大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 10月30日 壁(2)

2020-10-30 11:26:13 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月30日 壁(2)




 翌月くらいかな、またそいつに会った。
今度は地下通路で壁と話してた。
 それから頻繁にそいつを見るようになって、とうとう自分家の近所にまで現れた。

“ やばい、狙われてる・・・・?”

と膝ガクガクだった。
 たまたま友人と歩いてたときに、そいつがいたから、

「 またいるよ、あいつ。」

と言ったところ、友人が、

「 誰・・・?」

と言った。

「 そこで壁と話してるやつだよ。」

と言っても、

「 誰もいないじゃないか。」

と言われた。
 そこで初めて、

“ あいつ、この世のモノじゃねえぞ・・・・!”

と気づいた。

“ そういえば会社のエレベーターで見たときも、残業で夜中の1時過ぎてたしなァ・・・。”

と、なんだか納得した。
 逆に、

“ 幽霊なら刺されることもないだろう。”

と、妙に安心した。







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日々の恐怖 10月28日 壁(1)

2020-10-28 16:52:30 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 10月28日 壁(1)



 この前、会社のエレベーター乗ろうとしたら、男がいた、後ろ向きで。
エレベーターに人がいても驚かないけど、後ろ向きで乗ってる人ははじめて見たからちょっと驚いた。
 一瞬戸惑って乗ろうか迷ったんだけど、

“ 掲示物見てるとかだったら、失礼だし・・・。”

みたいなつまらない気をつかって乗った。
 なんかブツブツ言ってるから、

“ 背中向けたくねえ・・。”

と思って壁を背にして横にポジションキープした。
 となりちらっと見たら、直立姿勢のまま壁まで10cmくらいまで顔近づけてて憤怒の形相だった。
鬼のような顔ってのは、あのことだ。

“ 南無三!”

と唱えて早く一階に着くことを祈った。
 8階だから下まで結構時間がかかる。

「 だーかーらー、貴様が言うか!ボケェ!」
「 お、お、お俺のせいか!?あ!?」

ブツブツっていうか、もう怒鳴ってる。

“ まだ6階かよ・・・・。”

と一階一階嫌な汗かきながら数えていた。 
 それで、ようやく1階についてそそくさと逃げたんだが、離れてからエレベーター見ると男は降りては来ない様子だった。







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日々の恐怖 10月26日 私の話(11)

2020-10-26 15:53:23 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月26日 私の話(11)




 当時は民主党政権で公共工事を減らすとかで、土建屋も不景気だった。

「 まあ、仕事が減ったのは確かだけど、それだけじゃないんだけよね・・・。」

と色々俺に話してくれた。
詳細は書かないが、仕事以外にも色々な案件が重なった事が原因らしい。
 そんな話をしていると、今俺がいる部屋の窓から、

” コンコン・・・。”

と、窓をノックする様な音が聞こえた。
 2~3回聞こえたので、虫か何か窓にぶつかっているのかなと最初は思っていたのだが、よく考えると夜なので窓はサッシをしてあるから、窓に虫がぶつかるわけがない。

” う~ん・・・、いったいこの音は何だろう・・・?”

と考えながら電話をしていると、社長の自殺の話になると音がするのに気がついた。

” あ~、これ、社長がこっちに来てるなぁ・・・。”

と考えた俺は事務長に、

「 もう社長の話は、やめた方がいいです。」
「 何故・・・?」
「 おそらく、社長がうちに来てる・・・。」

口調が変わった事に気付いた事務長は、

「 わかった、じゃあ、お休み・・・。」

と言って電話を切った。
すると、窓からのノック音は聞こえなくなった。
次の日、朝のお勤めで社長の冥福を祈った。








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日々の恐怖 10月24日 私の話(10)

2020-10-24 18:39:21 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月24日 私の話(10)




