたせいで、小学校の間、俺たちはズッと後ろ指を指され続けた。
中学校も、それが尾を引いた。
そして、高校になって、ようやく後ろ指から解放された。
 霊園に行ったときから、俺たちは肝試しによく行くようになったが、このとき以上の恐怖体験は未だに遭遇していない。











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しづめばこ 12月28日 P467

2016-12-28 19:00:35 | C,しづめばこ



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日々の恐怖 12月27日 メール

2016-12-27 18:54:56 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月27日 メール




 昔、間違いメールが届いたことがある。
件名は、

“ この前の写真です”

内容はどうやら何かの集まりの時に撮った写真を、一緒に写ってる知り合いに送るってことだった。
 ダメだとは思ったんだが、添付されてる写真を開いてみた。
何かの建物の前で2人の女性が写っている。
どっちも美人だ。
 とりあえず差出人へ間違いメールである旨をメールする。
すぐに絵文字一杯のかわいいメールが届いた。
どうやら、送り先と俺のメアドが1文字違いで、初めて送ったので入力ミスしたらしい。
 俺は、

“ 気をつけて下さいね。
メールは削除しときますね。”

と返事した。
 メールは確かに削除した。
写真は保存しちゃったけど。
 その翌週、また同じ人から間違いメールが来た。
内容はまた写真だった。
服装は違うが、美女2人が同じ建物の前に立ってる写真だ。
 間違いメールのメールをすると、またあのかわいい絵文字一杯のメールが来た。
アドレスの登録方法が分からず、手打ちでアドレスを入力してるらしい。
携帯の機種を聞き、アドレス登録方法をメールしてあげた。
非常に感謝された。
 その翌週、また間違いメールが来た。
と、思ったら俺宛の携帯の使い方を教えてというメールだった。
 彼女はかなりの機械オンチなんだそうだ。

“ まあ、美人だし・・・・。”

俺は下心丸出しで、丁寧にメールで教えてあげた
 彼女からは感謝の意と、メル友になって色々教えて欲しい、そのうち機会があれば食事でも、とのメールが来た。
 俺は小躍りしながら二つ返事で了解した。
それから2、3日置きには彼女からメールが来るようになった。
 そうこうしているうちに、仕事の途中で俺はその写真の建物を見つけてしまった。
そこは、ある宗教の教団支部だった。
そして、彼女から週末に食事のお誘いメールが来た。
どう返事を書けばいいのか、困ってしまった。









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日々の恐怖 12月26日 跳ね返り(7)

2016-12-26 18:10:24 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月26日 跳ね返り(7)




 結果として、最悪の事態は免れた。
Bさんは病院で一命を取りとめた、と次の日上司が教えてくれた。
本当に良かった。
 ただし、脳に障害が残り、不自由な身体になってしまい、もう職場復帰はせず、Bさんはそのまま退職することになった。
 みんなホッとしたり、後味が悪い思いをしたりと様々な中、A君はまだ死にそうな顔をしていたが、ばんばん背中を叩いて、

「 Bさん助かってよかったな!」

と声をかけると、

「 はい。」

とようやく笑ってくれた。
 俺はそう言いながらも、もし、BさんがA君に死ねと言ったらどうなっていたのかと考え、背筋を凍らせた。
A君が思い詰めてどうにかなったりしないかと、無駄に構ったりいじったり、飲みに誘ったりした甲斐があったのか、今では気持ちも持ち直し、仕事に励んでいる。
 後のことだが、Bさんは奥さんの実家に引っ越して、リハビリがてらに畑仕事をしたりしながら楽しくやっているらしい。
簡単な近況報告と美味しい農産物が届いて、職場のテンションが上がった。
 ちなみに、宛先が俺宛で、俺のマンションに届いたので、それを持って会社に行くのはなかなか骨が折れた。
 届いた時、箱を開けると職場宛の手紙とは別に一筆箋が入っているのを発見した。
そこには俺への感謝と、A君への謝罪が一言ずつ書かれていた。
 このことはA君にだけこっそり伝えた。
それを聞いたA君は、なんというか、言い表せないような表情をしていた。
すごく嬉しそうだった。
 Bさんが助かって本当に良かったと思う。
あと、今後、A君が悲しい思いをしないように心から祈る。













