大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 2月28日 ワイ君の話(7)

2020-02-28 19:35:06 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 2月28日 ワイ君の話(7)





で、電気のスイッチ付けても
モニターだけは復旧せんのや
死にたくなるほど怖かった、帰りたかった
数分したらモニターもついたから
このポンコツが思ったわ

明け方っていうか4時くらいに
ラスト巡回一発やって帰るか思った
でも巡回中ずーっとワイに追い風が吹くんや
どの方角に歩いててもや
で、外周歩いててやっぱり何らかの気配するんよ
せやさかい怒られるの覚悟でスタスタ歩いて
全クリしようとしたが同じ速度で背後に
何かついてきてんねん

振り向いて懐中電灯で照らすと
まあ、なんもない
気配やからね

でラストに工場の中を抜けて巡回も終わりで
工場の中入ると機械の電気は入ってないと
聞いていたがスイッチ入っとんねん









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日々の恐怖 2月26日 ワイ君の話(6)

2020-02-26 18:02:23 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 2月26日 ワイ君の話(6)





昨日みたいになったらアカン思って
ちゃんとモニターも見てたんや
古いからなのかモニターがやたらと
ちらついたりしてたんや
っていうか見てると段々画質が悪くなるんや
こうなるとモニター見てる方が不気味やから
腹決めて巡回出たんや

巡回するはいいけど雨やから
懐中電灯持ってても前がよう見えんくて
自分と明かりを向けてる先以外にもう
見えるもんがほとんどなかったんや

で、トラック置き場歩いてると
自分以外の何かがいる気配はするんや
そもそもワイみたいなやつに霊感なぞないし
でも音もしないからわからんし
明かり向けてもなんもなかってん

でも後ろに確実に何かはおるんよ
今考えれば不気味だっただけかもしらんが
で、巡回終えて守衛室戻ると電気もモニターも
全部消えてるんよ
電気つけっぱにして誰か居ますよって
アピールするせなあかんから消すわけないんや









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日々の恐怖 2月24日 ワイ君の話(5)

2020-02-24 19:15:28 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 2月24日 ワイ君の話(5)





くまなく探してるうちに朝になってて
ワイは時間切れで帰ってしまった
というか帰りたかったし侵入許したワイがアカン
思って始末書書かされる覚悟しとった

で、2日目の日曜は雨の中機械の搬入と動作試験を
昼間にやってたそうや
どうやら車両が多く入ったそうで普段やらん
交通誘導ちょこちょこやらされて後輩は
あまり巡回できんかったらしい
一応夕暮れ時に最低限はやったそうで
全部屋のチェックまではできんかったらしい

コントロール室も見た言うから
水道菅の裏のドア開けか?言うたら
不気味すぎて見て見ぬふりしたらしい
(気持ちは痛いほどわかる)

最後まで残ってた業者もワイが仕事就く頃には
撤収してまたワイだけになった








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日々の恐怖 2月22日 ワイ君の話(4)

2020-02-22 18:33:47 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 2月22日 ワイ君の話(4)




怖い夢みたいやしやめとこかな
所詮眠いアラサーの思い出話や
邪魔してすまんかったな

いややっぱりもうちょっと書こかな
誰もこれ見てはないと思うが
最後まで書いて寝ることにするわ

それでドアが閉まっただけやったら室内に
風が吹き込んだだけや思ったが明らかに
人影も見えててん

何かわからんもんよりさすがに巡回中に
近所の子供に侵入された、こらアカン思って
急いで上まで上がって外に出てん
でもイタズラやったらわざわざ機械室まで
誰も来ないし、場所がわからへん
さすがにまずい思って守衛室のモニター
(門やトラック置き場くらいしか見れんが)
を再生しに戻ったが門はカギかかってるし
誰も侵入した形跡あらへんかった
壁やフェンスに穴でも開いててそこから
子供が侵入してイタズラこいたか思ったが
穴もないし壁やフェンスの1番上には
有刺鉄線ついてるから入りようがない










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日々の恐怖 2月20日 ワイ君の話(3)

2020-02-20 09:54:33 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 2月20日 ワイ君の話(3)