 土建屋の事務長との話です。
別の寺から法事を頼まれて行った時、たまたまその法事に参列していた土建屋の社長と仲良くなった。
きっかけは、土建屋の仏教に関する質問に俺の回答が気に入ってもらえたらしい。
 その後何度か土建屋の近くに寄る事があり、社長にあいさつしていこうと立ち寄っても、忙しいのか社長は留守が多かった。
そこで代わりにこの会社ナンバー2である事務長が対応するのだが、何故か気に入ってもらえた。
 この様な事が何回か重なるうちに、社長よりも事務長と話す機会が多くなり、

「 何かあったらよろしく。」

と事務長とも連絡先を交換した。
 ある日の夜、事務長から連絡があり、会社の経営についての相談(実際は会社への愚痴)を受けていた、というか聞かされていた。
 ある程度の常識的な範囲でのアドバイス(俺は土建屋じゃないから)をした後、事務長が不意に、

「 そう言えば話変わるけど・・・。」

と切り出してきた。

「 何でしょうか?」
「 ○○土建の社長って知ってるよね?」
「 この前お伺いした時にいらっしゃった方ですよね。
確か一人親方で、この前の工事を手伝ったお金を受け取りに来ていた・・・。」
「 あの人自殺したよ。」
「 えっ!そうなんですか、それは知りませんでした。」








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日々の恐怖 10月21日 私の話(9)

2020-10-21 10:04:28 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 10月21日 私の話(9)




 朝、副住職が、

「 もうすぐ朝のお勤めがあるから。」

と起こしに来た。
起こされた俺は部屋を見回すと、電気は消えていて、部屋の隅にテレビがあるという寝る前の光景そのままだった。
 昨日の事を思い出し、副住職に話をすると、

「 俺も前にこの部屋に泊ったことがあるけど、そんなことなかったぞ。」

と普通に返された。

” あれ、ひょっとして昨日のは夢?
でも体に昨日の感覚が残っているし・・・。”

と思っていると、僧侶が、

「 そういえば、昨日の真夜中何を騒いでいたの?」

と聞いてきた。
俺は何のことかわからず、

「 昨日の夜中は、部屋で静かにしていたけど。」

と答えると、

「 夜中三時ごろだと思うんだけど、廊下を走るものすごい足音が聞こえたから、何の音か部屋から出たら、ちょうどお前の部屋に若い人が入って行く姿を見たんだよ。」

と言われ、

「 何言ってんだよ?
そんな夜中に足音立てて人が走るわけないだろ。
寝ている住職が起きたらどうするんだよ。」
「 でも、確かに見たんだよ。
お前の寝ている部屋の入口を開けて入って行く、白い衣(法要で使う衣)に袈裟を着た若い人を・・・。」
「 お前なぁ、若い人って今ここにいる二人以外にはいないはずだぞ。」

俺はこの部屋が使われない理由がわかった気がした。








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日々の恐怖 10月18日 私の話(8)

2020-10-18 14:05:06 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月18日 私の話(8)




 問題は、この夜のことだった。
寺だから空いている部屋はいっぱいある。
その中で八畳ほどの部屋を用意してくれた。
といっても布団と隅にテレビがあるくらいで、ほとんど何もなかった。
 元々外部の人が寺に泊まるための部屋とのことだった。
現在は誰も使わないらしい。
 風呂に入って部屋に戻り、電気を消して寝たのだが何故か急に眼が覚めた。
目が覚めると自分がうつぶせに寝ていて、しかも部屋の電気がついていた。

” あれ、電気は消したはずなのに・・・?”

と思って、うつ伏せから起き上がろうとした瞬間、体が動かなくなった。
 最初は、

” 金縛りか?”

と思ったけれど、手は動かすことが出来たので、金縛りではないことはすぐ分かった。
それに、金縛りが来る時は感覚的にわかるので、直ぐ外すこともできる。

” あっ、これ違う・・・!?”