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しづめばこ 12月25日 P466

2016-12-25 19:30:08 | C,しづめばこ



 しづめばこ 12月25日 P466  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



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日々の恐怖 12月24日 跳ね返り(6)

2016-12-24 19:07:35 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月24日 跳ね返り(6)




 再びみんなが仕事に就き、静かになった頃、俺はBさんの存在を思い出した。

“ おそらくトイレか喫煙コーナーだろうな・・・・。”

と見当をつけていたが、そこで俺ははっとした。
 まさかと思い、俺は慌てて部屋を飛び出し、Bさんを探した。
部屋を出てすぐにある喫煙コーナーにはいなかったので、トイレに向かった。
 男性用のトイレの扉を、押し開けようとしたが動かない。
足下を見ると人が倒れている。
Bさんだった。
 それからは大変だった。
生まれて初めてAEDを使うわ、救急車は呼ぶわ、と大騒ぎになった。
 脳溢血でトイレで倒れ、時間にして3、4分。
ここ最近の喫煙量や先程急に怒ったことが原因ではないかという話だった。
病院には上司が付き添い、俺は仕事場のケア、もといA君のケアのために残った。
 部屋に戻った時には既に知れ渡っていて、騒然としていた。
その時点ではBさんの容態については何とも言えなかったが、ざっと現状を説明し、とりあえず場は収まった。
 問題はA君だが、どう説明したってA君はショックを受ける。
俺が見つけた時、Bさんは呼吸が止まっていた。
 これは、激昂したBさんがA君に、

「 お前が息をしているだけで腹が立つ。」

と言ったからだ。
 偶然かもしれないし、Bさんの不健康体からしたらおかしいことではない。
でも、事実がどうあれ、A君はそう思うだろう。
 俺がどう言おうか悩んでいると、それでもう察したらしいA君が、

「 すみません。」

と小さな声で謝った。

「 A君のせいじゃない、しっかりしろ!」

と、先輩らしく言ったものの、内心困惑しまくりだった。











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しづめばこ 12月23日 P465

2016-12-23 18:45:13 | C,しづめばこ



 しづめばこ 12月23日 P465  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



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日々の恐怖 12月22日 跳ね返り(5)

2016-12-22 22:50:43 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月22日 跳ね返り(5)




 その日もその日で、やはりBさんはA君に絡んでいた。
もうそれしかやる事がないというように、A君の一足一投に反応する。
 俺は前日に聞いた話もあり、いつも以上に気を遣って2人の距離を保とうとした。
仕方ない事なんだが、みんなA君の肩を持ち、Bさんを冷たい目で見るようになっていた。
 今までは周りから若干スルーされても、逆に嘲笑っていたBさんだが、さすがに同僚達の視線にピリピリしている。
そこで俺が間に入って仲裁しようとしたとき、Bさんのがキレた。
 Bさんは、

「 何なんだよ、お前ら!
そうやってそいつの肩持つのかよ!
こいつがうちに来てからろくな事がない!
お前うぜえ、邪魔なんだよ!
お前が息してるだけで、こっちはストレスなんだけど?!
わかる?
自分がどんだけ迷惑かけてるか?!」

と、顔を真っ赤にしてまくし立てた。
 周囲はその勢いに圧倒されて、口を噤んだ。
A君も俺も呆然としてしまった。
言うだけ言ったBさんは荒い鼻息のまま、どすどすと部屋を出て行った。
 しばらくの沈黙の後、誰かが、

「 何あれ、意味わかんない。」

と言ったのを皮切りに、

「 Bさん、ないわ~。」

みたいな悪口と、A君への慰めが始まった。
A君はまだ唖然としていた。
 数分が経ち、騒ぎも収まると、各々仕事に戻っていった。
A君が、

「 僕は平気です。」

とみんなに言いながらも、不安げなA君を俺は気にしていた。
そして、そのときBさんのことを忘れていた。













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日々の恐怖 12月13日 跳ね返り(4)