ワイは適当に巡回かまして仮眠取って
朝までやりごせばいいやと思って
施設の外周を懐中電灯持って回って
借りたカギでカギ開けて全部屋確認した
でもコントロール室だけカギがかかってない
分電盤や水道バルブがあるから機械撤去の時に
カギあけて閉め忘れたんかなと思った

で、そこの1番奥の水道管に隠れるような位置に
錆びたドアがあってそのドアはカギがないんや
後輩の巡回表にはそのドアの事書いてないから
とりあえず開けたんや

中は打ちっぱなしコンクリートで下に吹き抜ける
形になっとった
業務用エレベーターでも作ろうとしたんやろか
下に部屋らしきものがあるし一応見とくか程度に
錆びた階段を降りて下まで降りたんや
下は今は使われてない物置やった
相当昔のカレンダーとかが置かれてて
何もないから上に戻ろうとしたらいきなり
上のドアが閉まったんや








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日々の恐怖 2月17日 ワイ君の話(2)

2020-02-17 19:44:44 | B,日々の恐怖



日々の恐怖 2月17日 ワイ君の話(2)



そんな訳でワイは寝坊したらあかん会社員は辞めた
次は寝坊してもええ警備員してたんやけどその頃の話や
いつも警備員を呼んでくれる工場が設備の一新で
取り替えがあって操業を土日完全ストップしたんや

で、土日の昼は工場の担当と工事屋が来て
設備を撤去して新品くっつけるんやけど
工場が停止してて夜間に働く人間おらんから
いつもは守衛のために警備員呼んでるけど
今回だけは8時~20時と20時~8時で
警備員1人ずつ置いて時折巡回せえ言うんよ

(大手警備会社のセンサーやカメラが
ついてない箇所や部屋も多かったからね)

さすがに土日のに仕事したいやつはおらんから
社員のワイが夜、後輩が昼間行くことになったんや

昼は巨大なベルトコンベアや室外機を
クレーンで吊り上げて撤去したらしい
後輩いわく何も起こらなくて楽勝だそう









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日々の恐怖 2月15日 ワイ君の話(1)

2020-02-15 19:12:38 | B,日々の恐怖


 日々の恐怖 2月15日 ワイ君の話(1)



 いつも寝坊気味のワイなんやけど、テストとかここぞって時は変な夢を見て早めに起きる。
それが、

“ 寝坊するんやけどベランダから飛び降りたら間に合うやん!”

て、ベランダから飛び降りて、

“ うわ!6階から飛び降りたら死ぬやんけ!”

って、落下してから気付く夢なんや。
 初めはびびってたが、何回も見てるうちに自分でも夢やとわかるようになってきた。

“ あー、ベランダからやな・・・。”

って感じでヒョイって。
 んで、その日も、

“ あー、明日会議やし、あの夢か・・・・。”

って、いつもどおり着替えてベランダに身を乗り出す。
そしたら、その日は手すりが冷たかった。
 今まで温度なんか感じた事なかったんや。
急に怖くなって、ワイは玄関から走って出社した。
勿論遅刻。
 あれ以来、あの夢は見てない。
ここが夢か現実か確かめるには、あそこから飛び降りるしかない。







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日々の恐怖 2月13日 駐車場(4)

2020-02-13 18:37:20 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 2月13日 駐車場(4)




 とはいえ、その話をするのも後出しみたいで笑われそうだったから、

「 お前飲み過ぎだよ。」

とか笑って誤魔化してたら、そのうち全員で見にいこうぜって話になった。
 変なヤツの悪戯かも知らないし危険かも知れないから、武器持って行くかとか、包丁しかねぇよとか、包丁はマズいだろとか、くだらないやりとりをして、野郎5人素手でその駐車場に向かった。
 それで、着いた矢先に買い出しに行ったヤツが、

「 あれ・・・・?
ここじゃ無い・・・。」

とか言い出した。

「 もっと古い駐車場で、もっとみすぼらしい場所だった。
奥に自販機があって、そこにマネキンが立っていたんだ。」

 結局、飲み過ぎだとか、酔ってねーよとか、作り話乙とか話しながら戻り、明け方辺りまで飲んで寝て昼過ぎ頃解散した。
 皆が帰った後、一人件の駐車場に向かったが、そこには何度も見たいつもの小綺麗な駐車場があるだけで自転車も砂利も無く、そもそもボロいとか以前に自販機自体どこにも無かった。
気になったので、その後何度も立ち寄ったが、以降は何ごともなく卒業し引っ越した。
 時が経って忘れかけていたが、つい先日その時の買い出しに行ったヤツと飲む機会があり、駐車場の話が出たので思い出した話です。