と思った時、耳元でものすごい風の音がした。
 それは風と言うよりも暴風といったゴーという音で、金縛りにあったというよりも、暴風に体を抑えられて身動きが取れない状態に近かった。
 手で踏ん張って上体を起こそうとしても、全く体が上がらない。
耳元で暴風の音がして、体にもかなり強い風を受けているという感覚があった。
 結局は、

” これは無理だ。”

と、あきらめてそのまま寝た。
というか、いつの間にか寝ていた。








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日々の恐怖 10月15日 私の話(7)

2020-10-15 18:32:47 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月15日 私の話(7)




 お寺に泊まった時の出来事です。
ある大きなお寺から、法要と片付けの仕事の依頼を受けた。
 法要も無事に終わり、夕方頃には片付けも終わってそろそろ帰ろうかと思った時に、このお寺の副住職から、

「 少し話をしないか。」

と言う事で寺に残る事になった。
 本来ならここで怪奇現象についての相談かと思うけれども、実際は自分達の教義について意見を聞きたいという事だった。
 実はこのお寺は俺と同じ宗派だけれども少し教義が違う。
元々別宗派だったけれども一緒になったという事もあり、外から見れば教えの内容はほとんど変わらないけれども、厳密に言えば違う所も多かった。
 こういう話になるとお互い譲らないので(この辺は色々な事情がある)、時間がたつのも忘れて言い合っている間に深夜なった。
帰りの電車は当然ないし、日帰りの予定だったのでホテルも予約していない。
向うも、

「 こんな時間になったのは自分のせいだから。」

と言って、寺に泊めてもらえる事になった。







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日々の恐怖 10月13日 私の話(6)

2020-10-13 18:41:29 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月13日 私の話(6)




 その後、法要準備ができるまで、

「 なんでそんな事につきあう必要があるのか・・・・?」
「 そんなんで良くなるなら医者なんていらないだろう。」

と副住職と一緒に言っていたが、どんなことでも仕事は仕事なので準備を終えて祈祷を行った。
 で、お経を唱えていくうちに、御宝前に薄い靄の様な膜がかかっている事に気付いた。

“ あれは何だろう?
線香の煙にしては広がりすぎるし、臭いもしてこない・・・・・?”

と思っていたが、靄の中に僅かだけれども、半透明の着物を着た古い時代の女性が見えた。

“ うっそ~、さっきの話は本当なのかよ!”

と思いつつお経を唱えて祈祷を行うと、靄が晴れていつもの御宝前に戻った。
 祈祷を終え、控室に下がってくるや副住職と一緒に、

「 見たか御宝前?」
「 おお見た!」
「 あれは何だったんだ?」

と言い合っていると、住職がまたやってきて、

「 犬は息を吹き返したそうだ。」

と言ってきた。
 住職に、御宝前の女性を見たのか尋ねると、

「 そりゃ当然見えたさ。
大体本当に霊がとりついていないのなら、わざわざ祈祷なんてするわけないだろ。」

と、真面目な顔で返された。








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日々の恐怖 10月9日 私の話(5)

2020-10-09 19:42:48 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月9日 私の話(5)




 たまたまにだけれども、他の寺院から助っ人を頼まれたことがある。
たいていは大きな法要の準備や出仕なのだけれども、その時はいつもとは違っていた。
 法要を終えてそこの副住職と一息ついていると、住職がやってきて、

「 急にすまないが、祈祷を行うから出てくれないか?」

と頼まれた。
 別に断る理由もないので引き受けて、副住職と一緒に法要の準備をしているのだが、一向に祈祷を受ける人が来ない。
 住職に聞いたら、実はこの祈祷を受ける人は檀信徒で、しかも自称霊感持ち。
祈祷内容は、

「 犬に霊が取りつき命を奪おうとしている。
今すぐお経をあげてくれないか?」

とのことだった。
 いわゆる遠隔祈祷(という言葉があるか知らないけれども)だった。
この時、私が一番最初に思ったのは、

” アホくせぇ・・・・・。”

の一言。
 一緒に聞いた副住職も、

” まいったな、こりゃ・・・・。”

みたいな顔をしていた。








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日々の恐怖 10月7日 私の話(4)

2020-10-07 13:53:22 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月7日 私の話(4)




 そこで私が夕方、お堂でお経の練習をしていた時、何か自分の木魚以外の音がするというか、木魚の、

” ポクポク・・・。”

という音ではなく、

” ドンドン・・・。”

という音だった。

” おかしいなぁ・・・、もうお堂は閉めたから誰もいないはず・・・・?”