2016-12-13 17:22:57 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月13日 跳ね返り(4)




 しかし、その子は根は真面目だったので、A君が、

「 あれ~?
数学の教科書とノートがないな~?」

と言っているのを見て、すぐに白状して泣いて謝った。
 A君はどちらも買うか写させてもらえば済むし、気持ちも分かるからと許した。
しかし、その日、教科書とノートを燃やした子の家が火事で全焼した。
原因はストーブの消し忘れだった。
幸いにも死人は出なかったが、A君は自分の影響力をそのとき認識したそうだ。
 これはA君の意思とは関係なく発動するもので、相手がA君の好きな人や家族でも同じことが起こるらしい。
神社にお参りにも行ったが、効果はないし、原因自体分からないとも言った。
 だからA君は勉強も頑張り、自分なりに気を遣い、人に嫌われないように、不快感を与えないように努めてきたが、Bさんのようにどうしても合わないような人と出会うことがある。
 このことはまだ親にも言ったことがなく、話したのは俺が初めてなのだそうだ。

“ マジか~!”

と思いつつも、Bさんのことは俺が何とかすると約束し、

「 特殊能力なんて、漫画みたいでカッコいいじゃん!
すげえ!飲め!」

とべそをかくA君を無理矢理盛り上げて、なんとか笑顔で帰すことが出来た。
 不思議だなと思いつつも、人知を超えた力のようなものもあるかも知れないとも思った。
当面、A君もすごく気にしているし、Bさんもこのままではよろしくない。
 俺は、

“ 取り敢えず、どうにか引き離さないと・・・・。”

と考えながら、次の日出勤した。









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日々の恐怖 12月12日 跳ね返り(3)

2016-12-12 18:25:19 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月12日 跳ね返り(3)




 Bさんは仕事は量も質も激しく落ち、煙草の量が増えたのか血色も悪く、痩せて来た。
今までBさんは誰のことも見下していたが、仕事だけはきちんとこなしていたし、こんなに疲弊しきったこともなかったので不思議だった。
 そんな折り、A君と飲みに行くことになった。
仕事後に付き合ってくれないかと、A君に誘われたのだ。
 A君と2人で飲むのは初めてではなかったが、あまり明るい雰囲気ではなかったので、愚痴や相談があるのだろうと思った俺は、いつもよりちょっと良い飲み屋に連れて行った。
 個室の座敷でぼちぼち食べて飲んでいると、A君が言いにくそうに切り出した。
思った通り、Bさんのことだった。
でも、A君が語り始めたものは、俺が思ていた内容とは少し違っていた。
 A君は、

「 俺、ちょっと特異体質というか、俺を嫌った人とか嫌がらせをしてくる人を不幸にしてしまうんです。」

と言った。
 一瞬で、

“ 嘘だろ、まさかの電波・・・?”

と思った俺だが、そうではないらしく、A君は自身のことを話してくれた。
 彼が言うには、これまでにA君を苛めたり、A君に害を与えた人は軒並み不幸になっているらしい。
例えば、A君を仲間外れにしようとして自分が孤立したり、A君の足を引っ掛けて転ばせようとした子が骨折したりとかだった。
 俺が、

「 その程度なら偶然の一致だよ、気にすんな。」

と慰めると、A君は、

「 自分も最初はそう思っていたが、それで片付くレベルじゃない。」

と言った。
 なんでも、その人がA君に、

“ した、言った、しようと思った。”

ことが、そのまま本人に返るのだそうだ。
 いくつか例を聞いたが、一番酷いのが、中学時代の話だった。
中学生の時、A君にはとても頭の良い同級生がいたが、その子は数学の成績でA君を抜けないことをずっと悩んでいた。
そしてある日、A君の数学のノートと教科書を机から盗み、それを燃やしてしまった。












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日々の恐怖 12月11日 跳ね返り(2)

2016-12-11 17:13:29 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月11日 跳ね返り(2)