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しづめばこ 2月11日 P574

2020-02-11 12:51:28 | C,しづめばこ


 しづめばこ 2月11日 P574  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”



大峰正楓の小説書庫です。
大峰正楓小説書庫


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日々の恐怖 2月10日 駐車場(3)

2020-02-10 18:11:43 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 2月10日 駐車場(3)




 それから2ヶ月ちょっと経った後、自宅で友人達と飲んでいた時、買い出しに行った一人が戻って来てから変な事を言い始めた。

「 自販機の前にマネキンの様な物が立っている・・・。」

 それを聞いた直後は、同じアパートに美容師系の学生でもいるのか、ゴミ置場にマネキンの頭部が大量に置いてあった事が何度かあったので、その悪戯だろうなと思った。
( その地区は夜中にゴミ収集があるので0時までにゴミを出すのだが、たまに置いてあって結構ビビる。置き方的にも多分確信犯。)
 でも少し話を聞いていると、ゴミ置場近くの自販機では無く、悪戯するには少し遠い例の駐車場の自販機の事だった。
 そいつは、

「 コンビニに向かう途中、駐車場の自販機と向かい合う形で人形のような物が立っていて、コンビニから戻る時も変わらず立っていたから遠目に覗いたら、白くて太いマネキンの様な物で微動だにしなかった。」

と言った。

 その話を聞きながら奇妙だなと思った。
忘れていたわけでもないのに、この2ヶ月間同じ場所を何度も通っているのにも関わらず、なぜかあの日の出来事を全く気に止めてなかったし、記憶を辿ってみてもあの時の光景と一致する場所では無い筈だ。
加えてこの話は誰にもしていなかったので、買い出しに行ったヤツは知らない。









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日々の恐怖 2月7日 駐車場(2)

2020-02-07 13:05:50 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 2月7日 駐車場(2)




 そっちに目をやると、これまたボロっちい放置自転車があった。
前輪部分は自販機の雑草と一体化していて、ペダル辺りにもツタの様な雑草が絡み付いていて、溝でもあるのか微妙に前のめりになって後輪部分が浮いている。
暗かったんだけど、状況は自販の明かりのおかげでよく見えた。
 ここで、やっと音の正体がこの自転車の後輪が回ってるからだと気づいた。
特に風が吹いているわけでもないし、誰かが漕いでるわけでもない。
そもそも雑草が絡まってるから漕げる訳がない。
なのにずっと回り続けている。
 おかしいはずなのに、その時は回ってる不思議より音の正体を掴めた充実感が優っていたのと、温めて貰った弁当が冷める事の方が嫌だったので、

“ さっさと帰ろう。”

と思い駐車場を出ようとした時、微妙な違和感があった。

“ ここ砂利だったっけ?”

 その駐車場は、自宅のアパートとコンビニ行くルートの一つにある住宅路に面した、横に長いどっかのアパートの離れの駐車場だ。
 よく通る道の横にあったんで何度も目にしてるが、セメントで整備されてたはずなんだけど、その時は少量の砂利と土だけの駐車場だった。
まぁ、

“ よくある記憶違いかな・・・・。”

って思って、そのままその日は帰宅した。










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日々の恐怖 2月5日 駐車場(1)

2020-02-05 16:15:40 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 2月5日 駐車場(1)




 学生時代当時はMMOゲーム全盛期で、大体日付が変わってから夕飯を買いに行く生活をしていた。
ゲームの後、夜中にコンビニに飯を買いに行く途中、何処からかカラカラ、カラカラと言う音が聞こえた。   .
 なぜか妙に気になったので目をやると、駐車場だったので、

“ エンジン切った直後の車だろうな・・・・。”

と思ってそのままコンビニに向かった。
 コンビニで立ち読みして、弁当を買い来た道を帰って、先ほどの駐車場に差し掛かるとまだカラカラ音がしている。
俺は、

“ あれ・・・・・?”