と思って、音のする方を調べてみると、どうやら地下の位牌堂から音が聞こえた。

” あれ、地下に檀信徒か誰かいるのか・・・?”

と思って、地下に行くと、青白い顔をして口から血を出した男が、寝そべって転がりながらゴロゴロ回転していた。
ドンドンと言う音は、その男が転がりながら壁にぶつかっている音だった。
 私は、

「 すぐ別の職員を呼びますから、転がらないでおとなしく待っていてください!」

と言うと、すぐに事務所に行き、別の職員に、

「 青白い男が口から血を流して苦しそうに転がっている、救急車を呼んで・・・・。」

というと、何もなかったかのように、

「 ああ大丈夫、すぐに消えるから。」

と当たり前のように返事をした。
 この時私は初めて、

” ひょっとすると、あれって幽霊・・・・?”

と考えた。
 確かにこの時間は、檀信徒どころか部外者もいないはず。
なぜなら、私が位牌堂を見回りして、お堂を戸締りしたからだ。
 でも、青白い顔をしている以外、普通の人が血を流している様にしか見えなかった。
そして、戻って見ると、男は完全に消え失せていた。





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日々の恐怖 10月4日 私の話(3)

2020-10-04 10:35:37 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月4日 私の話(3)




 そしてこのお堂、職員の中では有名な場所で、他にも、

・夜中に四方の壁からうめき声が聞こえる部屋(現在休憩室兼物置)

・夜中になると廊下から聞こえてくる足音(姿は見えないが何故か小さな女の子のイメージが浮かぶ。)←これは私も経験しました。

・お堂内部や周辺に現われるお坊さんの幽霊(これは私を含めて経験者多数。この幽霊は渾名までついていた。)

があります。
それ以外にも境内には幽霊が出るところはありました。

 次は、このお寺の別のお堂の話です。
このお寺にはもう一つ別の大きなお堂があり、そこは法要でよく使っていた。
そして、そのお堂の地下には位牌堂がある。
 地下の位牌堂は通常の檀信徒の位牌以外にも、お墓の無い人や、理由があってお墓に収められない遺骨(お墓がまだできていない・死んで無縁仏になった等)を、一時的に預かるところでもあった。
でも、そこもかなりの場所だった。







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日々の恐怖 10月2日 私の話(2)

2020-10-02 11:24:04 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月2日 私の話(2)




 棺桶のフタがずれている。

” おかしいなぁ・・・・、ネズミではフタは開けられないはず・・?”

と思いながらも蓋を戻そうとした時、とんでもない事に気づいた。
 中の遺体が無い。
職員は、

” ヤバい!”

と思って棺桶を祭壇から出してフタを開けたけれども、確かに中にあるはずの遺体がなかった。
 この時は、

” 遺体が消えた!”

と考えるよりも、

” 遺体が無い・・・。
どうしよう・・・・。
万が一、遺体が無くなったとなったら、俺の責任になるぞ!”

と考えたらしい。
 そこで、ダッシュで元いた場所に戻り、別の用事で泊っていた職員(この人もお坊さん)を叩き起こして一緒に様子を見に行った。
 すると、電気は消えていたが開けっ放しで出て行ったはずの棺桶のフタが閉められており、しかも元の位置に戻っていた。
 中を確認すると普通に遺体があった。

「 寝ぼけていたんだろ!」

と叩き起こされた職員にブツブツ言われたが、電気がついていているはずなのに消した記憶もなく、とても消す余裕なんてなかった。
というか、電気を消すはずがない、通夜なんだから。
 ちなみにこの時の職員と言う人は、私の先輩にあたる人です。
この人から直接聞きました。








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