大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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しづめばこ 9月30日 P506

2017-09-30 19:01:43 | C,しづめばこ



 しづめばこ 9月30日 P506  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 9月26日 病院旧館の夜(2)

2017-09-26 19:22:14 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 9月26日 病院旧館の夜(2)





 早足から小走りに変えて進んだが、足音はまた現れた。
それどころか近くなっている。
数m進み、恐怖のあまり止まってしまった。
 振り返るか振り返らないか、究極の選択だ。

“ そうだ、患者かもしれないじゃないか・・・・。”

と無理矢理自分を納得させて、恐る恐る振り返るも誰もいない。
 パニックになり、とにかく明かりを求めて新館へと走り出そうとした瞬間、白衣が引っ張られたのを感じた。
正確には、掴まれている状態で走り出そうとしたせいでそう感じたのだろう。
たっぷり10秒は悩んだように感じたが、実際はもっと短かったかもしれない。
 先程以上に恐る恐る振り向くと、反対側の視界の隅に違和感を覚える。
それで逆の方向から振り向くと、130~140cm位の凄く小柄なお婆さんがちょこんと立っていた。

“ やっぱり患者さんだったんだ!”

と安心して、部屋に戻って寝るように言い新館に向かったが、よくよく考えてみると、180cm弱の自分が、前後に誰もいないことを確認して早歩きで歩き出しているのに、そんなに小柄なお婆さんはどこから現れて、自分のすぐ後ろに追いついたのかが疑問に思えてきた。
 患者はすべてスリッパを着用しており、歩くと足音がかなり大きく聞こえる。
まして、深夜で他の音がなければ、足音は確実に耳に入る。
そして部屋から出てきたにしても、木製の引き戸は音がする。
あの状況でそれに気付かなかったはずはない。
 その日はもう一度本館を通って事務棟へ戻る気になれなかったので、新館で夜を明かしたけど、自分の中ではこれからも当直に来なきゃいけない病院だったので、無理矢理患者だったと思い込むことにした。











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日々の恐怖 9月23日 病院旧館の夜(1)

2017-09-23 19:12:05 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 9月23日 病院旧館の夜(1)




 某県で医者をやってるけど、若手の頃に行かされてたとある精神病院の当直が非常に怖かった。
病院の構造をまず説明させてもらうと、全体にL字型の本館、Lの長辺の先端に新館が増設されている状態である。
 当直室は、Lの角から外側に向かって事務区画となっておりその2階にあった。
本館・事務棟はおんぼろで、夜間は両建物共に照明が完全に落ちているので(ナースステーションという名の一部屋のみ除く)、夜間に呼び出された時はとても怖かった。
 ある日のこと、新館の患者のことで深夜2時に呼び出された。
新館に行くためには上述のごとく真っ暗な本館を通らなければならない。
 暗闇も怖いが、医者になりたての自分は正直精神病患者も怖かった。
実際は、意外に思われるかもしれないが、隔離室に入るような患者でなければ別に暴れたりということもない。
でも、ドアの鍵を開ける際はいつも傍に患者がいないか気を付けていた。
 この日もこんな時間だし皆寝ているだろうと思いつつ、しっかりと建物のL字短辺・長辺に誰もいないことを確認してから、事務棟から本館へ入る。
新館への道すがら病室の扉が並んでいるが、昔ながらの学校の木製の引き戸を想像してもらえば話が早い。
 怖いのでかなり早足で歩くが、明るい新館までは遠い。
そして、歩くうちに自分以外の足音が混ざっているのに気付いた。
自分が止まると一歩遅れてその足音も止まる。
 後にも先にも全身が総毛立ったのはあの時だけだ。
にもかかわらず、頭のなかではやけに冷静に、

“ リアルひぐらしの鳴く頃にだ・・・・。”

などとの思いが浮かぶ。












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しづめばこ 9月22日 P505

2017-09-22 17:03:29 | C,しづめばこ



 しづめばこ 9月22日 P505  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 9月17日 防犯カメラ(6)

2017-09-17 18:30:46 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 9月17日 防犯カメラ(6)





 そうして先輩が警備室を出てマンションの玄関を出ようとした時に、入り口を向いている防犯カメラが眼に入ります。

“ 今自分が出て行こうとしているのを、あの二人は警備室で見ているのだろうか・・?”

と一瞬考え、思わずカメラのレンズを見つめていました。

“ ・・・・!?”

その時先輩は見たそうです。

“ レンズに反射して映った自分の後ろに、あの血塗れの女性がいる・・・。”

 先輩は驚きながらも、カメラを通して見ているかもしれない警備員が、この様子を見て不安になってはいけない、と冷静に判断して、そのままカメラを見ずに大急ぎで帰ったそうです。
そして同僚のもとに帰った後に、この出来事を話したというわけです。

「 で、それを更に同僚から俺が聞いたわけ。
“警官にはそういう出来事にも遭遇する事があるから覚悟はしておけ”的な意味合いで。」
「 なるほど。」
「 でもな高い所にある防犯カメラのレンズって良く見えたよな、って俺ツッコんだわけ。」
「 ふむ。」
「 そしたら、同僚が“同じ事先輩に言ったんだけどさ、先輩はこう言ったよ。”て続けたのよ。」
「 うん。」
「 “むしろ高い所にあるからハッキリ見えなくて済んだよ、女性の顔がね。”って。」
「 なにそれ、怖いじゃね~か、ばかやろう。」
「 お前が聞きたいって言ったんじゃね~か。
“多分顔がハッキリ見えていたら、正気じゃなくなったかもしれない”って帰ってきて思ったんだって。」