って思った。
 その日は金曜日だったのと、前日コンビニに寄ってなかったから読む物が多かった。
立ち読みだけでも20~30分はかかっている。

“ 車ならとっくに音はならないはずじゃ・・?”

って思って、よく駐車場の方を見ると、車は数台止まってはいるけど、音の出所の方に車は無く、ボロい自動販売機があった。
 明かりは付いてるから動いてはいるんだろうけど、取り出し口付近まで雑草が生い茂っていて、

“ これまだ動いてんの・・?”

ってレベルの自販機だった。

“ こんなとこに自販機あったかな・・?”

とか思いながら近寄って、自販機まであと数メートルって所で、音はその自販機では無く、さらに右側辺りで鳴ってることに気がついた。







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日々の恐怖 2月3日 家の裏

2020-02-03 15:16:05 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 2月3日 家の裏




 友人の家の裏には、小さな祠がある。
なにを奉ったものなのか、家族の誰も知らない。
いつからあるのかもわからない。
ただ、毎日の世話の仕方だけが伝わっている。
 世話といっても簡単なもので、朝夕に掃除をし、握り飯と茶を供え、手を合わせる。
それだけのことだ。
てっきりなにかご利益があるのかと思ったが、友人曰くそういう話は伝わっていないらしい。     
ただ、毎日欠かさず世話をしろとだけ、昔から言われているのだ。 
 ずいぶん昔の話だが、友人は一度、世話を欠かしたことがある。
子供のころ、母に言われて世話にいったのだが、面倒なので掃除をせず、握り飯と茶を供えて手を合わせた。
 それも形だけで、すぐに家に戻ろうとした。
すると、祠がごとごとと揺れた。
 何事かと振り返ってみると、祠の中から女がこちらを睨み付けていた。
血走った目や、ぐしゃぐしゃに絡まりあった髪の毛が恐ろしかったという。
 泣きながら家に逃げ帰ると、母にしこたま怒られた。

「 ちゃんとお世話せんからよ!」

 結局、母と一緒に祠まで戻り、今度はきちんと掃除をして手を合わせた。
祠は何事もなかったように静かだった。

「 それって、結局なにが奉られてるんだ?」

私が聞くと、

「 さあ・・・・・・?」

友人は首をかしげた。
 世話さえしてれば、なんの問題もない。
ならば、いちいち確かめる必要もないだろう、というのが友人の主張だった。

「 そもそも、記録なんて残ってないからね。
中身を確かめようと思うなら、祠を開けてみるくらいしか方法がない。」
「 開けるつもりはないのか?」
「 あまり気は進まないよ。」

知人はそこで初めて、少し嫌そうな顔になった。

「 だって、開けたら出てくるかもしれないだろ?」









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日々の恐怖 1月31日 マンション(3)

2020-02-01 18:01:11 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 1月31日 マンション(3)




「 そうなのよ、ほかの人も2階で止まるって言ってたわ。
それにうちの旦那が2階が気持ち悪いって言うの。
変なものを見たって。」

と声を潜めて教えてくれた。

「 え?変なものって?」

こう言う話の好きな私は当然詳細を聞こうとしたが、

“ 何かモヤのようなもの。”

とのことで、それ以上の情報は聞き出せなかったが、少し言葉を濁していた様に思えたのが気になった。
 そんな事を聞いてしまった後は、2階で止まるエレベーターが怖くて仕方なく、乗り込んだら即『閉』ボタンの上に指を乗せて待機するようになった。
 それから1ヶ月も経っていなかったと思う。
管理人の旦那さんの方が病気で帰らぬ人になってしまったのだ。
 それから数ヶ月で管理人は変わり、今は明るくお喋りなおじさんが、マンションの管理に通ってきてくれている。
そして不思議な事に、管理人が変わってからは、エレベーターが2階で止まることはなくなった。
 奥さんが言っていた、

“ 変なもの。”

とは、病気が見せたものなのだろうか。
 最近夫が階段を使った際に、

「 2階は何だか嫌な雰囲気がするから行くなよ。」

と言っていました。









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