 A君は俺が教えた通りにやっている。

「 今は草書の段階だ。」

とフォローし、

「 Bさんは心配なさらず。」

となんとか離れてもらった。

“ A君をいびりたくて、俺がいなくなるのを狙ってたんだろうな。”

と思うと少しげんなりした。
 プライドが高いBさんは、有能で人好きのする、しかもイケメンのA君を妬んいたのだろう。
もともと予想していたことだし、だからこそお互いに近付けないようにしていたんだけど。
 A君に、

「 大丈夫か?」

と尋ねると、

「 はい、僕は・・・・。」

と困ったように笑った。
 それから気になることが起こり始めた。
A君は全く問題なく仕事を覚え、すっかり重要な戦力となりつつあった。
 ところが、どういうことか、それとは反対に、Bさんの作業能率が落ちていった。
Bさんのまとめた書類はキレイで見やすいと評判だったのに、改行がおかしい、敬語の間違いなど、急に読み辛いものになった。
また、あえて難解な言葉を使いたがるBさんが言葉を思い出せないということが増えた。
その時は訝しく思ったけど、人間誰しも不調はあるだろうとそんなに気にしていなかった。
 しかし、Bさんの不調は一向に治らなかった。
その頃から、ストレスもあってか、Bさんの性格の悪いところが拡大され、一層僻みっぽくなっていった。
 特にA君に対する嫌味が酷い。
1人前に仕事をこなすようになったA君の、それこそ重箱の隅をつつくような指摘をしたり、果ては仕事とは関係のないことまで言い出す始末だった。
女性社員を誘惑してるんじゃないか、とか、八方美人って実際は嫌われるわんだ、とか、最早ただの言い掛かりでしかないものだった。
 ここまで来ると、周りも注意していたが、Bさんの態度は硬化するばかり。
また、A君への執着はますます増していった。
みんなのBさんへの不満も高まっていったが、俺が一番気になったのは、それと比例するかのように、Bさんが何もかも上手くいかなくなっていることだった。











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しづめばこ 12月10日 P464

2016-12-10 18:06:28 | C,しづめばこ



 しづめばこ 12月10日 P464  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



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日々の恐怖 12月9日 跳ね返り(1)

2016-12-09 19:44:12 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月9日 跳ね返り(1)




 会社の後輩A君の話です。
その後輩、A君は去年うちの部署に配属されてきました。
年は20代後半、イケメンで人当たりもいい、いかにも好青年という感じだった。
 それまでいたところとは畑違いな部署に来たこともあり、最初は手違いもあったけど、努力家だし一度教えればそれで覚えてくれるので、教育係だった俺はとてもありがたかった。
 俺を含め、大半は彼を認めていたし、評価していたと思う。
気さくだけど礼儀正しく、ユーモアもある彼は職場にもすぐ馴染んだ。
 しかし、彼を良く思わなかった人がひとりだけいた。
その人を仮にBさんとする。
Bさんは30代半ばの男性で、仕事は結構出来るんだけど、人格に難ありというか、よく人を貶めた物言いをする人だった。
短所は言うまでもなく責め、長所まで言い方を変えて貶したりしていた。痛烈に批判したり、泣くまで追い詰めたりすることはない。
 ちょっと嫌な気分になる程度のものだったので大きな問題になったことはない。
みんな出来るだけBさんには関わらないようにする、聞き流すという対応をしていた。
 新しく加わったA君に仕事を教えたりするのは俺の役目だったので、俺が意識的にそうしていたこともあり、A君とBさんの接点は初めはあまりなかった。
 今思うと、おそらくその頃からBさんはA君を良く思っていなかったのだろう。
ある日、A君が資料を作成していたら、そこにBさんがやってきて、A君の仕事ぶりを観察し、そこに文句を付け始めた。
 Bさんが、

「 その文おかしくない?
まあそれでA君がいいと思うんならいいけど。
あと、この形式じゃ見にくいと思うな。
プリントして配って誰が見るか、まで考えてるの?
あと、語彙が少ないよね~。」

という感じで嫌味を言っているのを、トイレから戻ってきた俺が止めた。











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