以上が警官である友人から聞いた話です。















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日々の恐怖 9月15日 防犯カメラ(5)

2017-09-15 19:29:08 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 9月15日 防犯カメラ(5)




 数分経った頃、

「 どうしましょうか・・・?」

と警備員が聞いてきました。

「 とりあえず今日は、もう何かあったらまた通報する事にして、警備室からなるべく出ないようにしてください。
カメラにまたあの女性が映っても無視するようにお願いします。」

 警察としてもそれ以上何も出来ません。
あの女性が何かの事件の加害者か被害者だったにしても、居ない者を捕まえる、あるいは保護する事はできません。
 警備員は弱々しく、

「 分かりました。」

とだけ答えると、

「 ただ一人になるのは嫌なので、誰かに来てもらって朝まで一緒にいてもらいたいと思います。
それまでここに居てもらえませんか?」

と電話の受話器を取りながら聞いてきました。
断る理由もなくまた、警備員の気持ちも理解出来たので先輩は了承しました。
 警備員が電話しておよそ30分程で別の警備員が到着しました。
ある程度の経緯を先輩が話して、カメラの映像を見せると、

「 心霊とか信じない方なんですが、これは異常だということは分かります。
朝まで一緒にいますよ。」

と理解してくれたようでした。

「 では自分はこれで。
何も出来なくて申し訳ない。」

先輩が頭を下げると、二人の警備員が同じように頭を下げました。

「 いえいえ、こちらこそ。」
「 来ていただいてありがとうございました。」












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しづめばこ 9月13日 P504

2017-09-13 19:54:50 | C,しづめばこ



 しづめばこ 9月13日 P504  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 9月11日 防犯カメラ(4)

2017-09-11 20:14:58 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 9月11日 防犯カメラ(4)





 その提案を了解すると、先輩が非常階段に向かいます。
非常灯のぼんやりした明かり中を昇って行きます。
 3階の非常ドアを空ける前に、そっと耳を傾けて様子を伺います。
まあ、鉄製の少し分厚い扉だったので、あんまり意味は無いなと思ったそうですが、それでも様子を伺って、女性が逃げ出した雰囲気も無かったので勢い良くドアを開けたそうです。
 即座にライトを照らしてカメラの場所を見ましたが、誰もいません。
エレベータが動いた気配も、階段を駆けていく足音もありません。

“ 逃げられたかな・・・。”

しばらくその場所を調べましたが、人の気配がないので警備室に戻ることにしました。
 非常階段ではなく普通の階段の方で警備室に戻ると、警備員が顔を真っ青をしています。

「 どうしました?
逃げた場所は分かりましたか?」
「 警官さん、見えなかったんですか?」
「 え?」
「 警官さんがカメラの場所を照らした時に、女性が顔を上げて警官さんを見てたんですよ!」

先輩が声にならない声を喉で出すと、警備員がカメラの映像を巻き戻して見せてくれました。
 非常ドアを開けて先輩がライトを照らします。
ライトがカメラに映っている女性を照らすと、女性が顔を上げる様子が見てとれました。
 カメラには背を向けている位置なので顔は分かりませんが、はっきりと先輩を視界に捕らえていることだけは分かります。
そのまま立ち上がるとゆっくりと歩き出し、先輩に近づくかと思われましたが、そのまま向きを変えて階段を降りていきました。
 そして警備室に戻るため、女性が降りていった後を追うように先輩が階段を降りていくところで、警備員が映像を止めました。

「 見えなかったんですか?」
「 いなかった、ですよ・・・。」

お互いに小声で呟くように言うと、しばらく黙りこんでしまいました。













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日々の恐怖 9月3日 防犯カメラ(3)

2017-09-03 20:47:51 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 9月3日 防犯カメラ(3)




 そこまで聞いて先輩が、

「 分かりました。
一応そちらに向かいます。」

と伝えました。
警備員が、

「 ありがとうございます。
今電話しながらカメラを見たんですが、やっぱりいます。」

と若干震える声で言ってきたので、

「 とりあえず自分が向かうまで警備室に待機しててください。
なんらかの事件の可能性がありますので。」

そう言って同僚(友人の同僚)に、

「 ちょっと行ってくる。」

と簡単に通報の内容を告げて、マンションに向かったそうです。
 マンションに着いて、警備室に向かうと警備員が安堵した様子で話しかけてきました。

「 待機している間ずっとカメラを見ていましたが、女性は微動だにしていません。」

そう言ってカメラの前まで先輩を案内すると、女性の映っているカメラを指で指し示します。

「 確かに血塗れみたいですね・・・。」

「 でしょう?
いや、良かった。
実は自分にだけしか見えてなかったらどうしようかと・・・・・。」

少し余裕が出てきたのか警備員が笑って言います。

「 それでどうしましょうか?」
「 そうですね、私が一回見に行きましょう。
それで警備員さんはカメラを見ていてください。
もし逃げれらても、どっちに逃げたのかそれで分かりますから。」

 先輩がそう言うと、警備員が非常階段の方から3階に向かったほうが良いと言いました。
これならエレベータを使って逃げるのなら何階で降りたか分かるし、階段で下に逃げたのなら、カメラを見ている警備員が警備室から出てすぐに捕まえに行ける、上に逃げたのならそのまま追いかけれるから効率が良い、とのことでした。











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しづめばこ 9月1日 P503

2017-09-01 19:11:54 | C,しづめばこ



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